【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析 当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類へ移行したことにより、経済活動の再開が加速した一方で、円安が再び進行し、ロシア・ウクライナ情勢が長期化するなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。 水産・食品業界におきましては、インバウンド需要の復活などにより、外食・観光産業の回復が本格化してきたものの、ALPS処理水放出の影響を懸念する動きや、生産面ではエネルギーや原材料価格の高騰などがあり、厳しい経営環境が続きました。 このような状況の中で、中期経営計画『Build Up Platform 2024』(2021年度~2023年度)の最終年度として、『経営基盤の強化を図りながら、「事業課題への継続的取組み」と「持続的成長への挑戦」を柱とする戦略を進め、社会と極洋それぞれが共有するべき価値を創造していくことで、新たな成長への礎となる「高収益構造への転換」を目指す。』という基本方針のもと、目標達成に向け取り組んでおります。 当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は1,260億75百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益は39億96百万円(前年同期比25.7%減)、経常利益は41億42百万円(前年同期比28.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24億51百万円(前年同期比41.7%減)となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの変更を行っており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいています。詳細は「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)セグメント情報」のⅡ当第2四半期連結累計期間の「3.報告セグメントの変更等に関する事項」をご覧ください。
セグメント別の業績は次のとおりです。①水産事業セグメント 昨年後半から欧米においては物価高騰により消費が低迷したことを受けて、水産物の消費も減退し、各地で在庫が滞留しました。これにより、今年前半の水産物市況は世界的に不透明な状態が続きました。国内販売においても、相場不透明感から流通・加工業者は手堅い買付にとどまり、主要魚種のサケ、エビを中心に販売が減少しました。利益については、円安によるコスト上昇を販売価格に転嫁できず、水産物全体に相場強含みの中で高収益を確保した、前年同期を下回りました。 海外事業については、輸出はALPS処理水の放出を受けて中国政府が日本産水産物の輸入を禁止したことにより、中国向け主力商材であるホタテの取扱いは減少したものの、円安を背景に青物やマグロなどの販売が伸長し、売上は前年同期を上回りました。海外現地販売においては、インフレによる消費減退により、北米での販売が落ち込みました。 この結果、売上・利益とも前年同期を下回りました。水産事業セグメントの売上高は599億80百万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は21億58百万円(前年同期比32.9%減)となりました。
②生鮮事業セグメント 寿司種を中心とした生食商材は、値上げによる販売減少の動きが見られたものの、価格改定の浸透により収益は改善しました。マグロは、昨年来の世界的な需要の高まりを背景とした原料の高値が消費減退を招き、冷凍品全般に販売が大幅に減少しました。国産養殖クロマグロは、出荷は昨年並みで推移したものの、飼料費などの生産コストの上昇が収益を圧迫しました。海外まき網事業は、カツオの魚価上昇の一方で、水揚げ量の減少と修繕費の増加により収益は悪化しました。 この結果、売上・利益とも前年同期を下回りました。生鮮事業セグメントの売上高は324億84百万円(前年同期比9.4%減)、営業利益は10億92百万円(前年同期比49.4%減)となりました。
③食品事業セグメント 業務用冷凍食品は、生産コスト上昇を反映した値上げにより、販売数量減少の動きが見られたものの、価格改定効果があり、切身や煮魚・焼魚、水産フライなどの売上が伸長しました。市販用冷凍食品は煮魚・焼魚や、フライ製品などの弁当用商材の販売が拡大しました。冷凍食品の収益については、自社工場製品の拡販に価格改定が加わり、大きく改善しました。 缶詰は、原料高による値上げが影響しサバ缶の販売が減少する中で、注力したイワシ缶の売上は伸長したものの、サバ缶の落ち込みを補うには至らず、全体として販売が減少しました。おつまみ・珍味製品は価格改定の効果があり、売上・利益とも増加しました。 この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。食品事業セグメントの売上高は326億28百万円(前年同期比13.3%増)、営業利益は15億円(前年同期比192.4%増)となりました。
④物流サービスセグメント 冷蔵倉庫事業においては、庫腹率の高水準が続いたことで保管料収入が増加するとともに、利用運送事業における外部取引先との取引拡大により、売上が拡大しました。 この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。物流サービスセグメントの売上高は7億70百万円(前年同期比19.9%増)、営業利益は1億23百万円(前年同期比38.3%増)となりました。
(2)財政状態の分析 当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ88億11百万円増加し、1,551億12百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ57億71百万円増加し、1,199億74百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ30億39百万円増加し、351億38百万円となりました。負債合計は、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ53億84百万円増加し、1,047億19百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ34億26百万円増加し、503億93百万円となりました。この結果、自己資本比率は32.4%(前連結会計年度末比0.1ポイント減)となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析(単位:百万円)
前第2四半期連結累計期間
当第2四半期連結累計期間
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フロー現金及び現金同等物に係る換算差額現金及び現金同等物の増減額現金及び現金同等物の期首残高現金及び現金同等物の期末残高
△14,859△1,80615,820187△6596,5395,880
△1,220△3,1964,8022526387,0427,681
13,639△1,389△11,017651,2985021,800
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権や棚卸資産の増加などにより、12億20百万円の支出となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得などにより、31億96百万円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、48億2百万円の収入となりました。この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は期首残高より6億38百万円増加し、76億81百万円となりました。 当社グループは、事業活動に適切な流動性の維持と十分な資金を確保すると共に、グループ内でキャッシュマネージメントシステムを活用するなど運転資金の効率的な管理により、事業活動における資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を資金の主な源泉と考え、さらに金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行などによる資金調達を必要に応じて行い、十分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億80百万円であります。
#C1301JP #極洋 #水産農林業セクター