【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものです。
(1)経営成績の状況および財政状態
① 決算の概要など
CAI International, Inc.の利益貢献や欧米子会社の事業伸長などにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比で4.5%増益。
・2021年11月に完全子会社化した米国の海上コンテナリース会社CAI International, Inc.の利益貢献、海外地域セグメントの欧米子会社を中心とした事業伸長、不動産関連の売却益の増加などにより、当第2四半期連結累計期間における売上総利益は前年同期比167億円(10.4%)増加の1,779億円となりました。
・前年同期に計上した政策保有株式に係る大口売却益(特別利益として267億円を計上)は剥落したものの、売上総利益の増加に加えて、貸倒関連費用の減少などにより、当第2四半期連結累計期間における親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比26億円(4.5%)増加の631億円となりました。
(単位:億円)
2022年3月期
第2四半期連結累計期間
2023年3月期
第2四半期連結累計期間
増減率(%)
売上高
8,333
9,447
13.4
売上総利益
1,611
1,779
10.4
営業利益
581
741
27.5
経常利益
590
757
28.2
親会社株主に帰属する
四半期純利益
604
631
4.5
② 主なトピックス
当社は、本年5月、経営理念の実現に向けて、「10年後のありたい姿(未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター)」を描き、ステークホルダーの皆さまからどのように認識される企業となりたいか、そのために当社がどのような変革を行っていくかを示した「経営の中長期的方向性」を公表しました。10年後に向けた3次にわたる中期経営計画を「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」とし、その「ホップ」に位置する2023年度から2025年度(2024年3月期から2026年3月期)の中期経営計画(2025中計)の策定のなかで、当該期間の具体的な経営・事業戦略、経営指標などの検討を進めています。
また、当社は、国連が策定した「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、「人権方針」を制定、本年10月に公表しました。当社は、人権が尊重される社会の実現に向けて、グローバル企業に期待される人権尊重の責任を果たすため、国際的に認められる人権に関連する基準などに配慮した事業活動に自主的、継続的に取り組んでいきます。
(主な事業上のトピックス)
・2022年5月 米国マサチューセッツ州における分散型太陽光発電事業への出資参画を発表しました。
また、環境負荷低減に配慮したマルチテナント型物流施設「CPD名古屋みなと」を竣工しました。
・2022年7月 秋田県秋田市において、2015年9月に竣工した秋田天秤野風力発電所の隣に、新たに太陽光発電所を建設し、太陽光と風力によるハイブリッド型発電所としての運転を開始しました。効率的な発電が可能な季節や時間帯の異なる太陽光発電と風力発電を併設することで、年間を通じた安定した電力供給を実現していきます。
また、三菱商事株式会社が事業開発を進めてきた倉庫産業DX事業を担う同社の新設子会社に出資参画しました。業界横断のパートナーシップにより、人手不足や環境負荷など、物流業界の社会的課題の解決に取り組んでいきます。
・2022年9月 環境負荷低減に配慮した物流施設「CPD西淀川」を竣工しました。
・2022年10月 海上コンテナリース事業を担うCAI International, Inc.とBeacon Intermodal Leasing, LLCの合併を決定しました(2023年1月実行予定)。同事業におけるグループガバナンスの強化、経営資源の有効活用、技術・ノウハウの融合加速による付加価値の創出をもって、同事業のグローバルにおける競争力を高めるとともに、その成長機会を取り込むことで、当社の中長期的な成長を支えるドライバーとして、さらなる強化、拡大を図ります。
③ 報告セグメント別の経営成績
セグメント別の経営成績は次のとおりです。
2022年4月1日付の組織改編にともない、報告セグメントを次の7セグメントに変更しています。
(報告セグメントの変更に関する詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。)
なお、前第2四半期連結累計期間および前連結会計年度の数値については、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを記載しています。
(カスタマーソリューション)
