【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う昨年4月の緊急事態宣言発令後、総じて厳しい状況にありましたが、同宣言解除後は経済活動の段階的再開により徐々に持ち直しの動きも見られました。しかしながら感染者数が昨秋以降再び増加傾向となり、今年1月には2度目の緊急事態宣言が発令される等、ウイルスの感染状況に左右される状況が続きました。また海外においても新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済停滞が長期化しており、先行きが見通せない状況が続きました。
こうした経済情勢の下、当社グループの属するスポーツ・レジャー用品等の業界は、当社グループの提案するフィッシングを中心としたスポーツ・レジャーが、コロナ禍において密閉・密集・密接のいわゆる「3密」を避ける等、これからの時代にマッチしたレジャーとして支持を広げると共に、自然志向や健康志向が全世界に広がりを見せる中、自然とスポーツを愛する人々に貢献するために、ライフタイム・スポーツ(人生を豊かにするスポーツ)の提案に鋭意努めてまいりました。その結果、当連結会計年度におきましては、売上高は1,003億4百万円(前期比13.6%増)となりました。利益面におきましては増収効果により、営業利益は74億5百万円(前期比104.9%増)、経常利益は71億4千5百万円(前期比131.6%増)となりました。特別損益につきましては、主として投資有価証券売却益を計上した一方、コロナ禍の影響を受け収益が悪化した事業につき減損損失を計上致しました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は47億9千7百万円(前期比327.2%増)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高はセグメント間の内部売上高及び振替高を含んでおります。
日本日本地域におきましては、当社グループの提案するフィッシングを中心としたライフタイム・スポーツが、いわゆる「3密」を避ける等これからの時代にマッチしたレジャーとして支持を広げると共に、コアユーザーへのこだわりの高性能品から初心者・ファミリー層への手ごろに楽しめるエントリー製品の充実に至るまで、多様な市場ニーズの対応に注力してきました。その結果、売上高は720億9千万円(前期比11.2%増)となりました。セグメント利益は、イベントの自粛や出張等の移動制限による販管費の減少により、59億4千7百万円(前期比75.8%増)となりました。
米州米州地域におきましては、春先に新型コロナウイルス感染症の影響を受け市場は大幅な落ち込みとなりましたが、規制の緩和を受け徐々に回復に向かいました。このような中当社は、ダイワ・テクノロジー搭載の新製品が好調に推移した事等により、売上高は80億2千1百万円(前期比21.5%増)、セグメント利益は1億6千8百万円(前期比12.5%増)となりました。
欧州欧州地域におきましては、各国で厳しいロックダウンが実施されましたが、解除後はアウトドアスポーツ需要は急速に回復し、その後堅調に推移しました。このような中当社は、地域のニーズに合った新製品が好調を博し、売上高は105億9千万円(前期比8.9%増)、セグメント利益は5億9千1百万円(前期比32.0%増)となりました。
アジア・オセアニアアジア・オセアニア地域におきましては、国により状況は異なるものの、中国市場がいち早くコロナ禍から回復、全体を牽引しました。そのような中、市場に適合した新製品の発売やマーケティングの強化により、売上高は312億9千5百万円(前期比13.5%増)、セグメント利益は27億3千万円(前期比33.9%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次の通りであります。
①生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
日本
16,738
+7.1
米州
–
–
欧州
1,242
+1.0
アジア・オセアニア
31,529
+7.8
合計
49,510
+7.4
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しておりません。2 金額は販売価格によっております。3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績当社グループは、主に過去の実績と将来の需要の予測による見込生産をしております。
③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
構成比(%)
前年同期比(%)
日本
65,296
65.1
+11.4
米州
8,009
8.0
+21.5
欧州
10,590
10.6
+9.2
アジア・オセアニア
16,407
16.3
+23.1
合計
100,304
100.0
+13.6
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合当社グループにおいては、当該割合が100分の10以上となる相手先はないため記載を省略しております。3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態当連結会計年度末の資産合計は前連結会計年度末と比べて2億4千万円減少の777億3千万円となりました。流動資産は11億5千6百万円減の502億9千1百万円となりました。新型コロナウイルス拡大に伴い不測の事態に備え手元資金を確保した一方で、棚卸資産が減少したことが主な要因です。固定資産は9億1千6百万円増加し、274億3千8百万円となりました。土地を売却した一方、生産設備等の設備投資を行ったことが主な要因です。負債合計は501億5千2百万円と前連結会計年度末と比べ47億9千4百万円減少しました。流動負債は29億1千8百万円減の342億4千2百万円、固定負債は18億7千6百万円減の159億9百万円となりました。主な要因は借入金の返済を行ったことによるものです。純資産合計は前連結会計年度末と比べて45億5千4百万円増の275億7千7百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことが主な要因です。
(3)キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ42億6千4百万円増加し、91億5千7百万円(前連結会計年度末は48億9千3百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産が減少した事、また、税金等調整前当期純利益を計上したことにより、158億4千2百万円の収入(前連結会計年度は16億7千4百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、生産設備や新製品生産用金型を中心とした設備投資を行ったことから、33億7千6百万円の支出(前連結会計年度は38億3千6百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金の減少により、83億5千6百万円の支出(前連結会計年度は22億2千4百万円の収入)となりました。なお、本文中の掲載金額には消費税等は含まれておりません。
資本の財源及び資金の流動性について当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、本社においては金融機関とのコミットメントライン契約による安定的な資金調達を行うとともに、グループ全体での資金効率を高めるため、本社管理の下、グループ間での資金融通を実施しております。設備投資や長期運転資金の調達については金融機関からのスワップ等利用した長期固定資金の調達を基本としており、長期に亘り良好な関係を築いてきた複数の金融機関から相対借入に加え、シンジケート・ローンを活用した調達を実施しております。今期においては、当初新型コロナウイルス感染症による業績への影響を鑑み、金融機関からの特別融資枠の確保を行いましたが、その後売上の回復による利益の増加と売上債権、棚卸資産の減少によりキャッシュ・フローの改善が出来ていることに加え、金融機関からは安定的に資金供給を受けており、将来必要な運転資金や設備投資資金は安定的に確保できるものと考えております。今後もコストを抑えた安定資金を調達するため調達方法の多様化を図ってまいります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、本報告書「第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能価額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。但し、実際の結果は、見積りに含まれる不確実要素によりこれらの見積りと異なる場合があります。
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