【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績当第3四半期連結累計期間における国内景気は、物価高やオミクロン株「BA.5」から次の主流になりうる「BQ.1」系統などの新たな変異ウイルスが増えさらに拡大することが懸念される一方で、秋の行楽シーズンや冬休みに行動制限されないことや、コロナ禍の自粛生活の反動としてリベンジ消費が好調に推移し回復基調にあると思われます。更に供給制限により落ち込んでいた新車販売台数も近年回復傾向にあること、10月から全国旅行支援が開始されたことにより個人消費は今後も増加が続くと思われます。また、一部の基幹部品の国内回帰による生産、ソフトウエア投資や機械投資が好調を維持し、建設投資も底堅く推移すると期待され、先行きも高水準の企業収益が下支えとなり、設備投資は回復基調が続く見通しです。一方、引き続き景気の下振れリスクも多く、ロシアのウクライナ侵攻後の原油等の資源価格の高騰による物価上 昇、円安進行は緩やかに円安是正が進んでおりますが、輸入物価上昇の加速化は企業業績を悪化させ、設備投資や雇用・賃金の削減につながるリスクがあります。また、中国のゼロコロナ政策解除による新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う経済活動の停滞は、今後も多くの地域や産業に影響を及ぼす可能性があり混乱の長期化、他地域への拡大などによって、様々な分野で供給制約の問題が生じると危惧されます。住宅市場においては、2022年度の建設投資額は63兆4,500億円(前年度比3.6%増)、2023年度は64兆3,300億円(前年度比1.4%増)と増加。新設住宅着工数は2022年度86.3万戸(前年比0.4%減)、2023年度87.8万戸(前年比1.8%増)、2024年度87.7万戸(前年比0.2%減)と均して底堅く推移すると思われます。また、広義のリフォーム市場規模は、2040年まで年間7~8兆円台で微増ないし、横ばい傾向が続くと予測されます。公共投資に関しては2021年度から2025年度までの「防災・減災、国土強靭化のための5ヵ年加速化対策」(15兆円の投資)が実施されることから、公共事業関係予算が大きく減少することはないと考えられます。中長期な視点では、大阪・関西万博や統合型リゾート(IR)、リニア新幹線と駅前開発など大型のプロジェクト投資が追い風となる見通しです。以上のような経営環境の変化の中、新設住宅着工戸数などの市場動向や外部要因に左右されにくい安定的な事業を持続的に拡大させるため、「3つのトランスフォーメーション(変革)を実現する」をグループの全体的な経営目標として、以下中長期戦略を進めていきます。
1)製品・市場のポートフォリオの変革 グループの事業ポートフォリオについて、コア事業を見極めた強化と整理、収益力の向上、グループシナジーの発揮、新規事業の展開などの観点で見直し、製品ごと市場ごと「誰に何を提供するか」を明確にして、経営資源を集中させて事業の最適化を進めます。
2)業務プロセスの変革 地域戦略に基づいた営業所の拡張移転や再編、東西の物流センターや倉庫の物流業務に本社管理業務も加えデジタル・トランスフォーメーション(DX)を活用してシステム化・省力化・効率化を進め、生産性向上を進めます。
3)組織・人財の変革 社員各階層の知識・スキルの向上を目指した人財開発に加え、モチベーション向上の取組みを行い、業務を遂行するために必要な組織能力や体制構築、人財育成を促進していきます。
この結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は25,845百万円(前年同期比10.2%増)、営業利益は508百万円(前年同期比235.1%増)、経常利益は500百万円(前年同期比171.3%増)、法人税等考慮後の親会社株主に帰属する四半期純利益は307百万円(前年同期比210.2%増)となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりです。
[管工機材]当セグメントにつきましては、売上高は25,585百万円(前年同期比9.8%増)、セグメント利益(営業利益)は519百万円(前年同期比151.6%増)となりました。
[施工関連]当セグメントにつきましては、売上高は259百万円(前年同期比78.4%増)、セグメント損失(営業損失)は11百万円(前年同期は54百万円の損失)となりました。
管工機材の商品区分別状況は以下のとおりです。
