【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症における行動制限の緩和や各種政策の効果等により、経済社会活動に回復の動きが見られました。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化によるエネルギー価格や原材料価格の高騰、円安等の為替変動の影響等により、依然として先行きは不透明な状況となっております。
このような環境の下、当社グループでは、2022年5月に「第4次中期経営計画」(2023年3月期~2025年3月期)を発表しました。同計画において、「成長をスパイラルアップするフレームづくり」を基本方針として掲げ、重点施策である「価値創造のフレームづくり」「経営資源の集中と深化」「経営基盤の強化」に取り組みました。具体的には、マーケティングの高度化に向けた「攻めのDX」の基礎づくりや、生産性向上の加速に向けたワークアウトの体系化・浸透及び「守りのDX」の基礎づくり等を推進しました。また、戦略的アセットマネジメントとして、婚礼会場3施設の閉館を進めるとともに、葬祭会館3施設の新規出店及び1施設のリノベーション等を実施し、計画的スクラップ&ビルドを推し進めました。更に、コーポレートガバナンスの充実を図るため、業務執行取締役に対する譲渡制限付株式報酬制度の導入や、取締役会の実効性評価に向けた対応及びレジリエンシーの高いリスクマネジメント体制の構築等を進めました。
当連結会計年度の当社グループの経営成績は、葬祭事業を中心にすべてのセグメントにおいて増収となり、売上高は9,562百万円(前年同期比10.2%増)となりました。一方で、国際情勢の影響等で仕入原価や電力料等の上昇が生じたものの、売上高増加に伴う増収等により、営業利益は623百万円(同109.4%増)、経常利益は668百万円(同95.8%増)となりました。また、婚礼会場3施設の閉館及び当該固定資産の譲渡並びに撤去の決定に伴う減損損失を特別損失に計上したことや、法人税等調整額(益)を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は149百万円(同13.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高または振替高を除き記載しております。
(葬祭事業)
営業エリアの死亡者数は増加傾向で推移しました。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響による参列の自粛や会食利用の減少等はコロナ禍前の水準まで回復しておらず、葬儀の小規模化が継続しました。
このような状況の下、葬祭会館の新規出店として、2022年7月に「とわノイエ 黒岩」(福島県福島市)、12月に「こころ斎苑 飯坂 家族葬ホール」(福島県福島市)、2023年3月に「とわノイエ 八木田」(福島県福島市)の3施設を開設しました。また、葬祭会館のリノベーションとして、2022年10月に「こころ斎苑 きずな」(福島県福島市)を改築しました。更に、広告宣伝による事前相談への誘致、オプション品の販売促進による葬儀施行の単価向上施策、法事・仏壇仏具の販売や葬儀施行後の会員募集によるアフターフォロー営業の強化等に注力し、葬儀施行件数及び法事・仏壇仏具の受注等が前年同期よりも増加しました。
その結果、売上高は5,573百万円(前年同期比10.7%増)、営業利益は618百万円(同27.7%増)となりました。
(石材事業)
国際情勢の影響等により、海外における原石の在庫不足、仕入原価の上昇及び石材商品の入荷遅延等が継続しました。一方で、ベトナムにおける墓石販売については、新型コロナウイルス感染症の影響による営業活動の停滞が回復しました。
このような状況の下、石材卸売において既存取引先への販売促進に注力するとともに、石材小売において来店客誘致と店舗営業の強化及び墓石のリフォーム・メンテナンスの提案等を推進しました。また、石材卸売・石材小売ともに販売価格の見直しや単価向上施策に取り組み、石材卸売単価及び墓石建立単価等が前年同期よりも増加した一方で、仕入原価が上昇しました。
その結果、売上高は2,273百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は51百万円(同24.1%減)となりました。
(婚礼事業)
新型コロナウイルス感染症の影響による挙式・披露宴の自粛や縮小等はコロナ禍前の水準まで回復しておらず、婚礼の需要減少及び小規模化が継続しました。
このような状況の下、事業環境の変化等を踏まえ、2022年6月にゲストハウス「アニエス郡山」(福島県郡山市)を閉館するとともに、2023年11月にゲストハウス「アニエス会津」(福島県会津若松市)、2024年3月に総合婚礼会場「クーラクーリアンテ サンパレス」(福島県福島市)の2施設を閉館することを決議し、営業規模の適正化を進めました。一方で、広告宣伝による新規来館への誘致、高付加価値な婚礼形式の訴求やオプション品の販売促進による婚礼施行の単価向上施策、宴会の受注促進等に注力し、婚礼施行単価及び宴会施行件数等が前年同期よりも増加しました。
その結果、売上高は870百万円(前年同期比39.5%増)、営業損失は195百万円(前年同期は営業損失382百万円)となりました。
(生花事業)
