【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する経済活動や行動の制限が徐々に緩和され、回復基調にて推移いたしました。しかしながら、ウクライナ情勢で加速する資源・エネルギー価格の高騰や急速な円安の進行など、依然として景気の先行きは不透明な状況が続いております。当社グループ事業に関連の深い建設市場におきましては、非住宅向けの建築着工床面積は持ち直しの動きが見られたものの、前年に増加傾向にて推移していた新設住宅着工戸数は再び減少に転じるなど、取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続きました。このような環境の下で、当社グループは「Vision2025」第2フェーズ(2020~2023年度)の3期目として、引き続き主力の住宅分野の深耕とあわせて、非住宅分野や海外事業、新規領域への営業活動を展開し、成長戦略を推進しました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は10,165百万円(前年同期比2.2%増加)、営業利益は168百万円(前年同期比28.6%減少)、経常利益は199百万円(前年同期比22.0%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は104百万円(前年同期比32.6%減少)となりました。
〈経営者の視点による当期経営成績の認識および分析〉売上高は、住宅市場での販売が前年を下回ったものの、非住宅分野や海外、福祉用品の販売が前年を上回ったことが影響し、前年同期比2.2%増加となりました。売上総利益率は、41.4%と前年同期を下回りました(前年同期は42.6%)。資材ロスの低減や、生産工程の見直しなどの原価低減に努めましたが、世界的な原材料価格の高騰や為替動向が影響しました。引き続き原価低減については、「Vision2025」の重点施策として継続的に取り組みを推進していきます。販売費及び一般管理費は、新製品の発売や展示会の開催に伴う販売促進関連費用が増加し、前年同期比0.8%増加となりました。営業外損益全体では、役員保険解約返戻金の発生等により31百万円の利益(前年同期比55.2%増加)となりました。
当社では、2016年4月より経営ビジョン「Vision2025」をスタートさせており、2020年4月からは、その実現を目指す「Vision2025」第2フェーズ中期経営計画(2020~2023年度)を始動し、3つの重点施策(新しい企業価値創造、成長戦略の推進、強固な経営基盤の再整備)を推進しています。当第2四半期連結累計期間では、非住宅分野や海外販売、新規分野(ステッキ等福祉用品)等成長戦略分野で一定の成果が得られましたが、為替動向や原材料価格高騰の影響を大きく受けました。今後も新型コロナウイルス感染症の影響や中長期的な住宅市場の漸減傾向は続くと見られ、さらなる高収益体質への転換に向けた取り組みとあわせて一層の成長戦略(非住宅分野、海外事業、新規領域)の推進が必要と認識しております。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(室内装飾関連事業)室内装飾関連事業においては、プリーツスクリーン等を発売し、新製品を中心とした展示会を開催するなど、営業活動を強化しました。またカーテンレールの価格改定による寄与もあり、売上高は9,945百万円(前年同期比2.0%増加)となりました。セグメント利益については、売上原価率の上昇や営業活動費用の増加等が影響し、162百万円(前年同期比27.7%減少)となりました。
(その他)その他の事業では、ステッキ等の福祉用品の販売活動や原価低減等を推進しました。行動制限の緩和や販売活動の強化等により、売上高は220百万円(前年同期比13.0%増加)となりました。セグメント利益については、資源・エネルギー価格の高騰や急速な円安進行の影響を大きく受け、5百万円(前年同期比48.4%減少)となりました。
(2) 財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の総資産については、受取手形及び売掛金等の減少があったものの、流動資産その他に含まれるデリバティブ債権や原材料及び貯蔵品等の増加により、前連結会計年度末と比較して229百万円(1.1%)増加し、20,731百万円となりました。負債については、繰延税金負債の増加があったものの、1年内返済予定の長期借入金や未払金等の減少により、前連結会計年度末と比較して300百万円(4.2%)減少し、6,922百万円となりました。純資産については、利益剰余金やその他の包括利益累計額等の増加により、前連結会計年度末と比較して530百万円(4.0%)増加し、13,809百万円となりました。当第2四半期連結会計期間末における当社グループの財政状態は、流動資産が増加、流動負債が減少し、流動比率は269.3%(前期末246.3%)となっております。また自己資本比率は、66.3%(前期末64.5%)となっており健全性を維持しております。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ73百万円減少し、3,739百万円となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、577百万円の収入(前年同期は957百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の減少による収入655百万円があったものの、法人税等の支払いによる支出141百万円があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、367百万円の支出(前年同期は207百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出232百万円、無形固定資産の取得による支出66百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、394百万円の支出(前年同期は501百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出329百万円があったことによるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上および財務上の対処すべき課題に重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は40百万円であります。 なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。