【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、雇用や所得環境が改善する中、停滞していた景気の緩やかな回復が期待される状況となりました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化や円安進行による物価上昇に加え、金融資本市場の変動、世界的な金融引き締めによる景気回復の下振れリスクも台頭しており、先行き不透明な状況で推移いたしました。
食品業界におきましては、資源価格の高騰や円安進行によって仕入価格や諸経費が高騰しており、厳しい経営環境で推移いたしました。また、前連結会計年度において、過去に類を見ない規模の鳥インフルエンザが発生したことに伴い、鶏卵価格が高値で推移した結果、鶏卵を扱う企業にとっては非常に厳しい経営環境となりました。
このような状況の中、当社グループは、『需要創造型食品メーカーへの挑戦』および『利益構造改革と経営品質の向上』をテーマとした第12次中期経営計画の最終年度をスタートさせ、第一に「利益構造改善への取り組み」、第二に「業務用食品事業の成長拡大」、第三に「ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案」、第四に「経営品質の向上」を重点施策とした取り組みを展開してまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は11,822百万円(前年同四半期比5.5%増加)となり、前年同四半期実績を上回りました。一方、利益面につきましては、当社主要原材料である鶏卵価格が高騰していることや、エネルギーコスト上昇などもありましたが、売上高の拡大効果に加え、徹底的な諸経費抑制に努めた結果、営業利益は140百万円(前年同四半期比20.2%増加)となりました。経常利益は、デリバティブの時価評価益や為替差益などにより393百万円(前年同四半期比1.7%減少)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は274百万円(前年同四半期比8.2%増加)となりました。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
①業務用食品等
販売面におきましては、鶏卵原料の供給制限に伴う玉子製品の販売抑制などの影響もありましたが、玉子製品や海外調達品などの販売価格見直しに加え、野菜加工品、自社企画ブランド品・仕入商品の需要が拡大し、国内売上高は前年同四半期実績を上回る結果となりました。他方、海外輸出売上高につきましても、玉子製品の販売抑制による影響はありましたが、販売価格見直しに加え、オセアニア、香港、シンガポールを中心に需要が拡大し、前年同四半期実績を上回る結果となりました。
生産面におきましては、歩留まり率の改善や、供給制限に合せた加工費のコントロールなどにより、製造原価率の抑制に努めましたが、当社主要原材料である鶏卵の供給制限に伴う生産稼働率への影響や、鶏卵を始めとした主要原材料価格の高止まり、原油高に伴うエネルギーコストの高騰などにより、製造原価率は前年同四半期に比べ上昇いたしました。
販売費につきましては、物流コストの低減や、その他経費執行の抑制などに努めた結果、前年同四半期並みにとどめることができました。
これらの結果、外部顧客への売上高は10,850百万円(前年同四半期比7.0%増加)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は378百万円(前年同四半期比2.2%減少)にとどまりました。
②ヘルスフード
通信販売は、広告宣伝費の抑制に加え、テレビCMなどの広告宣伝効率が低下したこともあり、売上高は前年同四半期を下回る結果となりました。一方、開発面におきましては、焙煎ごぼうを主原料としたチョコレート風の食品素材(メルバード)を開発いたしました。メルバードを使用したチョコレート風食品につきましては、クラウドファンディングサイト「Makuake(マクアケ)」において2023年11月より開始予定の先行販売に向け、準備を進めております。他方、ドラッグストアなどでの市販品につきましては、機能性表示食品「焙煎ごぼう茶キレイブレンド」、「焙煎ごぼうサプリ エラスチン+」など新製品の投入効果はみられたものの、健康茶市場の需要に一服感がみられたこともあり、売上高は前年同四半期を下回る結果となりました。
生産面におきましては、主要原材料であるごぼうが高値で推移したことや、エネルギーコストの高騰などにより、製造原価率は上昇いたしました。
販売費につきましては、減収に伴う変動費の減少に加え、Web会議の継続による出張旅費の削減、広告宣伝費をはじめとした諸経費の抑制などにより、前年同四半期以下となりました。
これらの結果、外部顧客への売上高は850百万円(前年同四半期比7.9%減少)となり、セグメント利益(営業利益)は96百万円(前年同四半期比30.3%減少)となりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ764百万円増加し25,867百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ547百万円増加し13,179百万円となりました。主な増減要因は、商品及び製品の増加380百万円、原材料及び貯蔵品の増加230百万円、その他に含まれる為替予約の増加182百万円、その他に含まれる前払費用の増加82百万円、受取手形及び売掛金の減少199百万円、現金及び預金の減少122百万円などであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ216百万円増加し12,688百万円となりました。これは、減価償却の進行による減少もありましたが、有形固定資産において土地が増加したことや、無形固定資産においてソフトウエア仮勘定が増加したことに加え、投資その他の資産において投資有価証券や繰延税金資産が増加したためであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ499百万円増加し11,445百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ141百万円増加し9,879百万円となりました。主な増減要因は、買掛金の増加502百万円、賞与引当金の増加264百万円、未払法人税等の増加144百万円、短期借入金の減少800百万円などであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ357百万円増加し1,565百万円となりました。主な増減要因は、長期借入金の増加413百万円、長期未払金の減少35百万円などであります。
なお、当第1四半期連結会計期間末の借入金残高は、前連結会計年度末に比べ317百万円減少し4,954百万円となっております。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ264百万円増加し14,422百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加274百万円、その他有価証券評価差額金の増加57百万円、為替換算調整勘定の増加43百万円、剰余金の配当による減少121百万円などであります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント減少し55.8%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、83百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。