【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。当社グループは、第1四半期連結会計期間の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下、「収益認識会計基準」という。)等を適用しております。2022年12月期第3四半期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっており、売上高の対前年同期比は記載しておりません。詳細については、P.13「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年1月1日~9月30日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響や、原材料価格、エネルギー価格の上昇等もあり依然として厳しい状況となっております。このような状況下にあって当社グループは、お客様に、より良い商品と最善のサービスを提供できるよう、従業員の健康管理をはかりつつ、新しい生活様式に対応した営業施策のもと、売上と利益の確保につとめてまいりました。その結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、720億58百万円となりました。収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は114.5%となっております。利益面では、営業利益は25億16百万円(対前年同期比128.6%)、経常利益は37億18百万円(対前年同期比127.7%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20億28百万円(対前年同期比126.3%)と、前年同期の実績を上回り、増益とすることができました。なお、前期末まで持分法適用関連会社でありました日本食材株式会社を第1四半期連結会計期間の期首から連結子会社としております。
当社グループのセグメントの概況は次のとおりであります。
当第3四半期連結累計期間
前第3四半期連結累計期間
対前年同期比(参考)※2
増減(参考)※2
2022年1月1日から2022年9月30日まで
2021年1月1日から2021年9月30日まで
売上高
構成比
売上高(参考)※1
売上高
構成比
洋 菓子事業
百万円
%
百万円
百万円
%
%
百万円
洋菓子
17,463
24.2
17,626
17,499
23.7
100.7
127
レストラン
3,395
4.7
3,406
2,918
3.9
116.7
488
計
20,858
28.9
21,032
20,417
27.6
103.0
615
製菓事業
菓 子
45,086
62.6
57,367
47,458
64.3
120.9
9,908
飲 料
3,781
5.3
3,795
3,828
5.2
99.1
△33
計
48,868
67.9
61,163
51,287
69.5
119.3
9,875
その他
2,331
3.2
2,334
2,109
2.9
110.6
224
合 計
72,058
100.0
84,529
73,814
100.0
114.5
10,715
注)記載金額は、百万円未満を切り捨てて表示しております。※1 収益認識会計基準適用に伴い、当該会計基準の影響等を除外した実質の数値を参考として記載しております。 ※2 ※1の数値と前第3四半期連結累計期間の数値を比較・分析しております。
<洋菓子事業>当社単体の洋菓子においては、洋菓子チェーン店にて、産地・品種にこだわった原料を使用した新製品や人気製品を拡販する施策を週替わりで実行するとともに、本年で発売100周年を迎えたショートケーキについては「12の物語」と題して毎月記念製品を発売するなどお客様に選ぶ楽しさを提供するようつとめています。同時に、テレビCMを含め特に若年層に向けた販売促進活動を展開して売上確保をはかりました。なお、当第3四半期連結会計期間末の不二家洋菓子店の営業店舗数は、953店(前年同期差14店減)となっております。広域流通企業との取り組みについては、厳選素材を使用したパフケーキ「ペコパフ」や当社のマカロンの焼成技術を活用した「トゥンカロン」の販売が好調に推移しました。また、『ミルキー』や『カントリーマアム』など当社のブランドを活かした製品の提案も積極的に行っております。
㈱不二家神戸では、コンビニエンスストア向けの製品アイテムを整理して効率化をはかるとともに、チェーン店では不二家製品の品揃えを充実させて売上確保をはかっております。
㈱ダロワイヨジャポンでは、店舗での積極的な販売促進活動のもと、主力製品であるマカロンの販売が伸長したことにより、好調な業績となっております。
この結果、洋菓子類の売上高は、174億63百万円となりました。なお、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は100.7%となっております。
レストラン事業については、好調なケーキ類の拡販やメニュー強化、美化改装に取り組んでおります。料理のテイクアウトや宅配サービスの導入もあり、売上は前年同期の実績を上回ることができました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における洋菓子事業全体の売上高は、208億58百万円となりました。収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は103.0%となっております。
<製菓事業>当社単体の菓子においては、「カントリーマアム チョコまみれ」の好調な販売に対して生産能力を最大限に増強し、需要に合わせた包装形態も取り揃え、一層の拡販をはかっています。また、新製品「ホームパイ チョコだらけ」の販売も好調なスタートをきっております。『ルック』や『ミルキー』などのブランドにおいても新製品を発売し、テレビCM、デジタル広告配信等の販売促進活動を積極的に展開して売上拡大につとめた結果、収益認識会計基準適用の影響等を除外した売上は前年同期の実績を上回ることができました。原材料やエネルギー価格高騰への対策として、生産能力増強や省人化、太陽光発電設備の導入をはかるなどさらなる生産性向上に取り組むとともに、内容量や価格の見直しを行い、利益確保につとめました。
不二家(杭州)食品有限公司では、新型コロナウイルス感染症の再拡大による都市封鎖が相次ぎ苦戦しておりましたが、封鎖解除により売上は回復傾向となっております。
この結果、製菓事業における菓子の売上高は、新規連結の日本食材株式会社の実績を含め、450億86百万円となりました。なお、収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は120.9%となっております。
飲料については、「レモネードスカッシュ」、「ネクタースパークリング ピーチ&グレープ」など新製品を発売し、売上高は、37億81百万円となりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における製菓事業全体の売上高は、488億68百万円となりました。収益認識会計基準適用の影響等を除外した実質の対前年同期比は119.3%となっております。
<その他>キャラクターグッズ販売、ライセンス事業、不動産賃貸事業及び㈱不二家システムセンターのデータ入力サービスなどの事務受託業務の売上高は、23億31百万円となりました。
財政状態は、次のとおりであります。流動資産は358億64百万円で、主に受取手形及び売掛金の減により前連結会計年度末に比べ12億46百万円減少いたしました。固定資産は457億85百万円で、主に有形固定資産の増により、前連結会計年度末に比べ71億75百万円の増加となりました。この結果、総資産は816億49百万円で前連結会計年度末に比べ59億29百万円増加いたしました。また、流動負債は196億76百万円で、主に支払手形及び買掛金やその他に含まれる設備支払手形の増により前連結会計年度末に比べ17億60百万円増加いたしました。固定負債は37億38百万円で、主に繰延税金負債の増により前連結会計年度末に比べ2億90百万円増加いたしました。この結果、負債は合計234億15百万円で、前連結会計年度末に比べ20億51百万円増加いたしました。純資産は582億34百万円で、主に利益剰余金や非支配株主持分の増により前連結会計年度末に比べ38億78百万円増加いたしました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は、3億53百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間におきまして、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)主要な設備当第3四半期連結累計期間における重要な設備の新設の計画の主なものは次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方法
着手年月
完了予定年月
完成後の増加能力
総額(百万円)
既支払額(百万円)
株式会社不二家
秦野工場(神奈川県秦野市)
製菓事業
製菓生産設備
3,305
1,553
自己資金
2022年4月
2022年11月
生産能力156,000個/h