【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年6月30日)における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴う行動制限の緩和等により、社会経済活動の正常化が進み、景気は緩やかな持ち直しの動きが見られました。一方で、国内外の金融政策の違いに伴う円安進行や、ウクライナ情勢の長期化を背景とした原材料・エネルギー価格の高騰に伴う物価上昇など、先行き不透明な状況が続いております。このような事業環境のもと、当社グループでは、中期経営計画「VISION 2030 stage1」の2年目にあたり、引き続き「新たな価値の創出」「資本コスト重視の経営」「企業体質の進化」「環境に配慮した経営」の4つの基本戦略への取り組みを進めました。各事業の概況としては、機能ソリューション事業は、物価上昇によるフィルム需要の停滞や、ユーティリティコスト高騰の影響を受けましたが、全体としては堅調に推移しました。メディカル事業は、生体吸収性の新製品販売が好調に推移しましたが、医療用レーザーの販売が苦戦しました。アパレル事業は、販売回復が進む中で、商品の高付加価値化を含めた価格改定が進み収益性が改善しました。また、ライフクリエイト事業は、行動制限の解除により順調に推移しました。その結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は31,706百万円(前年同期比0.5%減)、営業利益は1,515百万円(前年同期比21.0%増)、経常利益は1,640百万円(前年同期比4.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,586百万円(前年同期比35.4%増)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較につきましては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
<機能ソリューション事業>プラスチックフィルム分野は、米国の包装用フィルムが堅調に推移しましたが、国内・アジアでは物価上昇による需要停滞の影響を受けました。エンジニアリングプラスチックス分野は、半導体用、及び一般産業用向け製品が堅調に推移しました。電子部品分野は、中国向けタッチパネルが市況低迷の影響を受けました。以上の結果、機能ソリューション事業の売上高は11,326百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益は1,423百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
<メディカル事業>メディカル事業は、新製品の癒着防止材や、中国向け製品は好調に推移しましたが、コロナ後の医療機関の開院減少や設備投資抑制などにより、医療用レーザーの受注が減少しました。以上の結果、メディカル事業の売上高は2,420百万円(前年同期比12.8%減)、営業利益は463百万円(前年同期比23.3%減)となりました。
<アパレル事業>アパレル事業全体では、社会経済活動の正常化に伴う市況回復や、EC、SPAルートが堅調に推移したことから売上が拡大しており、引き続き価格改定による利益改善に取り組んでおります。インナーウエア分野は、成型ボクサーパンツやカップ付インナーなどの高付加価値商品が好調に推移しました。レッグウエア分野は、市況回復により増収となりましたが、収益性の改善に向けた構造改革を継続的に進めております。以上の結果、アパレル事業の売上高は14,583百万円(前年同期比3.7%増)、営業利益は343百万円(前年同期は26百万円の損失)となりました。
<ライフクリエイト事業>不動産関連分野は、前年同期に売上計上した遊休地再開発の影響により減収となりましたが、行動制限の解除により、ショッピングセンター事業とスポーツクラブ分野は、ともに回復傾向にあります。以上の結果、ライフクリエイト事業の売上高は3,557百万円(前年同期比5.3%減)、営業利益は172百万円(前年同期比36.5%増)となりました。
(2) 財政状態の状況総資産は、163,255百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,671百万円減少しました。主な増加要因は、仕掛品の増加981百万円であり、主な減少要因は、政策保有株式の売却等による投資有価証券の減少2,891百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少1,606百万円であります。負債は、45,487百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,747百万円減少しました。主な減少要因は、支払手形及び買掛金の減少1,212百万円、賞与引当金の減少816百万円であります。純資産は、117,767百万円となり、前連結会計年度末に比べ75百万円増加しました。主な増加要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加1,586百万円であり、主な減少要因は、配当による減少2,505百万円であります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は629百万円であります。