【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、ウィズコロナの下、停滞していた景気の回復が期待される状況となりました。しかしながら、ウクライナ情勢の長期化に伴う資源価格の高騰に加え、金融資本市場の大幅な変動、中国国内における新型コロナウイルスの感染拡大、世界的な金融引締めなどを背景とした海外景気の下振れなど、国内景気を下押しするリスクも台頭しており、先行き不透明な状況で推移いたしました。
食品業界におきましては、行動制限の緩和などにより、低迷していた外食・仕出し・給食業態は回復基調にありますが、資源価格の高騰や金融資本市場の変動によって仕入価格や諸経費が軒並み上昇したことに加え、鳥インフルエンザの流行によって鶏卵価格が高騰するなど、厳しい経営環境で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは、『需要創造型食品メーカーへの挑戦』および『利益構造改革と経営品質の向上』をテーマとした第12次中期経営計画の2年目をスタートさせ、第一に「利益構造改善への取り組み」、第二に「業務用食品事業の成長拡大」、第三に「ヘルスフード事業・海外事業の拡大および新規事業構想の立案」、第四に「経営品質の向上」を重点施策とした取り組みを展開してまいりました。
なお、小売業への組織的な対応力の強化、ならびに各エリアにおける競争力の強化を目的とし、第1四半期連結会計期間より業務用食品等の営業部門へ支店制を導入しております。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、35,503百万円(前年同四半期比4.7%増加)となり、前年同四半期実績を上回ることができました。一方、利益面につきましては、売上高の拡大効果があったことに加え、徹底的な諸経費抑制に努めましたが、当社主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの影響を受け、繫忙期である年末にかけて大幅に上昇したほか、すり身、干瓢などの仕入価格も高止まりした結果、営業利益は398百万円(前年同四半期比2.2%減少)となりました。経常利益は、為替差益や持分法による投資利益などにより695百万円(前年同四半期比14.5%増加)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は447百万円(前年同四半期比14.7%増加)となりました。
報告セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
①業務用食品等
販売面におきましては、支店制の導入により、コンビニエンスストアやスーパーマーケットを中心とした中食業態や、回転ずしチェーンを中心とした外食業態への提案・販売促進活動を強化してまいりました。また、行動制限の緩和により、仕出し・給食業態の需要が回復基調にあることに加え、地域密着型営業の推進を行った結果、国内の売上高は前年同四半期の実績を上回る結果となりました。他方、海外の売上につきましては、中国においてゼロコロナ政策により需要が減少したことに加え、中国向けの輸出が停滞したことや、北米において金融引締めなどによる景気下振れから需要が減少し、前年同四半期の実績を下回る結果となりました。
生産面におきましては、当社の主要原材料である鶏卵の仕入価格が鳥インフルエンザの影響により年末にかけて大幅に上昇したことに加え、すり身、干瓢などの仕入価格も高止まりしたことや、ユーティリティコストの上昇もありましたが、売上高の拡大に伴う生産稼働率の向上に加え、歩留まり率の改善などにより、製造原価率の上昇を抑制いたしました。
他方、売上高の増加に伴い変動費が増加したものの、経費執行の抑制などにより、販売費は前年同四半期に比べ若干の増加にとどめることができました。
これらの結果、外部顧客への売上高は32,476百万円(前年同四半期比6.4%増加)となり、セグメント利益(営業利益)は1,080百万円(前年同四半期比9.0%増加)となりました。
②ヘルスフード
通信販売は、機能性表示食品「ごぼう茶プリ イチョウ葉プラス」をはじめとした新製品投入により、一定の売上拡大効果がありました。しかしながら、主力メディアであるTVCMの広告宣伝効率が低下したため、新規顧客獲得数が減少し、売上高は前年同四半期を下回る結果となりました。
他方、ドラッグストアなどでの市販品につきましては、新規開拓やインストアプロモーションの強化に加え、「Dr.ナグモの青汁」をはじめとした新製品投入による売上拡大効果はあったものの、健康茶市場の需要に一服感が見られたこともあり、売上高は前年同四半期を下回る結果となりました。
販売費につきましては、広告宣伝費をはじめとした諸経費の抑制などにより、前年同四半期以下にとどめることができました。
これらの結果、外部顧客への売上高は2,622百万円(前年同四半期比11.5%減少)となり、セグメント利益(営業利益)は525百万円(前年同四半期比9.3%減少)にとどまりました。
(2)財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3,563百万円増加し28,004百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ3,535百万円増加し15,382百万円となりました。主な増減要因は、受取手形及び売掛金の増加2,489百万円、商品及び製品の増加1,145百万円、原材料及び貯蔵品の増加333百万円、現金及び預金の減少277百万円、その他に含まれる為替予約の減少124百万円などであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ28百万円増加し12,622百万円となりました。これは、減価償却の進行に伴い有形固定資産が減少したものの、無形固定資産においてソフトウエアが増加したことに加え、投資その他の資産において投資有価証券やその他に含まれる関係会社出資金が増加したためであります。
(負債)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,985百万円増加し13,550百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ2,665百万円増加し12,223百万円となりました。主な増減要因は、買掛金の増加1,619百万円、短期借入金の増加1,020百万円、賞与引当金の減少189百万円などであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ319百万円増加し1,327百万円となりました。主な増加要因は、長期借入金の増加343百万円などであります。
なお、当第3四半期連結会計期間末の借入金残高は、前連結会計年度末に比べ1,363百万円増加し6,534百万円となっております。
(純資産)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ578百万円増加し14,453百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上447百万円、為替換算調整勘定の増加224百万円、その他有価証券評価差額金の増加56百万円、剰余金の配当による減少114百万円などであります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ5.2ポイント減少し51.6%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、241百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。