【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。これらは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の経営方針・経営戦略等を踏まえて分析しています。当社グループは当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値をIFRSに組み替えて比較・分析を行っています。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1) 経営成績の状況① 連結業績の概況世界経済は、各国の渡航規制の緩和による航空需要の増加や中国のゼロコロナ政策終了に伴う内需拡大などにより堅調に推移しており、国内においても、新型コロナウイルス感染症に関する各種規制が緩和され、サービス消費やインバウンドを中心として緩やかに回復しています。また、米国における金融機関の経営破綻から、一時は金融システムや実体経済への悪影響が懸念されましたが、現時点でその影響は比較的軽微に留まっています。一方、欧米各国を中心に高インフレや金融引き締めに伴う景気減速への警戒感が強まっており、世界経済の先行きや国内景気への影響については引き続き注視が必要です。このような経営環境の中で、当連結会計年度における当社グループの連結受注高は、車両事業、パワースポーツ&エンジン事業などにおける受注増加により増加となりました。連結売上収益については、パワースポーツ&エンジン事業、航空宇宙システム事業などが増収となったことにより、全体でも前期比で増収となりました。利益面に関しては、事業利益は、精密機械・ロボット事業などでの減益はあったものの、パワースポーツ&エンジン事業、航空宇宙システム事業、エネルギーソリューション&マリン事業での増益などにより、前期比で増益となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、為替差損益などの悪化はあったものの、事業利益の増益により増益となりました。この結果、当社グループの連結受注高は前期比4,353億円増加の2兆374億円、連結売上収益は前期比2,247億円増収の1兆7,256億円、事業利益は前期比519億円増益の823億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比403億円増益の530億円となりました。また、事業利益率は4.7%、税前ROICは7.7%、税後ROICは5.7%、ROEは9.8%となりました。(※) なお、現状の資本コスト(WACC)は4%台と推計しており、これを上回る税後ROICを確保しています。「グループビジョン2030」で掲げた適正な利益水準(事業利益率:5~8%、税後ROIC:資本コスト(WACC)+3%以上)の達成に向け、順調に推移しています。
※ 税前ROIC = EBIT(税引前利益 + 支払利息) ÷ 投下資本(純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均)税後ROIC = (親会社の所有者に帰属する当期利益 + 支払利息 × (1 - 実効税率)) ÷ 投下資本(純有利子負債の期首・期末平均 + 自己資本の期首・期末平均)グループ全体として資本コストを意識した経営を推進する視点に立ち、資本市場との対話を促進するため、2022年度は税前ROICに加え税後ROICも開示し、2023年度以降は税後ROICに統一する予定です。
② セグメント別業績の概要航空宇宙システム事業航空宇宙システム事業を取り巻く経営環境は、防衛省向けについては抜本的な防衛力強化という防衛省の方針のもと、今後の需要増が期待されます。民間航空機については、新型コロナウイルス感染拡大により旅客需要が低迷していましたが、経済活動再開を優先する諸国が増加してきていることから、回復に向けて大きく前進しています。このような経営環境の中で、連結受注高は、民間航空エンジン分担製造品が増加したものの、防衛省向けの大口案件の受注があった前期に比べ377億円減少の3,455億円となりました。連結売上収益は、民間航空エンジン分担製造品や民間航空機向け分担製造品などが増加したことにより、前期に比べ506億円増収の3,488億円となりました。事業損益は、民間航空エンジン分担製造品や民間航空機向け分担製造品などの増収により、前期に比べ252億円改善して148億円の利益となりました。
車両事業車両事業を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大による鉄道利用者数の減少の影響がありましたが、感染が収束し利用者数の回復が見込まれ、国内外で鉄道車両への投資が再開しつつあります。一方で、足元への影響は限定的ではあるものの、電子部品等の供給不足や物流混乱、原材料価格の高騰については、収束が見えつつも注視が必要です。中長期的には、海外市場では大都市の環境対策のための都市交通整備、アジア諸国の経済発展に伴う鉄道インフラニーズなど、今後も世界的に比較的安定した成長が見込まれます。このような経営環境の中で、連結受注高は、ニューヨーク市交通局向け新型地下鉄電車のオプション契約を受注したことなどにより、前期に比べ2,417億円増加の3,132億円となりました。連結売上収益は、米国向け車両や国内向け車両が増加したことなどにより、前期に比べ52億円増収の1,319億円となりました。事業利益は、増収はあったものの、米国ロングアイランド鉄道向け車両案件の工程遅れによる影響等により、前期並みの13億円となりました。