不動産リースに係る大口売却益の計上、ならびに、貸倒関連費用の減少などにより、セグメント利益は前年同期比22億円(12.4%)増加の206億円となりました。
(海外地域)
欧米子会社を中心とした事業の伸長、貸倒関連費用の減少、ならびに、欧州子会社における有価証券評価益の計上といった増益要因があったものの、前年同期に計上した政策保有株式に係る大口売却益の剥落により、セグメント利益は前年同期比57億円(19.7%)減少の236億円となりました。
(環境エネルギー・インフラ)
欧州における風力発電事業の運転開始にともなう持分法投資利益の増加、ならびに、インフラ事業における一部案件の出資持分売却にともなう売却益の計上などにより、セグメント利益は前年同期比42億円(382.2%)増加の54億円となりました。
(航空)
リース収入の増加、貸倒関連費用の減少など、事業は回復基調にあるものの、円安進行によるJOLCO(購入選択権付き日本型オペレーティングリース)事業における外貨建て借入に係る為替評価損の計上や、前年同期に計上した一部破綻債権における評価益の剥落、ならびに、減損損失の計上などにより、セグメント利益は前年同期比にて69億円減少し、27億円の損失となりました。
(ロジスティクス)
2021年11月に完全子会社化した海上コンテナリース会社CAI International, Inc.の利益貢献、ならびに、同事業を営むBeacon Intermodal Leasing, LLCにおいても業績が堅調に推移したことなどにより、セグメント利益は前年同期比82億円(913.5%)増加の91億円となりました。
(不動産)
米国の一部案件に対する貸倒関連費用の計上はあったものの、売却益の増加などにより、セグメント利益は前年同期比16億円(41.0%)増加の55億円となりました。
(モビリティ)
国内の堅調な中古車市場を背景に、リース満了車両の売却益が増加したことなどにより、セグメント利益は前年同期比4億円(23.6%)増加の23億円となりました。
報告セグメントごとの利益または損失
(単位:億円)
2022年3月期
第2四半期連結累計期間
2023年3月期
第2四半期連結累計期間
増減率(%)
報
告
セ
グ
メ
ン
ト
カスタマーソリューション
183
206
12.4
海外地域
294
236
△19.7
環境エネルギー・インフラ
11
54
382.2
航空
41
△27
-
ロジスティクス
9
91
913.5
不動産
39
55
41.0
モビリティ
19
23
23.6
調整額
6
△8
-
合計
604
631
4.5
(注)1.セグメント利益または損失(△)の調整額は、主に販売費及び一般管理費のうち、報告セグメントに帰属しない全社費用の調整額です。また、日立キャピタル株式会社との合併にともなうパーチェス法による利益調整額が含まれています。
2.セグメント利益または損失(△)は、四半期連結損益計算書の親会社株主に帰属する四半期純利益と一致しています。
報告セグメントごとの資産
(単位:億円)
2022年3月期
連結会計年度
2023年3月期
第2四半期連結会計期間
増減率(%)
報
告
セ
グ
メ
ン
ト
カスタマーソリューション
33,376
32,456
△2.8
海外地域
23,163
25,770
11.3
環境エネルギー・インフラ
4,179
4,304
3.0
航空
13,651
16,390
20.1
ロジスティクス
10,267
11,833
15.3
不動産
7,127
6,710
△5.8
モビリティ
1,294
1,286
△0.6
調整額
393
350
△11.1
合計
93,453
99,102
6.0
(注)1.セグメント資産は、営業資産、持分法適用会社への投資額、のれんおよび投資有価証券等です。
2.セグメント資産の調整額は、主に、2007年にダイヤモンドリース株式会社とUFJセントラルリース株式会社が合併して三菱UFJリース株式会社となった際に計上したのれんや全社に係る投資有価証券等の各報告セグメントに帰属しないセグメント資産およびセグメント間での取引の相殺です。
3.2022年3月期連結会計年度の数値は、変更後の報告セグメントに簡易的に組み替えた参考値です。
④ 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前期末比8,256億円増加の11兆1,545億円となり、純資産は前期末比2,253億円増加の1兆5,588億円、有利子負債(リース債務を除く)は前期末比6,253億円増加の8兆6,914億円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末比687億円増加して5,888億円となりました。
