【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第3四半期累計期間における我が国経済は、経済活動の制限の緩和等により景気に持ち直しの兆しが見られる一方、物価上昇、金融資本市場の変動等により、先行き不透明な状況が続いております。
当社が主に事業を行う介護業界においては、異業種からの新規参入による競争の激化や人材採用難の状況が継続していることに加え、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、全体として厳しい状況が続いております。この結果、介護事業所の再編が加速しており、M&Aによる事業承継への需要が高まっている状況にあります。また、我が国の高齢化率(総人口に占める65歳以上人口の割合)は年々上昇し、介護サービスの需要が拡大していることを背景として、介護高齢者マーケットへの参入意欲は引き続き旺盛です。
このような環境のもと、当社は商談型展示会を開催することによって、単体事業としても収益を上げながら、来場者である介護事業者と出展社である各種サプライヤー(*1)、双方の決裁権限者の情報並びに業界特有の課題・ニーズに直接アクセスできる利点を活かし、M&A仲介を含む様々なサービスを提供していく独自のビジネスモデルを展開しております。
当第3四半期累計期間においては、商談型展示会とM&A仲介サービスに加え、ハイブリッド展示会事業を注力事業として、これらの育成に努めております。商談型展示会事業につきましては、「CareTEX(*2)」、「からだケアEXPO」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」を、東京都、大阪府、福岡県、宮城県、愛知県、神奈川県、北海道の全国合計7エリアでの開催に向け、万全の感染予防対策を講じた上で、来場者及び出展社への販促活動を行ってまいりました。また、前事業年度より、商談型オンライン展示会「CareTEX365オンライン」及び「からだケアEXPO365オンライン」を開催しております。
また、ハイブリッド展示会事業として、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会「DXPO(読み:ディーエクスポ)」を東京都、大阪府及びオンライン上での開催に向け、販促活動を行ってまいりました。
一方、M&A仲介事業につきましては、M&Aコンサルタントの教育体制の整備が完了したことから、案件の成約に注力するとともに、新分野である建設分野への横展開を本格化するための営業活動を行っております。また、前事業年度に引き続き、M&Aコンサルタントの採用を継続いたしました。
また、当社は「中期経営計画」に続く、その先の成長を更に加速するため、当事業年度内における第1号の事業買収を目標とし、専門組織として「事業開発部」を新設し、活動してまいりました。この結果、株式会社リアライブの株式取得による子会社化を決定いたしました。詳細につきましては、「第4 経理の状況 1 四半期財務諸表 四半期財務諸表注記 重要な後発事象 (取得による企業結合)」をご参照ください。
以上の結果、当第3四半期会計期間(3ヵ月間)の経営成績は、売上高は571,703千円(前年同四半期比27.3%増)となり、営業利益は70,860千円(前年同四半期比35.1%減)、調整後営業利益(*3)は85,492千円(前年同四半期比30.9%減)、経常利益は70,835千円(前年同四半期比35.5%減)、四半期純利益は45,562千円(前年同四半期比31.3%減)となりました。
また、当第3四半期累計期間の経営成績は、売上高は1,921,015千円(前年同四半期比45.4%増)となり、営業利益は541,092千円(前年同四半期比55.9%増)、調整後営業利益は584,792千円(前年同四半期比49.6%増)、経常利益は541,912千円(前年同四半期比55.5%増)、四半期純利益は343,065千円(前年同四半期比61.2%増)となりました。
第3四半期会計期間(3ヵ月間)の経営成績
(単位:千円)
前第3四半期
会計期間
当第3四半期
会計期間
増減額
増減率
売上高
449,262
571,703
+122,440
+27.3%
営業利益
109,112
70,860
△38,252
△35.1%
調整後営業利益
123,735
85,492
△38,243
△30.9%
経常利益
109,784
70,835
△38,948
△35.5%
四半期純利益
66,312
45,562
△20,749
△31.3%
なお、当社が運営しているサービスのうち、商談型展示会事業及びハイブリッド展示会事業につきましては、売上高及び営業利益の計上が展示会開催月に偏重します。大規模な展示会の開催は、第4四半期会計期間に集中しているため、売上高及び営業利益が第4四半期会計期間に急増する傾向があります。
