【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きがみられましたが、円安や資源価格の高騰による物価上昇圧力が強まり、景気の先行きは依然不透明な状況が続きました。フラットパネルディスプレイ(FPD)の分野におきましては、市場動向を見極めたい顧客の投資計画に慎重な姿勢が見られ、一方で原材料価格の高騰や部材供給の制約による長納期化など厳しい事業環境が続きました。このような環境の中、当社グループは、付加価値の高い製品の開発と、品質や採算を重視した販売戦略で、国内外での受注獲得に向け積極的な営業展開に努めてまいりました。この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高1,217百万円(前連結会計年度比19.7%増)、営業損失194百万円(前連結会計年度は営業損失175百万円)、経常損失179百万円(前連結会計年度は経常損失169百万円)となり、連結子会社1社の清算に伴い特別利益に為替換算調整勘定取崩額15百万円、特別損失に減損損失31百万円などを計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は204百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失121百万円)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。なお、セグメント利益は営業利益ベースの数値であります。(日本)日本セグメントでは、画像処理外観検査装置の売上が増加しましたが、売上原価の増加により損失が増加しました。この結果、売上高は714百万円(前連結会計年度比28.9%増)、セグメント損失は243百万円(前連結会計年度はセグメント損失123百万円)となりました。
(米国)米国セグメントでは、CAD/CAMソフト等の売上が現地通貨ベースでは伸び悩みましたが、円安の影響で円貨ベースでは増加しました。この結果、売上高は492百万円(前連結会計年度比15.4%増)、セグメント損失は64百万円(前連結会計年度はセグメント損失24百万円)となりました。
(韓国)韓国セグメントでは、画像処理外観検査装置の売上が大幅に減少しました。この結果、売上高は10百万円(前連結会計年度比71.1%減)、セグメント損失は21百万円(前連結会計年度はセグメント損失28百万円)となりました。なお、「韓国」セグメントであるKUBOTEK KOREA CORPORATIONは、当連結会計年度において清算結了したことにより連結の範囲から除外し、連結子会社であった期間の損益計算書のみ連結しております。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響から経済活動は回復傾向にあるものの、不安定な国際情勢が長期化しインフレが加速するなど今後も厳しい状況が続くものと見込まれます。当社グループは引続き売上確保の向けた受注努力とコストダウンに取り組むとともに、画像処理型検査エンジンの開発及び拡販、オーディオ事業の販売促進、エネルギー事業における次世代フライホイール大出力発電装置の開発を推進し、収益力向上に努めてまいります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、定量的に予想することは極めて困難ではありますが、現時点で把握できる最新の情報等に基づき、全てのセグメントにおいて、2024年3月期の一定期間にわたり当該影響が継続するものと見込んでおります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前期比(%)
日本
614,802
△11.7
米国
492,818
+15.4
韓国
9,285
△73.7
合計
1,116,907
△3.6
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。
② 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前期比(%)
受注残高(千円)
前期比(%)
日本
1,358,834
+169.5
1,193,500
+268.6
韓国
10,575
△70.7
–
–
合計
1,369,410
+153.4
1,193,500
+268.6
(注) 米国については、見込生産を行っているため受注実績はありません。
③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(千円)
前期比(%)
日本
714,426
+28.9
米国
492,774
+15.4
韓国
10,575
△71.1
合計
1,217,776
+19.7
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
三井金属鉱業株式会社
102,035
10.0
–
–
3.当連結会計年度について、当該割合が100分の10を超える相手先がないため、記載を省略しております。
(2) 財政状態当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ510百万円減少しました。流動資産は現金及び預金の減少564百万円、売上債権の増加57百万円、棚卸資産の減少84百万円などにより、595百万円減少しました。固定資産はソフトウェアの増加などにより84百万円増加しました。負債は、前連結会計年度末に比べ253百万円減少しました。流動負債は仕入債務の減少56百万円、1年内返済予定の長期借入金の減少41百万円、契約負債の増加17百万円などにより、80百万円減少しました。固定負債は長期借入金の減少174百万円などにより、173百万円減少しました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失204百万円の計上、為替換算調整勘定の減少51百万円などにより、純資産合計が256百万円減少しました。 セグメントごとの資産は、次のとおりであります。(日本)資産につきましては、前連結会計年度と比べて537百万円減少し、1,502百万円となりました。これは、主に現金預金の減少551百万円、売上債権の増加201百万円、棚卸資産の減少94百万円、貸倒引当金の増加108百万円などの流動資産の減少によるものであります。
(米国)資産につきましては、前連結会計年度と比べて50百万円増加し、108百万円となりました。これは、主に現金預金の増加16百万円、売上債権の増加17百万円、棚卸資産の増加14百万円などの流動資産の増加によるものであります。
(韓国)「韓国」セグメントであるKUBOTEK KOREA CORPORATIONは、当連結会計年度において清算結了しております。これにより、資産につきましては、前連結会計年度と比べて主に流動資産の現金預金が23百万円減少しております。
(3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ564百万円減少し、817百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果使用した資金は、146百万円(前連結会計年度は、資金の取得51百万円)となりました。これは主に減価償却費の計上150百万円、棚卸資産の減少81百万円などの資金増加、税金等調整前当期純損失の計上198百万円、未払金の減少62百万円、仕入債務の減少56百万円、売上債権の増加51百万円などの資金減少によるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、228百万円(前連結会計年度比27.3%増)となりました。これは主にソフトウェアの取得による支出223百万円などの資金減少によるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、215百万円(前連結会計年度比16.4%減)となりました。これは長期借入金の返済による支出215百万円などの資金減少によるものです。
なお、当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、材料仕入、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金や設備投資などの資金需要に対して、自己資金及び金融機関からの借入等で資金を調達しております。資金調達の状況等によっては今後の当社の資金繰りに重要な影響を及ぼす可能性があることから、手元資金を活用しながら販売を拡大し、収益性の改善と経費削減、取引条件の見直しなど対策を講じております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り) 」に記載しております。