エネルギーソリューション&マリン事業エネルギーソリューション&マリン事業を取り巻く経営環境は、世界経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響による停滞から正常化に向かう中、回復基調を維持しています。国内外の分散型電源需要、及び新興国におけるエネルギーインフラ整備需要は依然根強く、国内ごみ焼却設備の老朽化更新需要も継続しています。また、LPG/アンモニア運搬船も堅調な需要が見込まれます。更には、世界的にカーボンニュートラルの実現を目指す動きが強まっており、当社が強みとする水素製品をはじめ、脱炭素ソリューションに関する問い合わせや協力要請が増加しています。一方、発電設備の稼働に必要な燃料ガスの供給安定性など足元の状況に不透明感があるほか、昨今の原材料価格や資機材・燃料費、輸送運賃の高止まり等による受注、売上収益への影響には注視が必要です。このような経営環境の中で、連結受注高は、防衛省向け潜水艦の受注やLPG/アンモニア運搬船、発電設備の受注増加などにより、前期に比べ954億円増加の4,390億円となりました。連結売上収益は、国内向けごみ処理施設案件の工事量減少はあったものの、エネルギー事業や防衛省向け潜水艦の工事量増加などにより、前期に比べ172億円増収の3,145億円となりました。事業損益は、国内向けごみ処理施設案件の工事量減少はあったものの、エネルギー事業、防衛省向け潜水艦の増収や持分法損益の改善などにより、前期に比べ147億円改善の39億円の利益となりました。
精密機械・ロボット事業精密機械・ロボット事業を取り巻く経営環境は、精密機械分野では、中国以外の地域における建設機械市場については堅調に推移しましたが、中国建設機械市場は、ゼロコロナ政策に伴うロックダウン等の影響により需要が低迷しました。ロボット分野では、足元ではメモリを中心とする半導体市場の落込みや米中経済摩擦の影響により、半導体製造装置向けロボット需要は減速していますが、通期では好調に推移しました。また、一般産業用ロボットは、世界的に自動化投資の高い需要が続いています。このような経営環境の中で、連結受注高は、各種ロボットの増加はあったものの、中国建設機械市場向け油圧機器が減少したことなどにより、前期に比べ98億円減少の2,620億円となりました。連結売上収益は、中国建設機械市場向け油圧機器の減収はあったものの、拡販や部品供給不足の緩和による各種ロボットの増収などにより、前期並みの2,526億円となりました。事業利益は、電子部品や素材費高騰等のコストアップ、中国でのロックダウンで一時操業が低下したことや、中国建設機械市場向け油圧機器が減少したことなどにより、前期に比べ51億円減益の87億円となりました。
パワースポーツ&エンジン事業パワースポーツ&エンジン事業を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大による市場への影響は徐々に弱まっています。半導体等の不足による製品供給への影響は今なお残っており注視が必要ですが、物流の混乱は落ち着きを取り戻しています。主要市場である米国では需要はやや減速しつつあるものの、今のところ堅調に推移しています。また、東南アジア市場は国ごとの差はありつつも全体として前年度より回復しています。このような経営環境の中で、連結売上収益は、北米向け、東南アジア向け二輪車及び北米向け四輪車、汎用エンジンが増加したことに加え、為替レートが円安に推移したことなどにより、前期に比べ1,432億円増収の5,911億円となりました。事業利益は、原材料費、物流費の高騰、固定費の増加はあったものの、価格転嫁が順調に進んでいることに加え、二輪車、四輪車及び汎用エンジンの拡販や為替の影響などにより、前期に比べ340億円増益の715億円となりました。
その他事業連結売上収益は、前期に比べ83億円増収の863億円となりました。事業損益は、前期に比べ49億円悪化の18億円の損失となりました。
当社グループは「グループビジョン2030」において、注力するフィールドを「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」とし、手術支援ロボットをはじめとする医療・ヘルスケア事業、更には、配送ロボットや無人輸送ヘリコプタの事業化、カーボンニュートラル社会の早期実現に向けた水素事業や電動化の推進など、社会課題ソリューション創出への取組を着実に進めています。
(2) 財政状態の状況(資産)流動資産は、棚卸資産や営業債権及びその他の債権、契約資産などの増加により前期末比2,501億円増加し、1兆5,703億円となりました。非流動資産は、使用権資産の増加などにより前期末比329億円増加し、8,873億円となりました。この結果、総資産は前期末比2,830億円増加の2兆4,577億円となりました。
