【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期累計期間におけるわが国の経済は、ウィズコロナの下、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されております。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響や中国における感染動向に十分注意する必要があります。
新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、第8波の感染者数も減少傾向がみられる中、マスクの着用の考え方や、感染症法上の位置付け等の検討がなされておりますが、新たな変異株が確認されるなど、依然として収束時期等の予測は困難な状況が続いております。
当社はこのような状況の中、各事業で拡販に努め、当第3四半期累計期間の売上高は5,167百万円と前年同四半期比376百万円(7.9%)の増加となりました。
利益面については、売上総利益が964百万円と前年同四半期比9百万円(1.0%)の増加、営業利益は180百万円と前年同四半期比40百万円(29.2%)の増加、経常利益は186百万円と前年同四半期比38百万円(26.2%)の増加、四半期純利益は128百万円と前年同四半期比26百万円(25.3%)の増加となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 電力通信部門
電力・通信関係では設備の老朽化対策の工事や電柱の建替え工事が堅調に推移しましたが、高度無線環境整備推進事業の落ち着きもあり、前年度より売上は減少しております。一方で、利益は材料費の販売価格への転嫁を進めているため前年度より増加となりました。
鉄塔・鉄構は、送電鉄塔の経年による建替え需要は依然としてあるものの、前年並みの受注量は無く、民需向けの鉄塔関連の受注も当初予想していたよりも伸びが無く、売上・利益共に減少しております。
この結果、売上高は2,879百万円と前年同四半期比193百万円(6.3%)の減少、セグメント利益は380百万円と前年同四半期比11百万円(3.0%)の増加となりました。
② 建材部門
建材関係は、大型物件の稼働も増加し、中小の物件もコンスタントに動いている状況であり、売上は好調ですが、材料費の高騰の影響により利益は減少しております。
この結果、売上高は2,288百万円と前年同四半期比570百万円(33.2%)の増加、セグメント利益は94百万円と前年同四半期比16百万円(14.7%)の減少となりました。
セグメント利益の合計は前年同四半期よりも減少しておりますが、セグメントに帰属しない一般管理費が減少したため、全体の営業利益は前年同四半期比40百万円の増加となっております。
(2) 財政状態の分析
(総資産)
総資産は、前事業年度末に比べ422百万円増加し5,909百万円となりました。これは、主に売上債権245百万円、棚卸資産299百万円の増加、現金及び預金79百万円の減少によるものです。
(負債)
負債は、前事業年度末に比べ314百万円増加し2,572百万円となりました。これは、主に仕入債務320百万円、未払法人税等30百万円の増加、未払費用16百万円の減少によるものです。
(純資産)
純資産は、前事業年度末に比べ108百万円増加し3,336百万円となりました。これは、主に四半期純利益128百万円の計上による増加と、配当金23百万円の支払によるものです。この結果、有利子負債比率(D/Eレシオ)は0.01倍と良好な水準にあります。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ79百万円減少し1,147百万円となりました。
当第3四半期累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は65百万円(前年同四半期は13百万円の使用)となりました。これは、主に税引前四半期純利益及び減価償却費を295百万円計上したこと、売上債権の増加額245百万円、棚卸資産の増加額299百万円、仕入債務の増加額320百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は121百万円(前年同四半期は296百万円の使用)となりました。これは、主に有形及び無形固定資産の取得による支出123百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は23百万円(前年同四半期は28百万円の使用)となりました。これは、主に配当金の支払額23百万円によるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期累計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期累計期間における研究開発活動の金額は、53百万円であります。
なお、当第3四半期累計期間において、当社の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。