【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営成績等の状況の概要
① 業績等の概要当社は、「働く世代に豊かさを」というミッションを掲げ、全自動で国際分散投資ができるロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」を通じて、誰もが安心して利用できる金融インフラとなり、働く世代のより豊かな人生をサポートできるよう事業活動を展開しております。当事業年度における世界経済は、米国や欧州等、各国の高インフレ抑制のための金融引き締め政策による金利上昇、ロシアのウクライナ侵攻による地政学リスクの高まり、物価上昇による消費の落ち込みなどを受けて、景気後退の懸念が高まりました。国内経済においても、物価上昇や不安定な為替相場の影響により、先行き不透明な状況が継続しております。そのような環境下、当社では継続的な事業成長の実現に向けて、ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の機能追加、提携パートナーの拡充、テレビコマーシャルなどの広告宣伝活動、事業基盤強化のための人材採用、セキュリティ強化等に積極的に取り組みました。ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の機能追加については、4月より浜松いわた信用金庫との提携サービス「夢おいNavi」及び株式会社中京銀行との提携サービス「〈中京〉おまかせNavi」において、NISA(少額投資非課税制度)に対応した新機能「おまかせNISA」の提供を開始しております。7月には株式会社イオン銀行、イオンクレジットサービス株式会社と協力して、投資一任サービスにおいて日本初となるクレジットカードによる積立機能を開発し、「WealthNavi for AEON CARD」としてサービス提供を開始いたしました。本サービスでは、イオンカード決済による積立で「WAON POINT」をためながら、自動でおまかせの資産運用を行うことができます。また、定期的な投資対象銘柄見直しにより、10月に「金」に投資するETFとして従来のGLD(SPDR ゴールド・シェア)に加え、より経費率(保有コスト)が低いIAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)を追加いたしました。提携パートナーの拡充も推進しており、7月に提供を開始した上記の「WealthNavi for AEON CARD」に加えて、10月に株式会社千葉銀行との業務提携により「WealthNavi for 千葉銀行」、11月に株式会社十六銀行との業務提携により「WealthNavi for 十六銀行」の提供を開始いたしました。また、7月に株式会社東邦銀行、11月にオリックス銀行株式会社とそれぞれ業務提携契約を締結しており、今後、新たな資産運用サービスを共同で開発、提供することを目指しております。一方、2022年9月30日に株式会社SBI証券及び株式会社SBIネオモバイル証券(以下、「当該2社」という)から業務提携解消に関する通知書を受領し、11月4日をもって当該2社との業務提携を解消いたしました。広告宣伝活動については、俳優の長谷川博己さんが出演するテレビCM「教えてあげたい」篇の放映を継続し、12月には「教えてあげたい」シリーズ第2弾となる「もっと教えてあげたい」篇、「NISAも教えてあげたい」篇の放映を開始いたしました。デジタル広告と併せて、資産運用を検討されている潜在的なお客様へのアプローチ、認知向上を目指しております。また、オンラインセミナーを定期的に実施しており、新成人の方向けの開催や金融教育の専門家をお招きしての開催など、新たな取り組みも進めております。この結果、当事業年度末時点での運用者数は35.6万人(前事業年度実績31.7万人)、預かり資産額は7,197億円(前事業年度実績6,345億円)となりました。以上の結果、当事業年度の業績は、営業収益は65億73百万円(前期比41.4%増)となりました。また、販売費・一般管理費は63億19百万円(前期比24.9%増)となり、その結果、広告宣伝費除く営業利益は23億52百万円(前期比64.7%増)、営業利益は2億9百万円(前期は営業損失4億32百万円)、経常利益は2億14百万円(前期は経常損失4億91百万円)、当期純利益は2億89百万円(前期は純損失4億95百万円)となりました。 なお、当社はロボアドバイザー事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
② 財政状態の状況(資産) 当事業年度末における資産合計は、前事業年度末と比較して14億12百万円減少し、259億64百万円となりました。これは主に、外国証券(ETF)取引のための証券会社への預け金の減少49億85百万円によるものであります。(負債) 当事業年度末における負債合計は、前事業年度末と比較して23億55百万円減少し、149億83百万円となりました。これは主に、お客様からの預かり金の減少等による預り金の減少24億46百万円によるものであります。(純資産)当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末と比較して9億42百万円増加し、109億80百万円となりました。これは主に、新株予約権の行使や譲渡制限付株式報酬としての新株式発行による資本金の増加3億26百万円及び資本準備金の増加3億26百万円、当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加2億89百万円によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、148億58百万円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動により使用した資金は、31億17百万円(前事業年度に得られた資金は33億84百万円)となりました。これは主に、顧客分別金信託の増加8億円、預り金の減少24億46百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は、2億7百万円(前事業年度に使用した資金は23百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億5百万円、無形固定資産の取得による支出46百万円、敷金及び保証金の差入による支出43百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動により得られた資金は、6億16百万円(前事業年度に得られた資金は40億52百万円)となりました。これは主に、新株予約権の行使に伴う新株式発行による収入6億16百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況a. 生産実績当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。b. 受注実績当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。c. 販売実績当社が営む事業は、提供するサービスの性格上、販売実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り 当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらと異なることがあります。 当社の財務諸表作成にあたり採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載しております。 また、財務諸表の作成にあたり用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 なお、新型コロナウイルス感染症の会計上の見積りに対する影響につきましては、「第5 経理の状況1 財務諸表等(1) 財務諸表注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
② 経営成績の分析(営業収益) 当事業年度における営業収益は、65億73百万円(前事業年度比19億25百万円の増加)となりました。これは主に、預かり資産の増加に伴う受入手数料の増加18億95百万円によるものであります。当事業年度末時点での預かり資産額(時価)は、7,197億円(前事業年度比852億円の増加)となっております。(金融費用) 金融費用は、支払利息44百万円(前事業年度比21百万円の増加)となりました。これは主に、劣後特約付ローンの借入による支払利息の増加33百万円によるものであります。この結果、純営業収益は65億29百万円(前事業年度比19億4百万円の増加)となりました。(販売費・一般管理費) 販売費・一般管理費は63億19百万円(前事業年度比12億61百万円の増加)となりました。これは主に、広告宣伝費等の取引関係費の増加6億16百万円、従業員給料等の人件費の増加3億75百万円によるものであります。この結果、営業利益は2億9百万円(前事業年度実績 営業損失4億32百万円)となりました。(営業外損益) 営業外収益は8百万円(前事業年度比4百万円の増加)となりました。また、営業外費用は4百万円(前事業年度比58百万円の減少)となりました。これは主に、資本金の増加に係る登録免許税等の株式交付費の減少22百万円、劣後特約付ローンに係るストラクチャリング手数料による支払手数料の減少37百万円によるものであります。この結果、経常利益は2億14百万円(前事業年度実績 経常損失4億91百万円)となりました。(特別損益及び法人税等) 法人税等は△75百万円(前事業年度実績 法人税等3百万円)となりました。これは主に、繰延税金資産の計上による法人税等調整額の△1億18百万円によるものであります。この結果、当期純利益は2億89百万円(前事業年度実績 当期純損失4億95百万円)となりました。
③ 財政状態の分析当事業年度の財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
④ キャッシュ・フローの状況の分析当事業年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社における主な資金需要は、業容拡大に伴う人件費や、認知度向上のための広告宣伝費です。これらの資金需要に対しては、自己資金を基本とし、必要に応じて社債の発行や長期借入金の銀行借入を行うことでまかなっております。また、短期的な運転資金は銀行借入により調達しております。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2
事業等のリスク」に記載のとおりであります。
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