(負債)有利子負債は、前期末比359億円増加の5,898億円となりました。負債全体は、社債、借入金及びその他の金融負債の増加などにより前期末比2,111億円増加の1兆8,608億円となりました。
(資本)資本は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより、前期末比719億円増加の5,968億円となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は前期比299億円増の1,384億円となりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、前年同期に比べ1,332億円減の236億円となりました。収入の主な内訳は、減価償却費及び償却費773億円、営業債務及びその他の債務の増加額422億円であり、支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額642億円、契約資産の増加額502億円、営業債権及びその他の債権の増加額593億円です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果支出した資金は、前年同期に比べ190億円増の774億円となりました。これは主に有形固定資産及び無形資産の取得によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は、前年同期に比べ1,942億円増の853億円となりました。これは主に債権流動化による収入によるものです。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析 ① 財務政策当社グループの運転資金・投資向け資金等の必要資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源としていますが、必要に応じて、短期的な資金については銀行借入やコマーシャル・ペーパーなど、設備投資資金・投融資資金等の長期的な資金については、設備投資・事業投資計画に基づき、金融市場動向や固定資産とのバランス、既存借入金及び既発行債の償還時期などを総合的に勘案し、長期借入金や社債などによって調達しています。当社グループは上述の多様な資金調達源に加え、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結しており、事業活動に必要な資金の流動性を確保しています。また、当社と国内子会社間、また海外の一部地域の関係会社間ではキャッシュ・マネジメント・システムによる資金融通を行っており、グループ内の資金効率向上に努めています。
② 資金需要の主な内容当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では生産活動に必要な運転資金(材料費、外注費、人件費等)、受注活動又は販売促進のための販売費、新規事業の立ち上げや製品競争力の強化のための研究開発費などがあります。投資活動に係る資金支出には、事業の遂行、新規立ち上げ、生産性向上のための設備や施設への投資などがあります。
(5) 経営方針・経営戦略及び経営指標等に照らした経営成績等の分析・検討当社グループは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を利益及びROICとし、事業利益率で5~8%、税後ROICで資本コスト(WACC)+3%以上を確保すべく努めていきます。2022年度は、先進国の旺盛なアウトドア需要を背景にパワースポーツ&エンジン事業が大幅な増益となったことに加え、航空宇宙システム事業が旅客需要の回復に伴い大幅に改善したことから、事業利益823億円、事業利益率4.7%、税後ROIC5.7%と前年度から大きく好転しました。2023年度は、パワースポーツ&エンジン事業における販促費の増加等を見込むものの、旅客需要の一段の回復が見込まれる航空宇宙システム事業等の採算改善により、為替影響を除けば堅調に推移すると予想しています。引き続き適正な販売価格の実現やコスト競争力の強化に取り組み、各指標の超過達成を実現するべく努めていきます。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の全社及びセグメントごとの事業利益率は、次のとおりです。(単位:%)
セグメントの名称
前連結会計年度
当連結会計年度
変動
航空宇宙システム
△3.4
4.2
7.7
車両
1.7
1.0
△0.7
エネルギーソリューション&マリン
△3.6
1.2
4.9
精密機械・ロボット
5.5
3.4
△2.0
パワースポーツ&エンジン
8.3
12.1
3.7
全社
2.0
4.7
2.7
航空宇宙システム事業においては、民間航空エンジン分担製造品や民間航空機向け分担製造品などの増収等により、事業利益率は前期に比べ7.7ポイント上昇しました。また、エネルギーソリューション&マリン事業においては、国内向けごみ処理施設案件の工事量減少はあったものの、エネルギー事業、防衛省向け潜水艦の増収や持分法損益の改善などにより、前期に比べ4.9ポイント上昇しました。更に、パワースポーツ&エンジン事業においては、原材料費、物流費の高騰、固定費の増加はあったものの、価格転嫁が順調に進んでいることに加え、二輪車、四輪車及び汎用エンジンの拡販や為替の影響などにより、前期に比べ3.7ポイント上昇しました。