(排水・汚水関連商品)当商品群は、住宅・公共物件・工場・ビル等の排水・汚水・雨水配管・通気配管に使用される商品が中心となり ます。一部の排水用集合管は納期遅延、納期遅延によるメーカーリストの変更、金属から樹脂への素材変更等により減少となりました。一方で、子会社ダイドレ株式会社の商品は案件の受注拡大やグレーチング案件の受注拡大で増加し、耐火二層管は競合メーカーの事業撤退により、大幅に増加しました。結果、ダイドレ関連商材と耐火二層管の受注拡大により「排水・汚水関連商品」は大幅に増加しました。以上のことにより、当商品群の売上高は5,171百万円(前年同期比18.1%増)となりました。
(給湯・給水関連商品)当商品群は、住宅・公共物件・工場・ビル等の給湯・給水・空調冷媒配管に使用される商品が中心となります。 塩ビライニング鋼管類は一部商品の製造中止や、樹脂管やステンレス管に管種変更が進み減少しました。また、銅管類は一部商品の製造中止や昨年程の在庫受注ができず減少しました。一方で、ポリエチレン管用継手やステンレス類は当社への在庫切替えや物件の受注により増加しました。結果、当商品群は塩ビライニング鋼管類や銅管類の売上減少以上にポリエチレン管用継手やステンレス類の増販により増加しました。以上のことにより、当商品群の売上高は6,134百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
(化成商品)当商品群は、住宅・公共物件・工場・土木・ビル等の汚水・排水・雨水配管・配水・上下水配管等に使用される塩化ビニル樹脂のパイプ・継手、マス類及びポリエチレン(PE)管・継手が中心となります。 塩ビ製品は当社への在庫切替えや、値上げによる仮需、ポリエチレン管案件の受注拡大、雨樋用カラーパイプ及び継手の増販により大幅に増加しました。 以上のことにより、当商品群の売上高は7,838百万円(前年同期比14.0%増)となりました。
(その他)当商品群は、上記以外の管材類(ダクト類、フレキ類、バルブ類、合金類、水栓類、加工管、機械類等)・副資材や住宅設備機器類が中心となります。住宅設備機器類は配管資材類に比べ販売単価が高く、不定期なスポット案件や厳しい競合環境により受注に波がありますが、新設住宅着工戸数が微減傾向の中、リフォーム(リノベーション)案件は堅調に推移しており、前期同様に継続して販売強化商品としています。ダクト類・フレキ類・バルブ類・水栓類、加工管、機械類は案件が少なかったことにより各商品群は減少しましたが、住宅設備機器類は空調機類・ポンプ類・バス乾燥機類の積極的な在庫受注や物件受注により大幅な増加となりました。結果、住宅設備機器類の大幅な増加により「その他」商品群は増加しました。以上のことにより、当商品群の売上高は6,440百万円(前年同期比4.6%増)となりました。
②財政状態の分析
(資産)当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて3,009百万円増加し、18,590百万円となりました。流動資産は2,787百万円増加し、流動資産合計で14,371百万円となりました。この主な要因は、電子記録債権が1,243百万円増加、商品及び製品が242百万円増加、受取手形及び売掛金が996百万円増加したこと等によるものです。固定資産は222百万円増加し、固定資産合計で4,218百万円となりました。その主な要因は、土地が122百万円増加したこと等によるものです。
(負債) 当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べて2,788百万円増加し、14,001百万円となりました。流動負債は2,361百万円増加し、11,354百万円となりました。この主な要因は、短期借入金が1,400百万円増加、支払手形及び買掛金が556百万円増加したこと等によるものです。固定負債は427百万円増加し、2,647百万円となりました。その主な要因は、長期借入金が152百万円増加、役員退職慰労未払金が178百万円増加したこと等によるものです。
(純資産)当第3四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて220百万円増加し、4,588百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金が229百万円増加したこと等によるものです。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動該当事項はありません。