【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動規制が緩和される中、インバウンド需要の増加や物価高を背景とした賃金上昇もあり、飲食、レジャー、宿泊関連を中心に経済は回復傾向にありました。一方、生活必需品やエネルギー価格の高騰、資材価格の上昇といった物価高や為替相場の変動といった影響は長期化しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
米国の経済は、実質賃金の上昇に伴い個人消費が底堅く推移しており、雇用者数も増加傾向にあります。高水準が続くインフレ抑制に向けて金融引き締めが継続されており、景気後退への懸念が生じております。一方、中国の経済は防疫措置の緩和を受け飲食や旅行といったサービス消費の回復は続いているものの、不動産業や輸出の不振が続いていることが景気を下押ししております。
このような状況の中、当社グループは、「進化 - パーパス経営・サステイナブル経営のスタート -」を中期経営計画のスローガンに掲げ、連結売上高1,070億円、営業利益70億円(2025年12月期)の達成を目標としており、グループ全社が結束して新たな市場開拓、積極的な設備投資、品質管理の改善などにより業績の向上に努めてまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は448億78百万円(前年同期比13.3%増加)、営業利益は29億76百万円(前年同期比45.6%増加)、経常利益は31億47百万円(前年同期比36.9%増加)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は21億33百万円(前年同期比50.0%増加)となりました。
セグメントごとの経営成績は次の通りであります。
① 紙加工品事業
当第2四半期連結売上高の70.7%を占めるこの部門では、紙袋(対連結売上高構成比29.0%)は、国内における個人消費並びに観光需要の回復もあり増収となり、同上売上高は129億93百万円(前年同期比15.4%増加)となりました。
紙器(同上構成比25.1%)は、観光消費による土産物市場の回復並びに、テイクアウト用の食品向けパッケージの販売も好調に推移し、同上売上高は112億62百万円(前年同期比15.8%増加)となりました。
段ボール(同上構成比14.1%)は、メーカー向けの販売が好調に推移し、EC市場向けパッケージの販売も堅調に推移した結果、同上売上高は63億43百万円(前年同期比6.7%増加)となりました。
印刷(同上構成比2.5%)は、株式会社京浜特殊印刷、日幸印刷株式会社ともに売上が堅調に推移し、同上売上高は11億35百万円(前年同期比6.7%増加)となりました。
以上により、この部門の売上高は317億34百万円(前年同期比13.3%増加)となり、営業利益は27億15百万円(前年同期比39.1%増加)となりました。
② 化成品事業
当第2四半期連結売上高の14.8%を占めるこの部門では、紙おむつ用製品と食品向け軟包装の販売が好調に推移したことに加えて、個人消費や訪日外国人によるインバウンド需要の回復を受けて、通販や専門店向けの販売も好調に推移した結果、同部門の売上高は66億54百万円(前年同期比27.4%増加)となり、営業利益は2億88百万円(前年同期比46.1%増加)となりました。
③ その他
当第2四半期連結売上高の14.5%を占めるこの部門では、コロナワクチン関連の販売が減少したものの、専門店向けの縫製品や不織布バッグの販売が堅調に推移したことにより、同部門の売上高は64億89百万円(前年同期比1.4%増加)となり、営業利益は4億85百万円(前年同期比12.5%増加)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5億34百万円減少し、938億31百万円となりました。これは主に「建物及び構築物」21億1百万円・「土地」19億9百万円・「無形固定資産」14億18百万円の増加、「受取手形及び売掛金」54億90百万円・「有価証券」19億円の減少によるものです。
当第2四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末に比べ28億68百万円減少し、261億25百万円となりました。これは主に「支払手形及び買掛金」24億14百万円・「電子記録債務」4億13百万円の減少によるものです。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末に比べ23億34百万円増加し、677億5百万円となりました。これは主に「利益剰余金」14億68百万円・「その他有価証券評価差額金」6億23百万円の増加によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は、前第2四半期連結累計期間に比べて23億81百万円(11.8%)減少し、177億19百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益の計上が31億29百万円となり、仕入債務の減少28億57百万円、棚卸資産の増加7億38百万円等があった一方、売上債権の減少55億66百万円、減価償却費10億14百万円等により50億66百万円の収入(前第2四半期連結累計期間は44億49百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、有価証券の売却による収入65億円等があった一方、有価証券の取得による支出60億円、有形固定資産の取得による支出43億51百万円、無形固定資産の取得による支出14億65百万円等により54億13百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は20億65百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額6億64百万円等により7億3百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は5億14百万円の支出)となりました。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億92百万円であります。
(7)主要な設備
前連結会計年度末において計画中でありました当社本社ビルの建替えが当第2四半期連結累計期間において完了いたしました。これにより建物及び構築物が23億5百万円増加しております。