(6) 生産、受注及び販売の実績① 生産実績当連結会計年度におけるセグメントごとの生産実績は、次のとおりです。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前期比増減(%)
航空宇宙システム
325,966
+8.7
車両
132,217
+13.8
エネルギーソリューション&マリン
287,834
+8.1
精密機械・ロボット
221,965
△2.1
パワースポーツ&エンジン
435,956
+23.7
その他
94,703
+13.3
合計
1,498,643
+11.4
(注) 金額は、生産高(製造原価)によっています。
② 受注実績当連結会計年度におけるセグメントごとの受注実績は、次のとおりです。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前期比増減(%)
受注残高(百万円)
前期比増減(%)
航空宇宙システム
345,549
△9.9
670,686
+8.2
車両
313,247
+338.1
570,523
+47.0
エネルギーソリューション&マリン
439,009
+27.8
629,052
+24.0
精密機械・ロボット
262,057
△3.6
97,880
+10.7
パワースポーツ&エンジン
591,151
+32.0
-
-
その他
86,479
+2.9
27,796
+0.3
合計
2,037,492
+27.2
1,995,937
+22.3
(注) 1 パワースポーツ&エンジン事業については、主として見込み生産を行っていることから、受注高について売上収益と同額とし、受注残高を表示していません。2 セグメント間の取引については、受注高及び受注残高から相殺消去しています。
③ 販売実績当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績は、次のとおりです。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比増減(%)
航空宇宙システム
348,880
+17.0
車両
131,935
+4.1
エネルギーソリューション&マリン
314,552
+5.8
精密機械・ロボット
252,697
+0.0
パワースポーツ&エンジン
591,151
+32.0
その他
86,392
+10.7
合計
1,725,609
+15.0
(注) 1 販売高は、外部顧客に対する売上収益です。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
防衛省
227,696
15.2
240,584
13.9
(7) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されています。その作成においては、連結財政状態計算書上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り及び仮定を使用しています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。
(8) 並行開示情報連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりです。なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度(2022年3月31日)
当連結会計年度(2023年3月31日)
資産の部
流動資産
1,297,781
1,460,472
固定資産
有形固定資産
444,262
469,312
無形固定資産
23,413
24,552
投資その他の資産
257,291
266,917
固定資産合計
724,967
760,782
資産合計
2,022,748
2,221,255
負債の部
流動負債
987,328
1,163,540
固定負債
536,896
477,049
負債合計
1,524,225
1,640,589
純資産の部
株主資本
444,262
496,174
その他の包括利益累計額
34,917
63,820
非支配株主持分
19,342
20,670
純資産合計
498,522
580,665
負債純資産合計
2,022,748
2,221,255
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)要約連結損益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
売上高
1,500,879
1,725,609
売上原価
1,244,300
1,386,670
売上総利益
256,578
338,939
販売費及び一般管理費
210,772
248,919
営業利益
45,805
90,019
営業外収益
9,342
10,354
営業外費用
25,213
20,027
経常利益
29,934
80,346
特別利益