当第3四半期累計期間における各セグメントの概況は、以下のとおりです。
(イ)商談型展示会事業
商談型展示会事業は、商談型展示会である「CareTEX」、「からだケアEXPO」及び商品ジャンル特化型展示商談会「CareTEX One」並びに商談型オンライン展示会「CareTEX365オンライン」及び「からだケアEXPO365オンライン」の運営を行っております。当第3四半期累計期間においては、5月に横浜展、7月に札幌展、9月に仙台展、11月に福岡展及び12月に大阪展を開催いたしました。
今後開催予定の展示会につきましても、当社は政府や自治体の要請及び各会場のガイドラインに従い、万全の感染予防対策を講じた上で開催するよう準備を進めております。
〔展示会開催スケジュール〕
一方、「CareTEX365オンライン」及び「からだケアEXPO365オンライン」は、介護・健康施術事業者と介護・健康施術関連サプライヤーに、効率的かつ安全に配慮した新たな商談・マッチング機会を提供する商談型オンライン展示会で、「ウェブース」「コネクト」「ウェビナー」の3つのサービスから構成されており、いずれも高い評価をいただいております。
なお、自社開発したオンライン展示会プラットフォーム『ExpON(エキスポン)』につきまして、機能を拡充させるためのシステム開発を実施しております。
以上の結果、当第3四半期会計期間(3ヵ月間)における商談型展示会事業の売上高は252,144千円(前年同四半期比75.0%増)、セグメント利益は59,590千円(前年同四半期比170.1%増)となりました。
また、当第3四半期累計期間においては、商談型展示会事業の売上高は421,873千円(前年同四半期比25.4%増)、セグメント損失は14,164千円(前年同四半期は27,330千円の損失)となりました。
第3四半期会計期間(3ヵ月間)の経営成績(商談型展示会事業)
(単位:千円)
前第3四半期
会計期間
当第3四半期
会計期間
増減額
増減率
売上高
144,100
252,144
+108,044
+75.0%
セグメント利益
22,063
59,590
+37,526
+170.1%
(ロ)ハイブリッド展示会事業
ハイブリッド展示会事業は、オンライン展とリアル展をシームレスに融合させ、双方の強みを活かした、新発想のハイブリッド展示会である「DXPO」の開催・運営を行っております。
ハイブリッド展示会「DXPO」とは、オンライン展の開設期間中(365日24時間)に並行してリアル展を年複数回開催し、リアル展の会期前1ヵ月及び会期後2ヵ月は、オンライン展でも集中的にマッチングすることで、「見込客獲得の量」と「商談の質」を高めつつ、かつ、年間を通じて継続的なマッチングの機会を提供する新サービスです。
「DXPO」の第1弾として、「バックオフィスDXPO」及び「フロントオフィスDXPO(*4)」の東京都、大阪府及びオンライン上での開催を決定し、当第3四半期累計期間においては、8月に東京展を初開催し、来場者であるバックオフィス部門、フロントオフィス部門の決裁権限者及び出展社である各種システムベンダー・サプライヤーから、高い評価をいただいております。また、3月開催の大阪展に向け、販促活動を行ってまいりました。
以上の結果、当第3四半期会計期間(3ヵ月間)においては、ハイブリッド展示会事業の売上高は6,729千円、セグメント損失は24,337千円(前年同四半期は17,394千円の損失)となりました。
また、当第3四半期累計期間においては、ハイブリッド展示会事業の売上高は250,457千円、セグメント利益は93,001千円(前年同四半期は42,315千円の損失)となりました。
第3四半期会計期間(3ヵ月間)の経営成績(ハイブリッド展示会事業)
(単位:千円)
前第3四半期
会計期間
当第3四半期
会計期間
増減額
増減率
売上高
-
6,729
+6,729
-
セグメント損失(△)
△17,394
△24,337
△6,943
-
(ハ)M&A仲介事業
M&A仲介事業は、介護、医療及び障害福祉事業者向けをはじめとするM&A仲介サービスの提供を行っております。当該事業におきましては、ウェブサイトのコンテンツ充実、セミナーの開催、ダイレクトメール及び地域金融機関等との業務提携によって案件獲得を強化するとともに、案件の成約に注力いたしました。さらに、前事業年度に引き続き、新分野への横展開を本格化するための営業活動を継続いたしました。なお、第1四半期会計期間より新たに建設分野へ参入し、案件の成約に注力しております。
また、成約組数は、当第3四半期累計期間においては中大型案件に注力したため、96組(前年同四半期比2.0%減)となりました。
なお、当事業年度においても、M&Aコンサルタントを大幅に増員するための採用を実施しておりますが、概ね計画どおり順調に進捗しております。
