【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の分析当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日まで)におけるわが国の経済は、3月に「まん延防止等重点措置」が解除されたのち緩やかな回復傾向にありました。しかしながら、7月以降の新型コロナウイルス変異株の感染者の急増、ロシア・ウクライナ情勢の長期化による原材料及びエネルギー価格の上昇、世界的なインフレ率の上昇と日米金利差拡大による急激な円安の進行等が続いたことで景気後退リスクが高まり、依然として先行きが不透明な状況で推移しております。外食産業におきましては、新型コロナウイルスの感染者数が高止まりしたことに加え、原材料費、光熱費、人件費などの店舗運営コストの上昇により、引き続き厳しい経営環境が続いております。このような経済環境の中、当社グループは、イートイン中心の外食産業からデジタルTechを活用した総合食品企業への変革を目指し「楽天Payアプリ決済の導入」「幸楽苑のからあげ家におけるモバイルオーダー・事前決済システムの導入」「タブレット注文システム導入店舗の増加」「各ECサイトにおける販売促進」等の施策を引き続き推し進めてまいりました。また、商品のブラッシュアップとスタンダードの再確立を最優先課題として商品政策を推進し、グランドメニューの更改並びに一部商品の価格改定を実施いたしました。さらに、固定費管理の徹底等によるコスト削減に積極的に取り組み、収益性の向上に努めてまいりました。このような取組みにより、売上高及び営業利益は対前期比で改善しております。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高は12,674百万円(前年同期比1.5%増)、営業損失688百万円(前年同期は営業損失971百万円)、経常損失423百万円(前年同期は経常利益517百万円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,071百万円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純利益341百万円)となりました。また、当第2四半期連結会計期間末のグループ店舗数は、438店舗(前年同期比11店舗減)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであり、金額については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んで表示しております。
①
ラーメン事業新型コロナウイルス感染症拡大の影響による限定営業の影響を受けながらも、ラーメン事業においては、「中華そば」、「中華そばプレミアム」、「餃子極」をコアメニューとしながら、「カレーらーめん」「月見らーめん」等の期間限定商品を随時投入しました。店舗展開につきましては、「幸楽苑 since1954+幸楽苑のからあげ家」に4店舗を業態転換いたしました。店舗数は、直営店391店舗(前年同期比15店舗減)となり、業態別には「幸楽苑」381店舗、「KOURAKUEN THE RAMEN CAFE」1店舗、「幸楽苑 since1954+幸楽苑のからあげ家」6店舗、「幸楽苑の家系らーめんトラック野郎 since2021」3店舗となりました。また、通販ではECサイトのキャンペーンに参加し認知度アップをはかり、売上高は62百万円(前年同期比50.5%減)となり、2021年8月より開始した外販では積極的に新規顧客開拓の提案活動を進め、売上高は5百万円(前年同期比253.9%増)となりました。この結果、ラーメン事業の売上高は11,386百万円(前年同期比1.6%増)となりました。②
その他の事業その他の事業は、フランチャイズ事業(ラーメン業態のフランチャイズ展開)、その他外食事業(洋和食業態の店舗展開)を行っております。フランチャイズ事業につきましては、店舗数は17店舗(国内12店舗、海外5店舗)となりました。その他外食事業につきましては、「焼肉ライク」直営店12店舗、「からやま」直営店7店舗、「赤から」直営店5店舗、「餃子の味よし」5店舗、「VANSAN」1店舗となりました。この結果、その他の事業の売上高は1,288百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(2) 財政状態の分析(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,256百万円減少し、1,904百万円となりました。これは、現金及び預金が456百万円、流動資産「その他」に含まれる未収入金が826百万円減少したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて990百万円減少し、9,991百万円となりました。これは、リース資産が221百万円、投資その他の資産「その他」に含まれる繰延税金資産が591百万円減少したことなどによります。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて2,247百万円減少し、11,896百万円となりました。(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて427百万円減少し、5,193百万円となりました。これは、未払法人税等が226百万円、流動負債「その他」に含まれる未払金が221百万円減少したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて771百万円減少し、4,144百万円となりました。これは、長期借入金が529百万円、固定負債「その他」に含まれるリース債務が171百万円減少したことなどによります。この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,199百万円減少し、9,337百万円となりました。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,047百万円減少し、2,559百万円となりました。これは、利益剰余金が1,071百万円減少したことなどによります。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ479百万円減少し、723百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況と、それらの主な要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、583百万円の収入(前年同期は1,275百万円の支出)となりました。これは、税金等調整前四半期純損失の計上460百万円、減価償却費の計上603百万円、新型コロナウイルス感染症による助成金の未収入金を含むその他資産の減少額653百万円等によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、273百万円の支出(前年同期は688百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出505百万円、賃貸不動産の売却による収入242百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、765百万円の支出(前年同期は261百万円の収入)となりました。これは、長期借入金の返済による支出544百万円、リース債務の返済による支出232百万円等によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び連結子会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等は次のとおりであります。当社グループは、2021年5月27日開催の取締役会において、「当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針」(以下、「会社の支配に関する基本方針」という。)に基づき、当社グループの企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、買収防衛策の内容一部変更及び継続を目的とした「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下、「本対応策」という。)の継続について決議し、2021年6月18日開催の当社第51期定時株主総会における承認を得て継続しております。①
