【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態の状況 (単位:千円)
前連結会計年度(2023年3月31日)
当第1四半期連結会計期間
(2023年6月30日)
対前期増減
資産(※1)
2,969,798
2,742,876
△226,921
負債(※2)
779,327
484,094
△295,232
(うち、有利子負債)
66,674
37,500
△29,174
純資産(※3)
2,190,470
2,258,782
68,311
主な増減の内容
(※1)現金及び預金(△210,818千円)、売掛金(△67,910千円)、未収還付法人税等(80,370千円)
未収還付法人税等の増加は、法人税、住民税及び事業税の納税に伴う未払法人税等の減少によるものであります。
(※2)未払金(△249,471千円)、賞与引当金(△49,037千円)
(※3)利益剰余金(71,682千円)
(2)経営成績の状況
当社グループは、「(共に)進化の中心へ」をミッションに、「for Startups」をビジョンに掲げ、スタートアップ・成長企業向けの人材紹介を中心とした人材支援サービス「タレントエージェンシー」、産学官を巻き込んだスタートアップエコシステム構築を推進する「オープンイノベーション」の2つのサービスのほか、「タレントエージェンシー」とのシナジーを創出し、当社グループが定義する成長産業支援をより強固なものとするため、スタートアップに投資する「ベンチャーキャピタル事業」を行っております。
当第1四半期連結累計期間におけるスタートアップ業界を取り巻く環境は、米国をはじめとする主要国の金融市場の引き締めや、シリコンバレー銀行の破綻等を受けたリセッション懸念から、日本のスタートアップの資金調達市場(2023年1-6月)は前年同期比で△35.2%(参照:STARTUP DB『2023年上半期国内スタートアップ投資動向レポート』)と大きく落ち込みました。「スタートアップ冬の時代」と形容される不透明な事業環境は継続しております。
一方で、政府の成長戦略において、産業競争力強化の観点からスタートアップ企業の支援及びスタートアップエコシステム強化の重要性が提唱されております。政府は2022年を「スタートアップ創出元年」と定め、2022年11月に公表された令和4年度補正予算案において、スタートアップ関連事業に約1兆円の補正予算が閣議決定され、2022年11月末には『スタートアップ育成5か年計画』が公表されました。この『スタートアップ育成5か年計画』においては、5年後の2027年度に、スタートアップへの投資額を10倍超(10兆円規模)とすることを目標に掲げ、日本がアジア最大のスタートアップハブとして世界有数のスタートアップの集積地になることを目指す方針が打ち出されました。また、2023年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023(骨太の方針)」にて2年連続で「スタートアップ」が明記され、官民を挙げたスタートアップ支援の取り組みは継続しております。
このような環境の下、当社グループが行う成長産業支援事業は、当社グループがもつ情報やノウハウをベースに、成長見込みが高いと判断したスタートアップ企業に対しての人材紹介、ならびに産官学を巻き込んだスタートアップ関連のサービス・事業を展開しております。
各セグメント及びサービス別の経営環境及び経営成績は次のとおりであります。
(タレントエージェンシー&オープンイノベーション事業)
・タレントエージェンシーサービス
人材紹介サービスは、先行き不透明な事業環境の下、ベンチャーキャピタルの指導等による国内スタートアップのコスト抑制が進んだことに加え、2023年1月20日に公表いたしました過年度決算訂正にかかる調査及び業務フローの再構築に一定の工数を割いたことを受け、紹介件数は大きく下落いたしました。しかしながら、継続的に需要が高い幹部候補やエンジニアといった希少人材にフォーカスした支援を実行できたことで、高年収帯での成約が増加し単価が上昇いたしました。コンサルティングサービスは、事業環境を受けニーズが落ち込むものと想定しておりましたが、営業努力による新規開拓が進んだことで、前第4四半期連結会計期間の実績から持ち直すことができました。以上の結果、タレントエージェンシーサービスの売上高は681,653千円(前年同期比0.5%減)となりました。
一方で、タレントエージェンシーサービスにおける受注高につきましては、前第4四半期連結会計期間の流れを引き継ぐ可能性を想定していたものの、スタートアップの採用ニーズの掘り起こし及び新規顧客の開拓が順調に進んだことに加え、人員増や育成の効果により、受注高は763,425千円と過去最高値を記録いたしました。
・オープンイノベーションサービス
オープンイノベーションサービスは、当社グループが運営するデータベース「STARTUP DB」の大手企業向け有料会員サービス、官公庁・自治体におけるスタートアップ関連事業を受託して産学官の連携を支援する「Public Affairs」、大手企業とスタートアップ企業の提携を推進する「資金調達支援」といった、スタートアップエコシステムの構築を推進する各種サービスを提供しております。当第1四半期連結累計期間においては、STARTUP DBの会員数が国内No.1(※)となる規模まで成長したほか、約3年前に開始した中央官庁・地方公共団体との取り組み「Public Affairs」では継続的にスタートアップ関連事業を受託する等、受注高が188,047千円(前年同期比37.9%増)と過去最高値となったことを受け、オープンイノベーションサービスの売上高は48,114千円(前年同期比99.7%増)となりました。
※東京商工リサーチ調べ。有料、無料会員数合計。2023年6月末時点。
利益面では、前期から継続している採用活動の強化及び社員数の増加の影響により前年同期比で人件費が大きく増加いたしました。しかしながら、社員数の増加は将来の売上高増加につながる先行投資の意味合いが強いものと考えており、今後も採用活動は継続して行ってまいります。
以上の結果、セグメント売上高は729,767千円(前年同期比2.9%増)、セグメント利益は103,796千円(前年同期比37.2%減)となりました。
(ベンチャーキャピタル事業)
当第1四半期連結累計期間においては、引き続き管理費用のみが発生していることから、セグメント損失は2,080千円(前年同期は1,270千円の損失)となりました。なお、当セグメントには、子会社であるフォースタートアップスキャピタル合同会社、及び同社を通じて組成したフォースタートアップス1号投資事業有限責任組合が含まれております。また、当第1四半期連結会計期間末日時点でのフォースタートアップス1号投資事業有限責任組合の投資先銘柄は、株式会社フェズ、ユアマイスター株式会社、READYFOR株式会社、ポケトーク株式会社、株式会社カケハシの計5社であります。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上高は729,767千円(前年同期比2.9%増)、営業利益は101,715千円(前年同期比38.0%減)、経常利益は99,595千円(前年同期比39.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は71,682千円(前年同期比38.4%減)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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