新型コロナウイルス感染症の影響による葬儀の小規模化は継続しているものの、葬儀の需要増加に伴い、生花商品の需要は増加傾向で推移しました。
このような状況の下、葬儀社への生花商品の提案、生花店や葬儀社へのオンラインショップの訴求及び架電・DM・SNSによる情報発信の強化等、新規取引先の開拓と既存取引先への深耕に注力し、生花商品の卸売数量が前年同期よりも増加しました。また、相場高の継続により生花の卸売単価が増加した一方で仕入原価が上昇しました。
その結果、売上高は648百万円(前年同期比10.1%増)、営業利益は151百万円(同8.5%増)となりました。
(互助会事業)
2022年4月に組織改革を行い、営業部門を葬祭事業へ移管するとともに、葬祭事業からの手数料収入や当社に対する経営管理料等を見直しました。
その結果、売上高は11百万円(前年同期比78.4%増)、営業損失は12百万円(前年同期は営業利益45百万円)となりました。
(その他)
オリジナル紙棺「悠舟」や高級棺の販売促進等に注力し、棺の卸売単価が前年同期よりも増加しました。一方で、国際情勢の影響等により、仕入原価が上昇しました。
その結果、売上高は177百万円(前年同期比11.9%増)、営業損失は4百万円(前年同期は営業利益5百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ581百万円増加し、4,005百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は916百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益147百万円、減価償却費366百万円、減損損失517百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は100百万円となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出306百万円、貸付金の回収による収入90百万円及び投資有価証券の売却による収入65百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は235百万円となりました。これは主に長期借入金の返済による支出116百万円及び配当金の支払額112百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
石材事業にて一部建築受注請負がありますが、金額が少額なため記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度における各セグメントの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
葬祭事業
5,573,189
110.7
石材事業
2,273,778
100.8
婚礼事業
870,620
139.5
生花事業
648,673
110.1
互助会事業
11,730
178.4
報告セグメント計
9,377,992
110.2
その他
177,156
111.9
全社
6,900
90.4
合計
9,562,049
110.2
(注)1 セグメント間の内部売上高を除いております。
2 最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
㈱JAライフクリエイト福島
1,032,138
11.9
1,070,931
11.2
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の認識及び分析
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は18,646百万円(前連結会計年度末比0.6%増)となりました。
流動資産は5,574百万円(同20.7%増)となりました。これは主に現金及び預金が581百万円増加、有価証券が251百万円増加及び未収還付法人税等が82百万円増加したことによるものです。
固定資産は13,072百万円(同6.1%減)となりました。これは主に繰延税金資産が172百万円増加した一方で、婚礼会場3施設の閉館及び当該固定資産の譲渡並びに撤去の決定に伴う減損損失の計上等で建物及び構築物が550百万円減少、土地が65百万円減少したことに加え、前払式特定取引前受金保全のための国債償還期限が1年以内になったこと等で投資有価証券が335百万円減少したことによるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は10,575百万円(前連結会計年度末比0.7%増)となりました。
流動負債は1,387百万円(同12.1%増)となりました。これは主に買掛金が84百万円増加及びその他(未払金)が62百万円増加したことによるものです。
固定負債は9,188百万円(同0.8%減)となりました。これは主に長期借入金が53百万円減少したことによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は8,071百万円(前連結会計年度末比0.5%増)となりました。これは主に、利益剰余金が36百万円増加したことによるものです。
b.経営成績の認識及び分析
(売上高)