当第2四半期連結累計期間において資金が687億円増加した内訳は、営業活動により320億円、財務活動により525億円の資金獲得があった一方、投資活動により616億円の資金の使用、および換算差額により457億円増加したことによるものです。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益844億円に、賃貸資産に係る減価償却費・除却損および売却原価2,406億円を調整した収入等を、賃貸資産およびその他の営業資産の取得による支出2,464億円、仕入債務の減少による支出475億円等に振り向けた結果、320億円の資金収入となりました(前年同期は850億円の収入)。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入684億円等に対し、定期預金の預入による支出1,384億円等により、616億円の資金支出となりました(前年同期は113億円の収入)。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、直接調達で267億円の純支出、銀行借入等の間接調達で1,061億円の純収入となり、配当金の支払額215億円等により、525億円の資金収入となりました(前年同期は3,150億円の支出)。
(3)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)特定金融会社等の開示に関する内閣府令(平成11年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく営業貸付金の状況
当社の営業貸付金の状況は次のとおりです。
① 貸付金の種別残高内訳
2022年9月30日現在
貸付種別
件数(件)
構成割合(%)
残高(百万円)
構成割合(%)
平均約定金利(%)
消費者向
無担保(住宅向を除く)
37
0.38
50
0.00
2.14
有担保(住宅向を除く)
-
-
-
-
-
住宅向
6,335
65.98
33,899
1.87
1.40
計
6,372
66.36
33,950
1.87
1.40
事業者向
計
3,230
33.64
1,777,850
98.13
1.76
合計
9,602
100.00
1,811,800
100.00
1.73
② 資金調達内訳
2022年9月30日現在
借入先等
残高(百万円)
平均調達金利(%)
金融機関等からの借入
2,297,196
1.35
その他
2,240,753
0.86
社債・CP
2,116,180
0.89
合計
4,537,950
1.11
自己資本
790,160
-
資本金・出資額
33,196
-
(注)1.当第2四半期累計期間における貸付債権の譲渡の合計額は、0百万円です。
2.平均調達金利については、借入金等の期末残高に対する約定金利による加重平均金利を記載しています。
③ 業種別貸付金残高内訳
2022年9月30日現在
業種別
先数(件)
構成割合(%)
残高(百万円)
構成割合(%)
製造業
121
2.00
15,518
0.86
建設業
16
0.27
392
0.02
電気・ガス・熱供給・水道業
42
0.70
97,455
5.38
運輸・通信業
33
0.55
310,904
17.16
卸売・小売業、飲食店
220
3.65
21,023
1.16
金融・保険業
33
0.55
201,886
11.14
不動産業
215
3.56
392,890
21.69
サービス業
572
9.48
662,265
36.55
農業
-
-
-
-
個人
4,683
77.62
33,950
1.87
その他
98
1.62
75,514
4.17
合計
6,033
100.00
1,811,800
100.00
④ 担保別貸付金残高内訳
2022年9月30日現在
受入担保の種類
残高(百万円)
構成割合(%)
有価証券
-
-
うち株式
-
-
債権
7,098
0.39
うち預金
2,634
0.15
商品
-
-
不動産
167,981
9.27
財団
81
0.00
その他
3,896
0.22
計
179,057
9.88
保証
9,977
0.55
無担保
1,622,766
89.57
合計
1,811,800
100.00
⑤ 期間別貸付金残高内訳
2022年9月30日現在
期間別
件数(件)
構成割合(%)
残高(百万円)
構成割合(%)
1年以下
914
9.52
65,032
3.59
1年超 5年以下
1,110
11.56
841,646
46.46
5年超 10年以下
1,050
10.94
354,459
19.56
10年超 15年以下
82
0.85
198,537
10.96
15年超 20年以下
731
7.61
291,236
16.07
20年超 25年以下
1,651
17.19
11,079
0.61
25年超
4,064
42.33
49,808
2.75
合計
9,602
100.00
1,811,800
100.00
一件当たり平均期間
8.49年
(注)期間は、約定期間によっています。
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