以上の結果、当第3四半期会計期間(3ヵ月間)においては、採用費の高騰と新分野への横展開のための費用が先行したため、売上高は311,931千円(前年同四半期比2.8%増)、セグメント利益は138,281千円(前年同四半期比27.0%減)と増収減益となりました。
また、当第3四半期累計期間においては、売上高は1,245,150千円(前年同四半期比27.1%増)、セグメント利益は768,469千円(前年同四半期比15.7%増)と大幅な増収増益となりました。
第3四半期会計期間(3ヵ月間)の経営成績(M&A仲介事業)
(単位:千円)
前第3四半期
会計期間
当第3四半期
会計期間
増減額
増減率
売上高
303,554
311,931
+8,376
+2.8%
セグメント利益
189,550
138,281
△51,268
△27.0%
(ニ)その他
「CareTEX365 フード」(配食マッチングサービス)は、時期とエリアが限られる展示会の特徴を補完する形で、介護事業者と配食・介護食のサプライヤーをマッチングする事業です。
当第3四半期会計期間(3ヵ月間)においては、その他の売上高は897千円(前年同四半期比44.2%減)、セグメント利益は897千円(前年同四半期比44.2%減)となりました。
また、当第3四半期累計期間においては、その他の売上高は3,533千円(前年同四半期比27.8%減)、セグメント利益は3,533千円(前年同四半期比26.9%減)となりました。
第3四半期会計期間(3ヵ月間)の経営成績(その他)
(単位:千円)
前第3四半期
会計期間
当第3四半期
会計期間
増減額
増減率
売上高
1,607
897
△710
△44.2%
セグメント利益
1,607
897
△710
△44.2%
(*1)介護用品メーカー、機械浴槽や建材等の設備備品メーカー及び介護ソフトや配食等の施設向けサービス事業者等
(*2)「CareTEX」のうち東京展については、「CareTEX東京」「次世代介護テクノロジー展」「超高齢社会のまちづくり展」「介護予防 総合展」の4つの専門展により構成される「東京ケアウィーク」の総称にて開催。
(*3)2021年2月1日を割当日とする新株予約権の行使条件となる利益であり、連結損益計算書(連結損益計算書を作成していない場合、損益計算書とする。)に記載の営業利益から、のれん償却費及び新株予約権に係る株式報酬費用の影響を排除した金額です。
調整後営業利益=営業利益+のれん償却費+株式報酬費用
(*4)「フロントオフィスDXPO」のうち大阪展については、「フロントオフィスDXPO」と「店舗・EC DXPO」の2展を同時開催。
(2) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
(資産)
当第3四半期会計期間末の総資産は2,528,598千円となり、前事業年度末に比べて199,946千円の増加となりました。流動資産は2,166,058千円となり、前事業年度末に比べて130,017千円の増加となりました。主な要因は、四半期純利益の計上に伴い現金及び預金が増加したことに加え、今後開催予定の展示会施設予約に伴い前渡金が増加したことによるものです。固定資産は362,539千円となり、前事業年度末に比べて69,928千円の増加となりました。主な要因は、自社システム開発に伴う無形固定資産の計上によるものです。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は967,531千円となり、前事業年度末に比べて4,777千円の減少となりました。流動負債は879,211千円となり、前事業年度末に比べて1,792千円の増加となりました。主な要因は、法人税の中間納付に伴い未払法人税等が減少した一方で、1月以降開催の展示会出展料の受領により前受金が増加したこと等によるものです。固定負債は88,320千円となり、前事業年度末に比べて6,570千円の減少となりました。主な要因は、借入金の返済に伴い長期借入金が減少したことによるものです。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産は1,561,066千円となり、前事業年度末に比べて204,723千円の増加となりました。主な要因は、自己株式を取得した一方で、四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第3四半期累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した経営方針・経営戦略等について、重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間に新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。