新型コロナウイルス感染症の影響による葬儀・婚礼の小規模化や、国際情勢の影響による石材商品の入荷遅延等が継続したものの、主に葬儀施行件数、石材卸売単価及び墓石建立単価、婚礼施行単価、生花商品の卸売数量及び生花の卸売単価が増加したこと等により、すべてのセグメントにおいて増収となりました。その結果、売上高は9,562百万円(前連結会計年度比10.2%増)となりました。
(売上原価、売上総利益)
売上高の増加及び国際情勢の影響により仕入原価や電力料等が増加しました。また、婚礼会場の閉館等に伴い減価償却費が減少した一方で、葬祭会館の新規出店に伴う経費や修繕維持費が増加したこと等により、売上原価は6,511百万円(前連結会計年度比9.5%増)となりました。その結果、売上総利益は3,050百万円(同11.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
各セグメントにおいて、経費圧縮に努めたこと等により、販売費及び一般管理費は微減となり、2,426百万円(前連結会計年度比0.2%減)となりました。その結果、営業利益は623百万円(同109.4%増)となりました。
(営業外収益及び営業外費用、経常利益)
受取利息やその他の雑収入が減少したこと等により、営業外収益は116百万円(前連結会計年度比6.3%減)となりました。また、為替差損が増加した一方で、持分法による投資損失が減少したこと等により、営業外費用は71百万円(同11.1%減)となりました。その結果、経常利益は668百万円(同95.8%増)となりました。
(特別利益及び特別損失、税金等調整前当期純利益)
投資有価証券売却益を計上した一方で、前連結会計年度で増加要因となった貸倒引当金戻入額の計上が無かったこと等により、特別利益は38百万円(前連結会計年度比73.1%減)となりました。また、婚礼会場3施設の閉館及び当該固定資産の譲渡並びに撤去の決定に伴う減損損失を計上したこと等により、特別損失は559百万円(同202.7%増)となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は147百万円(51.1%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
繰延税金資産の計上に伴い法人税等調整額(益)を計上したこと等により、法人税等合計は△2百万円(前連結会計年度は法人税等合計150百万円)となりました。以上により、親会社株主に帰属する当期純利益は149百万円(同13.8%増)となりました。
c.財政状態及び経営成績等の状況に関する検討内容
当社グループは「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、第4次中期経営計画において、2025年3月期には、連結売上高経常利益率10%以上、連結自己資本当期純利益率(RОE)6.5%以上を達成することを目標としております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当該要因への対応として、当連結会計年度におきましては、下記を実施しました。
・マーケティングの高度化(「攻め」のDXの基礎づくり)
・生産性向上の加速(「守り」のDXの基礎づくり、ワークアウトの体系化・浸透等)
・戦略的アセットマネジメント(婚礼会場の閉館、葬祭会館の開設等)
・コーポレートガバナンスの充実(譲渡制限付株式報酬制度の導入、リスクマネジメント体制の再構築等)
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
なお、当連結会計年度の連結売上高経常利益率は7.0%(前連結会計年度比3.1ポイント増)、連結自己資本当期純利益率(ROE)は1.9%(同0.2ポイント増)となりました。
今後の方針としては、当社グループでは第4次中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)において、「成長をスパイラルアップするフレームづくり」を基本方針として掲げております。この基本方針に基づき、マーケティングの高度化を図るとともに、生産性向上を加速させ、価値創造のフレームづくりを推し進めます。また、戦略的アセットマネジメントや事業開発による業容拡大等、経営資源の集中と深化を進めてまいります。更に、人事戦略のブラッシュアップやコーポレートガバナンスの充実等、経営基盤の強化に努めます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入れ(当座借越)を基本としており、設備資金やその他投資案件等に係る資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入れを基本としております。
また、当社グループは、資金の効率的な活用と金融費用の削減を目的として、グループ内の資金調達・資金管理の一元化を行い、グループ全体の資金効率化を進めております。当社グループは、健全な財政体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する手許流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能と考えております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
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