【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による悪影響が和らぎ、景気回復基調をたどったものの、混沌とするウクライナ情勢を背景とするエネルギー価格の高騰、原材料不足に伴う一部生産活動の停滞、中国の一部都市でのロックダウンの影響に伴うサプライチェーンの混乱等の景気下押し要因も強く意識される展開となりました。また、世界的なインフレ警戒感の高まりを背景に、各国が金融引締め政策に舵を切ったことから、内外金利差の拡大に伴う為替相場の変動に加え、債券価格の下落やマネーフローの変化等により欧米の一部金融機関の経営問題がクローズアップされる等、先行きに対する警戒感が高まる状況となっております。当社グループを取り巻く事業環境につきましては、防災・減災、国土強靭化対策など建設需要の高まり等を背景に公共投資は全体としては底堅く推移しているものの、地域別の予算・事業量、執行の進捗状況等に大きな差が生じたことに加え、原材料価格が高値圏で目まぐるしく変動し、売上高・利益を計画通りに確保することが難しい状況を余儀なくされました。当連結会計年度末時点においても、業績に影響を与える原油価格や為替相場の動向等に引き続き注視を要する状況が続いております。このような事業環境の中、当社グループは、中期経営計画『しなやか2025』の2年目として、迅速かつ的確な意思決定のもと、組織一丸となって持続可能な企業グループとして成長していくことを目指し、各施策に取り組んでまいりました。当連結会計年度の業績につきましては、売上高は78,397百万円(前期比0.5%増)、営業利益は7,566百万円(前期比11.7%減)、経常利益は8,104百万円(前期比13.0%減)となりました。税金等調整前当期純利益は9,238百万円(前期比6.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、退職給付制度改定益1,202百万円を特別利益に計上したことにより6,284百万円(前期比7.7%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(アスファルト応用加工製品事業)アスファルト応用加工製品事業につきましては、原材料価格の乱高下への対応に加え、「長寿命化・高性能化」や「環境負荷低減」を図る高付加価値製品の設計・受注活動の更なる強化により販売拡大に努めてまいりました。売上高は27,175百万円(前期比5.3%増)となり、セグメント利益(営業利益)は6,014百万円(前期比8.8%減)となりました。
(道路舗装事業)道路舗装事業につきましては、防災・減災、国土強靭化対策をはじめとする工事が順調に進捗しましたが、使用する材料の価格高騰等の影響により原価率の上昇を余儀なくされ、また、公共事業の進捗が遅れた地域もありました。売上高は50,913百万円(前期比1.9%減)となり、セグメント利益(営業利益)は4,630百万円(前期比7.3%減)となりました。
(その他)その他につきましては、不動産賃貸収入などにより、売上高は308百万円(前期比1.5%増)となり、セグメント利益(営業利益)は224百万円(前期比1.6%減)となりました。
区 分
前連結会計年度
当連結会計年度
比較増減
金 額(百万円)
構成比(%)
金 額(百万円)
構成比(%)
金 額(百万円)
伸率(%)
流動資産
56,561
64.0
54,867
60.0
△1,693
△3.0
固定資産
31,864
36.0
36,606
40.0
4,742
14.9
流動負債
19,441
22.0
17,650
19.3
△1,791
△9.2
固定負債
908
1.0
1,353
1.5
444
49.0
純資産額
68,075
77.0
72,470
79.2
4,395
6.5
総資産額
88,425
100.0
91,474
100.0
3,049
3.4
当連結会計年度末の総資産額は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)に比べて3,049百万円増加し、91,474百万円となりました。(流動資産)流動資産は、前期末に比べて1,693百万円減少して54,867百万円となりました。これは、現金及び預金が1,682百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が578百万円減少したことなどによるものです。(固定資産)固定資産は、前期末に比べて4,742百万円増加して36,606百万円となりました。これは、建設仮勘定が649百万円、長期預金が1,100百万円、投資有価証券が1,513百万円、退職給付に係る資産1,492百万円増加したことなどによるものです。(流動負債)流動負債は、前期末に比べて1,791百万円減少して17,650百万円となりました。これは、買掛金が616百万円、未払法人税等が735百万円、賞与引当金が122百万円減少したことなどによるものです。(固定負債)固定負債は、前期末に比べて444百万円増加して1,353百万円となりました。これは、繰延税金負債が521百万円増加したことなどによるものです。(純資産額)純資産は、前期末に比べて4,395百万円増加して72,470百万円となりました。これは利益剰余金が5,001百万円、自己株式が465百万円増加したことなどによるものです。
この結果、自己資本比率は前期末の77.0%から79.2%となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
区 分
前連結会計年度(百万円)
当連結会計年度(百万円)
比較増減(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
7,737
6,556
△1,181
投資活動によるキャッシュ・フロー
△2,361
△5,834
△3,473
財務活動によるキャッシュ・フロー
△1,430
△3,115
△1,685
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