1,633
-
特別損失
715
4,513
税金等調整前当期純利益
30,853
75,832
法人税等合計
6,867
12,231
当期純利益
23,985
63,601
非支配株主に帰属する当期純利益
2,183
2,261
親会社株主に帰属する当期純利益
21,801
61,340
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円)
前連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
当期純利益
23,985
63,601
その他の包括利益
35,895
26,729
包括利益
59,880
90,331
(内訳)
親会社株主に係る包括利益
56,854
87,282
非支配株主に係る包括利益
3,026
3,048
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本合計
その他の包括利益累計額合計
非支配株主持分
純資産合計
当期首残高
465,467
△134
17,442
482,775
会計方針の変更による累積的影響額
△39,639
-
-
△39,639
会計方針の変更を反映した当期首残高
425,827
△134
17,442
443,135
当期変動額合計
18,435
35,052
1,899
55,386
当期末残高
444,262
34,917
19,342
498,522
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本合計
その他の包括利益累計額合計
非支配株主持分
純資産合計
当期首残高
444,262
34,917
19,342
498,522
会計方針の変更による累積的影響額
721
-
-
721
会計方針の変更を反映した当期首残高
444,984
34,917
19,342
499,244
当期変動額合計
51,189
28,902
1,328
81,420
当期末残高
496,174
63,820
20,670
580,665
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)
当連結会計年度(自 2022年4月1日至 2023年3月31日)
営業活動によるキャッシュ・フロー
144,430
97,022
投資活動によるキャッシュ・フロー
△52,537
△72,909
財務活動によるキャッシュ・フロー
△102,345
7,352
現金及び現金同等物に係る換算差額
△3,202
△1,556
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
△13,654
29,909
現金及び現金同等物の期首残高
122,166
108,511
現金及び現金同等物の期末残高
108,511
138,420
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)(連結の範囲に関する事項)新規設立等により3社を連結の範囲に含め、他の子会社による吸収合併により1社を連結の範囲から除外しています。
(持分法適用の範囲の変更)新規設立により3社を持分法適用の範囲に含め、株式譲渡等により2社を持分法適用の範囲から除外しています。
(収益認識に関する会計基準等の適用)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しています。
この適用により、当社が参画している民間航空エンジンプログラムに関連して負担する費用の一部について、従来は売上原価に計上していましたが、顧客に支払われる対価として売上高から減額する方法に変更しています。これに伴い、従来仕掛品に計上していた民間航空エンジンプログラムに係る開発分担金については、投資その他の資産に振替を行っています。また、民間航空エンジンプログラムのアフターサービス業務については、従来は当社のメインパートナーからの通知情報に基づいて売上高及び売上原価を計上していましたが、履行義務の充足に基づいて収益を認識するとともに、収益認識時に変動対価及び顧客に支払われる対価を見積もって計上する方法に変更しています。このほか、民間航空エンジンプログラムに関して当社が参画割合に応じて負担する一種の値引きについて、従来はメインパートナーからの通知情報に基づいて計上していましたが、収益認識時に当該値引きの金額を変動対価として見積もって計上する方法に変更しています。収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従って、当連結会計年度の期首より前に新たな会計方針を遡及適用した場合の累積的影響額を、当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減し、当該期首残高から新たな会計方針を適用しています。ただし、収益認識会計基準第86項に定める方法を適用し、当連結会計年度の期首より前までに従前の取扱いに従ってほとんどすべての収益の額を認識した契約には、新たな会計方針を遡及適用していません。また、収益認識会計基準第86項また書き(1)に定める方法を適用し、当連結会計年度の期首より前までに行われた契約変更について、すべての契約変更を反映した後の契約条件に基づき会計処理を行い、その累積的影響額を当連結会計年度の期首の利益剰余金に加減しています。この結果、当連結会計年度の売上高が102,800百万円、売上原価が108,128百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益がそれぞれ5,327百万円増加しています。また、当連結会計年度の期首の純資産に累積的影響額が反映されたことにより、利益剰余金の期首残高は39,639百万円減少しています。
