【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く事業環境は、「新型コロナウイルス感染症の拡大によるサプライチェーンの途絶」と「半導体・電子部品の供給不足」の影響を受け、業界毎・地域毎・顧客毎に生産計画が大きく変動し、加えて、急激な円安の進行と資源価格の高騰、さらには動力費の高騰などの影響を受け、業績の先行きを正しく見通すことができない状況の中で推移しました。このような状況のもと、当社グループは、継続してパートナー企業と顧客との需給調整に努めるとともに、「中期経営計画2022」の最終年度として、持続的な競争優位を創出するために策定した「中期経営計画2022」の基本テーマ(「差別化技術とコスト競争力を磨く」「新たなビジネスモデルの構築に挑戦する」)を通じて業績基盤の強化に取組んでまいりました。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は29,336百万円(前年同期比11.3%増)、営業利益は1,474百万円(前年同期比63.4%増)、経常利益は1,448百万円(前年同期比47.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は991百万円(前年同期比35.4%増)となりました。
※当社グループは、中長期的な企業価値の向上とSDGsに沿った持続可能な社会の実現に努めていくことを目的として、2022年12月21日付にてサステナビリティ方針に基づく推進体制を定め、事業活動を通じて、各ESG課題の解決に取り組んでまいることを決定いたしました。詳細は、当社ウェブサイト(https://www.nip.co.jp/esg/.assets/esg_torikumi.pdf)をご参照ください。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
・エレクトロニクス電子部品及び住宅設備の関連メーカーに対して、専門商社として、またファブレスメーカーとして、高機能材料、加工部品、治工具及び機器等を国内外で販売しております。当セグメントの業績は、通信基地局やサーバー向けの配線板材料、ベトナム工場のドライフィルム事業及び沖縄工場のウエハ研磨用キャリア事業の受注が堅調に推移した一方で、調整局面に入ったスマートフォン関連部材及び中国ロックダウンによるサプライチェーンの途絶の影響を受ける中で推移しました。この結果、当第3四半期連結累計期間における当セグメントの売上高は12,729百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は969百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
・モビリティ自動車メーカー及び自動車部品メーカーに対して、電子制御関連部品を核とした樹脂成形品及び同組立品を国内外で製造・販売しております。当セグメントの業績は、タイ(バンコク)工場やインドネシア工場などのアセアン主力工場におけるパワートレイン系部品の受注が好調に推移し、半導体不足による減産を余儀なくされていた国内顧客の生産状況も少しずつ回復が進む中で推移しました。一方の社内活動においては、自動化やその他のコスト競争力の強化による生産性の向上、輸送コストの改善及び原価管理を徹底するために会計方針の変更(第1四半期連結会計期間の期初より減価償却費の計算方法を定率法から定額法に変更)等を行い、原価低減に努めました。この結果、当第3四半期連結累計期間における当セグメントの売上高は11,807百万円(前年同期比20.4%増)、セグメント利益は1,174百万円(前年同期比56.5%増)となりました。
・医療・精密機器オフィスオートメーション、デジタルイメージング、医療機器等の関連メーカーに対して、樹脂成形品の製造及び販売を国内外で展開しております。当セグメントの業績は、タイ(コラート)工場の医療機器部品の受注が堅調に推移し、半導体・電子部品の供給不足による減産影響を受けていたプリンター関連部品の受注も地域格差は残るものの回復が進み、営業黒字に転じることができました。この結果、当第3四半期連結累計期間における当セグメントの売上高は4,932百万円(前年同期比16.7%増)、セグメント利益は24百万円(前年同期は46百万円のセグメント損失)となりました。
・その他報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、タイの国際地域統括本部におけるマネジメント業務等で構成しております。当第3四半期連結累計期間における当セグメントの売上高は152百万円(前年同期比6.5%増)、セグメント利益は64百万円(前年同期比0.9%減)となりました。
(資産)流動資産は、前連結会計年度末に比べて2,089百万円増加し17,671百万円となりました。これは現金及び預金が934百万円、商品及び製品が525百万円、原材料及び貯蔵品が255百万円増加したことなどが主な要因となっております。固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,539百万円増加し12,045百万円となりました。これは建物及び構築物(純額)が289百万円、機械装置及び運搬具(純額)が258百万円、建設仮勘定が253百万円増加したことなどが主な要因となっております。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて3,629百万円増加し29,716百万円となりました。
(負債)流動負債は、前連結会計年度末に比べて587百万円増加し13,174百万円となりました。これは短期借入金が657百万円減少したものの、支払手形及び買掛金が948百万円、その他流動負債が280百万円増加したことなどが主な要因となっております。固定負債は、前連結会計年度末に比べて713百万円増加し3,849百万円となりました。これは長期借入金が511百万円、繰延税金負債が185百万円増加したことなどが主な要因となっております。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて1,300百万円増加し17,023百万円となりました。
(純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べて2,328百万円増加し12,692百万円となりました。これは為替換算調整勘定が1,616百万円、利益剰余金が791百万円増加したことなどが主な要因となっております。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3)研究開発活動当第3四半期連結累計期間における当社グループが支出した研究開発費の総額は41百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。