【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日(2023年6月30日)現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類に引き下げられ、経済活動への影響がほぼ解消される一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の影響、不安定な為替相場に大きく左右されるものとなりました。今後についても、電気料金の高騰や、物価上昇にともなう人件費の上昇、中国での景気の悪化の長期化など、先行き不透明な状況が続いております。
このような状況において当社では、主に半導体関係の需要増に応えるべく、生産体制の整備・事業構造のシフトに努めるとともに、新規事業として取り組んできた体外診断用医薬品市場への参入準備などに注力してまいりました。
この結果、当第1四半期連結会計期間末における財政状態および当第1四半期連結累計期間の経営成績は、以下のとおりとなりました。
①財政状態
(資産)
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は前連結会計年度末と比較し、1,643百万円減少の23,455百万円となりました。これは主に、売掛代金の回収が進んだこと等により現金及び預金が610百万円、商品及び製品が83百万円それぞれ増加した一方、受取手形、売掛金及び契約資産が2,015百万円、仕掛品が317百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
当第1四半期連結会計期間末における固定資産は前連結会計年度末と比較し、27百万円減少の14,254百万円となりました。これは主に、保有する有価証券の時価評価額の上昇により、投資有価証券が113百万円増加した一方、減価償却費の計上等により有形固定資産合計が97百万円、投資その他の資産のその他に含まれる繰延税金資産が33百万円減少したこと等によるものです。
この結果、当第1四半期連結会計期間末における総資産は37,709百万円となり、前連結会計年度末と比較し、1,671百万円減少いたしました。
(負債)
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は前連結会計年度末と比較し、1,485百万円減少の6,207百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計額が642百万円、当四半期中の賞与の支給により賞与引当金が278百万円、検査計測装置の大口物件の売上計上により契約負債が500百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
この結果、当第1四半期連結会計期間末における負債合計は7,223百万円となり、前連結会計年度末と比較し、1,471百万円減少いたしました。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間末における純資産は前連結会計年度末と比較し、200百万円減少の30,486百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が81百万円増加した一方、利益剰余金が親会社による配当金の支払い等により294百万円減少したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の77.9%から80.8%となりました。
②経営成績
当第1四半期連結累計期間の経営成績は、主に産業機器事業および検査計測機器事業の売上増加により、当第1四半期連結累計期間の売上高は5,540百万円で、前年同四半期比958百万円、20.9%の増収となりました。
一方、利益面につきましては、増収にともない粗利益額が増加したものの、内部統制強化や新規事業参入準備にともなう間接部門人員の人件費などの固定費増加の影響等により、営業損失62百万円(前年同四半期は営業損失14百万円)、経常利益12百万円(前年同四半期比22百万円、64.6%の減益)となりました。これに法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純損失20百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益11百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
当社グループは、オフィス用、福祉・医療施設用の椅子等を製造販売する「住生活関連機器」事業、液晶や半導体・高機能フィルム用の検査計測装置等を製造販売する「検査計測機器」事業、電磁アクチュエータ・ユニット(ばね)製品等を製造販売する「産業機器」事業、カーポート、テラス、オーニング等を製造販売する「エクステリア」事業、機械・工具等を仕入販売する「機械・工具」事業を報告セグメントとしております。
なお、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同四半期との比較・分析は、変更後のセグメント区分に基づいております。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報) 4.報告セグメントの変更等に関する事項」に記載のとおりです。
(住生活関連機器)
当セグメントにつきましては、働き方の変化に対応した新たなオフィスの価値を創造するオフィス家具の開発・生産に注力しつつ、体外診断用医薬品市場への新規参入準備を進めてまいりました。
この結果、売上高は2,359百万円で前年同四半期比26百万円、1.1%の増収となりました。一方、利益面では固定費の圧縮には努めたものの、棚卸資産の評価減や電気料金等の経費増により粗利率が悪化し、セグメント損失180百万円(前年同四半期はセグメント損失60百万円)となりました。
(検査計測機器)
当セグメントにつきましては、引き続き設備投資需要が拡大している半導体関連検査装置や電池部材向け検査装置の開発、販売に注力してまいりました。
この結果、売上高は1,842百万円で前年同四半期比749百万円、68.5%の増収となりました。一方、利益面では半導体検査装置の売上は好調であったものの、一昨年度に受注した利益率の低いFPD向け検査装置が売上の大半を占めていたことにより、セグメント損失17百万円(前年同四半期はセグメント損失25百万円)となりました。
(産業機器)
当セグメントにつきましては、半導体製造装置業界の好調を受け、電磁アクチュエータの増産体制の整備ならびに販売拡大に取り組んでまいりました。
この結果、売上高は730百万円で前年同四半期比124百万円、20.6%の増収となりました。利益面では、増収にともなう粗利益額の増加により、セグメント利益は106百万円(前年同四半期比29百万円、38.9%の増益)となりました。
(エクステリア)
当セグメントにつきましては、新型コロナウイルス感染症による営業活動の制約がなくなり、需要が旺盛なレストランやホテル業界向けの販売促進活動に注力してまいりました。
この結果、売上高は227百万円で前年同四半期比3百万円、1.7%の増収となりました。利益面では、利益率の改善による粗利益の増加に加え、固定費の抑制に努めた結果、セグメント利益は1百万円(前年同四半期はセグメント損失8百万円)と黒字転換しました。
(機械・工具)
当セグメントにつきましては、新規顧客の開拓および既存顧客の需要掘り起こしに注力してまいりました。この結果、売上高は379百万円で前年同四半期比54百万円、16.7%の増収となりました。セグメント利益は14百万円(前年同四半期比2百万円、19.0%の増益)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、164百万円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C7885JP #タカノ #その他製品セクター