【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中でも、行動制限はなく、旅行支援やインバウンドの需要回復などにより経済活動の持ち直しがみられました。一方で、ロシア・ウクライナ問題の長期化や、急激な円安進行から円高に振れるなど、依然として先行き不透明な状況が続きました。水産・食品業界におきましては、外食・観光産業の需要回復がみられた一方で、生産面では原材料価格の上昇や原油価格の高止まり、物流費の高騰などにより、厳しい経営環境が続きました。 このような状況の中で、中期経営計画『Build Up Platform 2024』(2021年度~2023年度)の2年目として、『経営基盤の強化を図りながら、「事業課題への継続的取組み」と「持続的成長への挑戦」を柱とする戦略を進め、社会と極洋それぞれが共有するべき価値を創造していくことで、新たな成長への礎となる「高収益構造への転換」を目指す。』という基本方針のもと、目標達成に向け取り組んでおります。 当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は2,133億87百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益は81億24百万円(前年同期比42.2%増)、経常利益は83億39百万円(前年同期比38.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は59億64百万円(前年同期比49.4%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。①水産商事セグメント2022年前半からの相場上昇を受けて、第3四半期以降は水産物需要が減退しました。最大の需要期である年末商戦においても、主要魚種であるサケ、エビ、カニの取扱いは前年割れとなりました。収益面でも、年末に向けて円高が進んだことで相場が急落し、計画を大幅に下回りました。一方で、海外事業については、海外マーケットで競争力があるホタテやマグロの売上が伸長しました。この結果、売上・利益とも前年同期を下回りました。 水産商事セグメントの売上高は983億58百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益33億4百万円(前年同期比29.3%減)となりました。
②食品セグメント業務用冷凍食品は、量販店の惣菜売り場が好調を維持し、水産フライ・天ぷら類やエビフリッターなどの販売が拡大したほか、外食・観光産業の回復も進み、寿司種の売上が回転寿司ルート向けを中心に伸長しました。収益面では、主副原料などの高騰が続き、価格改定を実施しましたが、コスト増加分を十分に補うことはできませんでした。市販用冷凍食品は、煮魚・焼魚を中心に、コンビニエンスストア、宅配、ドラッグストア向けの販売が伸長しました。缶詰は、市場全体で価格改定が進行する中で、健康志向を捉えたサバ缶等の新商品が牽引し、全体として販売は伸長しました。しかしながら、製造コスト上昇に歯止めがかからず、収支面では厳しい状況が続きました。おつまみ・珍味製品は消費者の志向に合わせた商品の投入により持ち直してきたものの、第2四半期連結累計期間の落ち込みをカバーするまでには至らず、原材料価格の高騰が収益を圧迫しました。この結果、売上は前年同期を上回りましたが、利益は前年同期を下回りました。食品セグメントの売上高は824億9百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は8億5百万円(前年同期比15.3%減)となりました。
③鰹・鮪セグメント世界的な需要の高まりに起因する相場の高値継続で、一部に消費減退が見られたものの、クロマグロ、インドマグロを主体とした年末販売が順調だったことに加え、回転寿司ルート向けを中心に加工品が好調に推移し、計画を大幅に上回る利益を確保しました。さらに、国産養殖クロマグロは、高品質の維持に努めることで収益を確保しました。海外まき網事業は、船の燃料費が増加しているものの、市場全体として水揚げが減少したことによる引き合いの高まりから、カツオの魚価が上昇し、収支が改善しました。この結果、売上・利益とも前年同期を上回りました。 鰹・鮪セグメントの売上高は312億73百万円(前年同期比18.8%増)、営業利益は46億46百万円(前年同期比558.0%増)となりました。
④物流サービスセグメント冷蔵倉庫事業は、庫腹率が高い状態が続き、売上は拡大しましたが、上昇する電気料金に価格改定が追いつかず、収益を圧迫しました。利用運送業は、外部取引先との取引が拡大し、売上が伸長しました。この結果、売上は前年同期を上回りましたが、利益は前年同期を下回りました。物流サービスセグメントの売上高は10億21百万円(前年同期比16.5%増)、営業利益は1億56百万円(前年同期比13.5%減)となりました。
(2)財政状態の分析 当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ356億35百万円増加し、1,660億95百万円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金や棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ347億67百万円増加し、1,342億94百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ8億68百万円増加し、318億1百万円となりました。負債合計は、支払手形及び買掛金や短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ309億7百万円増加し、1,191億93百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ47億28百万円増加し、469億2百万円となりました。この結果、自己資本比率は28.6%(前連結会計年度末比4.1ポイント減)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定」の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2億54百万円であります。
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