(時価の算定に関する会計基準等の適用)「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号 2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することとしています。なお、連結財務諸表に与える影響はありません。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)(連結の範囲に関する事項)株式追加取得等により4社を連結の範囲に含め、第三者割当増資により1社を連結の範囲から除外しています。
(持分法適用の範囲の変更)新規設立等により2社を持分法適用の範囲に含め、株式追加取得による連結子会社化により2社を持分法適用の範囲から除外しています。
(米国財務会計基準審議会会計基準編纂書(ASC)第842号「リース」の適用)米国会計基準を適用する在外子会社において、当連結会計年度の期首からASC第842号「リース」を適用しています。これにより、原則として借手におけるすべてのリースを連結貸借対照表に資産及び負債として計上しています。また、適用にあたっては経過措置として認められている累積的影響額を適用開始日に認識する方法を採用しています。この結果、当連結会計年度における要約連結貸借対照表は、「有形固定資産」が19,823百万円、「流動負債」が3,834百万円、「固定負債」が16,802百万円それぞれ増加しています。なお、当連結会計年度における連結損益計算書に与える影響は軽微です。
(9) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 33.初度適用」に記載のとおりです。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)(債権流動化取引に係る調整)日本基準では債権流動化取引について認識を中止していた一部の営業債権について、IFRSでは認識の中止の要件を満たさないため営業債権の認識の中止を行わず「契約資産」等として認識するとともに、債権流動化に伴う支払債務を流動負債及び非流動負債の「社債、借入金及びその他の金融負債」として認識しています。この結果、IFRSに基づく連結財政状態計算書では、「契約資産」等が158,428百万円、流動負債及び非流動負債の「社債、借入金及びその他の金融負債」が158,428百万円増加しています。
(有形固定資産及び無形資産に係る調整)日本基準では開発費を研究開発費として発生時に「販売費及び一般管理費」として費用処理するとともに、新製品及び新機種の量産化に係る費用等の一部は「仕掛品」として計上していました。IFRSでは開発費の資産化の要件を満たすものについては、「無形資産」として計上しています。また、日本基準では研究開発費として発生時に「販売費及び一般管理費」として費用処理していた一部の費用について、IFRSでは資産計上要件を満たすため「有形固定資産」として計上しています。なお、IFRSでは資産の取得に対する政府補助金以外による圧縮記帳が認められないため、日本基準において直接減額方式で処理していたものを取り消しています。この結果、IFRSに基づく連結財政状態計算書では、「有形固定資産」が9,550百万円、「無形資産」が41,696百万円増加、「棚卸資産」が40,886百万円が減少しています。
(使用権資産及びリース負債に係る調整)日本基準ではファイナンス・リース取引を除き、リース料の発生時点で費用計上をしていますが、IFRSではリース取引開始日時点で、将来のリース料に基づいてその現在価値を測定し、「使用権資産」及び「リース負債」として計上しています。なお、「リース負債」は流動負債及び非流動負債の「社債、借入金及びその他の金融負債」に含めて表示しています。この結果、IFRSに基づく連結財政状態計算書では、「使用権資産」が38,817百万円、流動負債及び非流動負債の「社債、借入金及びその他の金融負債」が44,613百万円増加しています。
(税効果に係る調整)IFRSの適用に伴い、すべての繰延税金資産の回収可能性を再検討したため、「繰延税金資産」及び「繰延税金負債」が増減しています。また、未実現損益の消去に伴う税効果について、日本基準では売却元の税率を使用していましたが、IFRSでは売却先の税率を使用して算定しています。この結果、IFRSに基づく連結財政状態計算書では、「繰延税金資産」が12,589百万円、「繰延税金負債」が20百万円増加しています。
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