【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで)のわが国経済は、緊迫した世界情勢に起因するエネルギー・原材料価格の上昇や金融資本市場の変動、国内の物価上昇及び中国経済回復の遅れが景気に及ぼす影響等、依然として先行きが不透明な状況が続いております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束傾向により、社会活動が徐々に正常化し、緩やかな回復が見られました。
飼料業界におきましては、ロシア・ウクライナ情勢を始めとした政情不安が続いておりますが、主原料であるとうもろこしの価格は、安定した収穫量の見通しに支えられ、下降傾向が続いております。
当社グループは本年1月に畜産用配合飼料価格を引き下げ、4月と7月にも連続して価格を引き下げました。しかしながら、飼料価格安定基金負担金の増額や円安の進行等により、事業環境は依然として厳しい状態が続いています。
畜産物につきましては、豚肉相場は、記録的な猛暑や疾病の影響により発育成績が悪化し出荷頭数が減少したことから、前年同期を上回って推移しております。鶏卵相場は、昨年10月より広域に発生した鳥インフルエンザや記録的な猛暑の影響により供給量が減少したことから、前年同期を上回って推移しております。牛肉相場は、出荷頭数の増加や物価高騰による消費者の生活防衛意識の高まりにより牛肉への需要が減少したことから、前年同期を下回って推移しております。
こうした環境にあって、当社グループは原料調達の多様化・生産体制の合理化、畜産・水産生産者へ供給する製品の品質向上及び生産成績改善につながるサービス提供等の取り組みを進めてまいりました。
当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上高は1,566億4千5百万円(前年同期比8.1%増)、営業利益は28億4千4百万円(前年同期は9千9百万円の営業損失)、経常利益は31億7千1百万円(前年同期は1億3百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益は19億8千9百万円(前年同期は2千9百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。
① 飼料事業
飼料事業では、畜産飼料の販売数量が前年同期よりも増加したことに加え、エネルギー価格高騰に伴う価格転嫁を進めたことにより平均販売価格も上昇したこと、また、水産飼料の販売数量は前年同期よりも減少したものの平均販売価格は大きく上昇したこと等から、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,324億7千2百万円(前年同期比6.6%増)となりました。営業利益は、畜産・水産飼料ともに前年同期よりも収益環境の改善が進んだこと等から、36億7千万円(前年同期比212.3%増)となりました。
② 食品事業
食品事業では、畜産物相場が前年同期よりも高値で推移していること等から、当第2四半期連結累計期間の売上高は228億7千6百万円(前年同期比17.5%増)となりました。営業利益は、販売価格条件見直しの実施が進捗したこと等により、2億7千7百万円(前年同期は2億1百万円の営業損失)となりました。
③ その他
畜水産機材の販売及び不動産賃貸の事業等であり、当第2四半期連結累計期間の売上高は12億9千7百万円(前年同期比9.8%増)、営業利益は1億3千1百万円(前年同期比14.8%増)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、現金及び預金の増加、当第2四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であった影響による売上債権の増加等により、1,348億8千1百万円(前期末比5.4%増)となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、短期借入金の返済による減少があった一方、当第2四半期連結会計期間末日が金融機関の休日であった影響で仕入債務は増加したこと等から、868億8千6百万円(前期末比5.2%増)となりました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加、その他有価証券評価差額金の増加等により479億9千5百万円(前期末比5.9%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ39億9千8百万円増加し、113億2千万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益の計上、月末休日要因を含む運転資金需要の減少等による資金の増加により124億9千9百万円の収入(前年同期は107億5千6百万円の支出)となりました。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得等による資金の減少により12億1千万円の支出(前年同期は9億4千5百万円の支出)となりました。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済等による資金の減少により72億9千万円の支出(前年同期は127億5千5百万円の収入)となりました。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間のグループ全体の研究開発費は4億1千3百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。