【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスによる行動制限が緩和され、景気は持ち直しの動きが見られましたが、急激な為替変動、ロシア・ウクライナ情勢の長期化等によるエネルギー価格や原材料価格の高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
外食業界におきましては、4月から6月においては経済活動の正常化が進み、売上高に緩やかな回復が見られましたが、6月下旬頃から感染者数が増加すると、大人数での会食や宴会に対する自主的な自粛の雰囲気が高まり、宴会のキャンセルが相次ぐなど、居酒屋業態は厳しい状況が続きました。しかし、その後は感染者数の減少に伴い、9月以降の売上高は回復基調にあります。 このような状況のなか、当社グループはお客様と従業員の安全・安心を第一として、感染拡大防止と経済活動の両立を図りながら営業に努めてまいりました。コロナ前及びコロナ禍を経て、お客様のライフスタイルや価値観が変化し、個店ごとの存在価値を高めていくことが重要となっております。また、原材料及び原油価格の高騰への対応も必要不可欠となっております。焼肉業態・洋食業態・安べゑ業態などは、はなの舞・さかなや道場などの居酒屋業態に比較し、売上高の回復が進んでいますが、主として居酒屋業態において、以下のような取り組みを実施しました。21時以降や宴会でのご来店客数減少に対応するため、15時前の売上増加、昼飲み需要、定食など食事需要への対応を促進し、定食、テイクアウト、デリバリーメニュー等の充実に努めてまいりました。また、業態や個店ごとの特性に合わせたメニューの提供や取り組みを行い、感染拡大の防止に努めながら、まぐろ解体ショーや鮮魚の周り売りの再開なども徐々に進め、「牛ひれステーキ」フェア、「活〆牡蠣」「えごま勘八」フェア、「秋刀魚・牛たん祭」、「あったか鍋フェア」、「ぶり」と「ひらまさ」のハイブリッド養殖魚「ぶりひら」を使用したメニューの提供など季節感や価値を感じられる取り組みを実施しました。年末年始には、おせちの販売、忘年会・新年会プランのご案内なども行っております。営業の正常化に伴い、10月には「美味しい生ビールキャンペーン」を実施いたしました。チムニーの原点である、「出会い」「語らい」「憩い」を大切にし、ご来店いただいたお客様に「美味しい」と言っていただける生ビールと、心のこもったお料理を存分に味わっていただくため、従業員研修を行い、生ビールの品質向上に取り組みました。外食でしか飲めない「生ビール」を最高の品質でご提供しお客様に「外食の美味しさ・楽しさ」をお届けできるように努めております。WEB販促関連におきましては、本部主導でWEBページなどを集中改善し、その効果改善に努めました。新しい取り組みとしましては、外部への販売(店舗以外における物品販売)に注力し、BtoC(個人向けインターネット販売)であるチムニーマーケットの商品の充実を図るとともに、BtoB(外部の事業者向け)の営業を強化しております。行動制限の緩和を受け、店舗の正常営業に向けてお客様へのサービスを充実するため、積極的にキャスト(アルバイト・パート)採用を行いました。ご来店いただいたお客様に満足していただくため、新規採用したキャストだけでなく、社員を含めた従業員に対する教育に注力しております。教育に当たっては、伝えるべきことが伝えやすく伝わりやすいように、スマホ上で動画を視聴する仕組みを構築し、その内容の拡充に努めております。また、スキマ時間を活用したアルバイト採用にも積極的に取り組み、採用困難な店舗における人財を確保しております。お客様からより多くの「ありがとう」をいただくためには、教育のほか、従業員がいきいきと働くことができる職場環境が重要であり、引き続き、従業員満足度の向上にも取り組んでまいります。店舗開発としましては、コロナ禍であることを考慮し、当社直営店の新規出店はありませんでしたが、お客様に居心地の良い空間を提供するため、業態転換及びリフレッシュ改装を実施しました。当社の強みである魚をメインとした「魚星」業態は、お客様にご好評をいただいております。今後も必要に応じて業態転換及びリフレッシュ改装を進めていく予定です。各種値上がりへの対応としましては、前期において推進してきました配膳ロボット(当第3四半期末 67店舗)、スマホオーダー(当第3四半期末 100店舗)、モバイルPOS(当第3四半期末 26店舗)の導入などのDX推進を継続するとともに、業態転換及びリフレッシュ改装に際しても、従業員の作業動線を改善するなど、生産性の向上に努めております。また、原材料価格の高騰に対しては、商品売価、メニュー粗利ミックスの見直しを実施したほか、メニューパターン数を集約し、共通食材を増加させることにより食材アイテム数を集約して、コストの上昇を最小限に抑制するように努めました。コロナ禍において引き下げを実現した損益分岐点売上高については、その維持に努めるとともに、引き下げの努力を継続しております。コントラクト事業におきましては、感染拡大の防止に努めながら、引き続き、安全・安心な「また行きたくなる店舗づくり」を心掛けております。7月1日から温浴施設「極楽湯」内にて、3店舗の食堂をオープンいたしました。以上の結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の売上高は14,495百万円(前年同期比95.1%増)、営業損失は1,562百万円(前年同期は2,931百万円の営業損失)、経常損失は1,543百万円(前年同期は3,485百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は1,736百万円(前年同期は1,582百万円の純利益)となりました。これは、行動制限の解除により売上高は徐々に回復してきましたが、回復の速度が緩やかであるため、損益分岐点売上高には届かなったことや新型感染症拡大防止協力金等の計上が減少したことによります。
当第3四半期連結累計期間の店舗数につきましては、以下のとおりであります。
前期末
新規出店
閉店
FC転換数
直営転換数
第3四半期末
直営店
243
-
△23
△1
9
228
コントラクト店
89
3
-
-
-
92
全直営店計
332
3
△23
△1
9
320
FC店
174
4
△10
1
△9
160
当社店計
506
7
△33
-
-
480
(連結子会社)
(株)紅フーズコーポレーション
18
-
-
-
-
18
めっちゃ魚が好き(株)
8
1
-
-
-
9
(株)シーズライフ
11
-
-
-
-
11
当社グループ合計
543
8
△33
-
-
518
財政状態につきましては、当第3四半期連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比べて464百万円減少し、22,436百万円となりました。この主な要因は、現金及び預金が1,230百万円増加した一方で、未収入金が1,360百万円、のれんが374百万円減少したこと等によります。当第3四半期連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比べて1,511百万円増加し、17,924百万円となりました。この主な要因は、資産除去債務が200百万円、店舗閉鎖損失引当金が164百万円減少した一方で、買掛金が1,184百万円、未払金が404百万円増加したこと等によります。当第3四半期連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比べて1,975百万円減少し、4,512百万円となりました。この主な要因は、当第3四半期連結累計期間の業績により親会社株主に帰属する四半期純損失を1,736百万円計上したこと等によります。
(2) 経営方針・経営戦略等当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等に重要な変更及び新たに定めたものはありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(4) 研究開発活動該当事項はありません。