3,980
△2,382
△6,363
現金及び現金同等物の期首残高
23,110
27,091
3,980
現金及び現金同等物の期末残高
27,091
24,709
△2,382
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前期末に比べて、2,382百万円減少し、24,709百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローで増加した資金は6,556百万円(前期比15.3%減)となりました。これは、税金等調整前当期純利益9,238百万円、仕入債務の減少1,046百万円などによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローで支出した資金は5,834百万円(前期比147.1%増)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出2,567百万円などによるものです。この結果、フリー・キャッシュ・フローは721百万円のプラス(前期比4,654百万円減)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローで支出した資金は3,115百万円(前期比117.8%増)となりました。これは、自己株式取得のための預託金1,331百万円、配当金の支払い1,207百万円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況 a.生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前期比(%)
アスファルト応用加工製品事業
24,673
13.2
合計
24,673
13.2
(注) 1
金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2 道路舗装事業、その他については、生産実績を定義することが困難であるため記載しておりません。
b.商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
商品仕入高(百万円)
前期比(%)
アスファルト応用加工製品事業
2,102
△40.6
合計
2,102
△40.6
(注) 1
金額は仕入価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2
道路舗装事業、その他には、商品仕入実績はないため記載しておりません。
c.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比(%)
受注残高(百万円)
前期比(%)
アスファルト応用加工製品事業
27,612
6.6
741
143.8
道路舗装事業
50,228
△9.7
7,342
△8.5
合計
77,841
△4.5
8,083
△3.0
(注) 1
金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。2
その他には、受注実績がないため記載しておりません。
d.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
アスファルト応用加工製品事業
27,175
5.3
道路舗装事業
50,913
△1.9
その他
308
1.5
合計
78,397
0.5
(注)
金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおり、事業環境、事業内容、法的規制等、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に業界動向に留意しつつ、優秀な人材を確保し顧客のニーズに合った製品・工法を提供していくことにより、経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、当社グループは、従来から製品売上・工事売上等の営業活動により多くのキャッシュ・フローを得ており、現在及び将来にわたって必要な営業活動及び債務の返済などに備えるために、自己資金のほか金融機関からの借入等を活用し資金調達を図っております。当社は、国内金融機関からの借入について相対での借入枠を確保しており、コミットメントラインを設定し、長期・短期のバランスを考慮して安定的に資金調達しております。当社グループは連結経営強化のため、財務機能の一元化による資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しております。事業活動にかかる運転資金は、営業活動で獲得した資金を主な財源としておりますが、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的かつ効率的に使用することで金融負債の極小化を図っております。今後の投資については茨城県つくばみらい市における先進的で環境配慮型の生産・物流基地及び工事・調査センター機能を有する新規拠点の建設並びに既存拠点の整備・拡充、ICT関連とDXの推進等を進める方針であります。これら投資資金については自己資金及び金融機関からの借入により調達する予定であります。今後とも入出金の厳格な管理により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の拡大を実現し、財務体質の向上に努めていく所存であります。
③ 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績を勘案し合理的に判断しておりますが、実績の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。この連結財務諸表の作成にあたる重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。
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