会社の支配に関する基本方針の概要当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、当社の企業理念、当社の企業価値の源泉、当社のステークホルダーの方々との信頼関係を理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならない、と考えております。②
会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みの概要当社では、当社の企業価値及び株主共同の利益を向上させるため、中期経営計画の達成に向けてグループ全社を挙げて取り組んでおります。この中期経営計画の骨子は、次のとおりであります。イ
既存店舗の利益改善と新幸楽苑モデルの開発ロ
新幸楽苑モデルの海外展開と新業態のグループ化ハ
新工場の建設に伴う外販事業の拡大ニ
財務体質の強化ホ
コーポレートガバナンス重視経営また、長期数値目標値として、経常利益率10%、自己資本利益率(ROE)10%以上、自己資本比率50%以上の実現と継続を掲げ、経営効率の改善に努めてまいります。③
本対応策の概要イ
本対応策の対象となる当社株式の買付本対応策の対象となる当社株式の買付とは、特定株主グループの保有割合が20%以上となる当社株式等の買付行為、又は既に20%以上を所有する特定株主グループによる当社株式等の買増行為(以下、「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行うものを「大規模買付者」という。)とします。ロ
大規模買付ルールの概要大規模買付者は、まず当社取締役会宛に、日本語で記載された「意向表明書」を提出していただき、当社はこの意向表明書の受領後、大規模買付者から当社取締役会に対して、当社の株主の皆様の判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な日本語で記載された情報(以下、「大規模買付情報」という。)の提出を求めます。当社取締役会は、大規模買付者が当社取締役会に対し大規模買付情報の提供を完了した後、当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間を設定し、当社取締役会は独立委員会による勧告を受ける他、適宜必要に応じて外部専門家の助言を受けながら提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、当社取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、開示します。ハ
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。ただし、当該大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は例外的に当社株主の皆様の利益を守るために適切と判断する対抗措置を講じることがあります。
ニ
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合当社取締役会は、当社の企業価値及び株主共同の利益を守ることを目的として、新株予約権の無償割当等、会社法その他の法令により認められる措置(以下、「対抗措置」という。)を講じ、大規模買付行為に対抗する場合があります。④
対抗措置の合理性及び公平性を担保するための制度及び手続イ
独立委員会の設置当社取締役会による恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するために、独立委員会規程を定め、独立委員会を設置しております。ロ
対抗措置発動の手続対抗措置をとる場合には、独立委員会は、大規模買付情報の内容等を十分勘案した上で対抗措置の内容及びその発動の是非について当社取締役会に対して勧告を行うものとします。ハ
対抗措置発動の停止等について対抗措置の発動が適切ではないと当社取締役会が判断した場合には、あらためて独立委員会に諮問し、対抗措置の発動の停止又は変更などを行うことがあります。⑤
本対応策の有効期間本対応策の有効期間は、2024年6月に開催予定の定時株主総会終結時までであります。⑥
本対応策に対する当社取締役会の判断及びその理由イ
本対応策が会社の支配に関する基本方針に沿うものであること当社の財務・事業方針の決定を支配する者の在り方は、当社の実態を正確に理解し、当社の企業価値及び株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないという観点から、本対応策は、大規模買付者が当社の支配者として相応しい者であるか否かを判別するためのシステムとして構築しました。本対応策により、当社取締役会は、大規模買付者は、当社の正確な実態を理解しているか、当社の経営資源をどのように有効利用する方針なのか、これまでの当社とステークホルダーの関係にどのような配慮をしているか、これらを踏まえ当該大規模買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上につながることになるのか等を検討することで当社の支配者として相応しいか否かの判別をし、そのプロセス及び結果を投資家の皆様に開示いたします。ロ
本対応策が当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではないこと本対応策は、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保し向上させることを目的に作成したものです。当社の支配者として相応しくないと判断される大規模買付者への対抗措置として現時点で想定しております新株予約権の無償割当も、当該大規模買付者以外の株主の皆様の利益を損なわないよう配慮して設計しております。ハ
本対応策が当社取締役の地位の維持を目的とするものではないこと買収防衛策を導入することは、得てして取締役(会)の保身と受取られる可能性のある意思決定事項であることは承知しております。そのため、このような疑義を生じさせないため、本対応策の効力発生は株主総会での承認を条件としておりますし、本対応策の継続又は廃止に関しましても株主総会の決定に従います。さらに、当社の支配者として相応しくないと判断される大規模買付者への対抗措置の発動プロセスにも取締役会の恣意性を排除するために外部者により構成する独立委員会のシステムを導入しております。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は14百万円であります。