【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)
業績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の5類への移行による経済活動の正常化や、海外からの入国制限の緩和によるインバウンド消費により、回復基調で推移しております。一方で、原材料・燃料価格高騰や円安の進行に伴う物価上昇やロシア・ウクライナ情勢等、先行き不透明な状況にあります。このような状況のもと、当社グループでは、「中期経営計画SOLID FOUNDATION2026」でセグメントごとに掲げた「強化する」、「改善する」、「変える」分野の取組みに注力し、事業活動を進めて参りました。当四半期におきましては、主に印刷情報関連事業での海外市況の落ち込みが大きく影響して、前年同期比で減収減益となりました。しかしながら、原材料・燃料価格高騰に対する価格転嫁や原価低減活動による採算性改善を進めて、前年度後半からは回復基調にあります。その結果、売上高は20,450百万円(前年同期比1.7%減)となりました。利益面につきましては、営業利益418百万円(前年同期比6.8%減)、経常利益658百万円(前年同期比2.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は482百万円(前年同期比3.7%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。なお、セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。
①印刷情報関連事業印刷被写体においては、紙クロスは展示会装飾用クロスの好調が持続し、前年同期比で増収となりました。また、フィルムコーティング製品は、自動販売機用途が好調に推移し、前年同期比で増収となりました。一方、産業用の品質表示用ラベルは、海外向けが受注低調で、前年同期比で減収となりました。印字媒体においては、ラベル等の印字用熱転写リボンは、海外向けは市場の需給調整が長引き、前年同期比で大幅な減収となりました。その結果、当セグメントは、海外向けの減収が大きく影響し、売上高は9,084百万円(前年同期比6.3%減)、営業利益は551百万円(前年同期比15.9%減)となりました。
②住生活環境関連事業不織布は、展示会用カーペットが引き続き好調に推移し、生産の合理化による生産能力増強で前年同期比で増収となりました。また、床吸音材も堅調に推移し、車輌用不織布は回復基調であり、不織布全体では前年同期比で増収となりました。壁装材は、市況が軟調ですが、値上げの実施により前年同期比で増収となりました。衣料用芯地は、中国子会社での生産中止決定に伴い、顧客の在庫確保のための受注増もあり、前年同期比で増収となりました。その結果、当セグメントは、一部の市場回復と販売価格転嫁により、大幅な減益となった前年から回復し、売上高は6,693百万円(前年同期比5.7%増)、営業利益は194百万円(前年同期比620.1%増)となりました。
③包材関連事業食品包材・蓋材は、国内外ともに乳製品・乳酸菌飲料等の消費が伸びず、前年同期比で減収となりました。また、アルミ等の原材料価格は、未だ高い水準で推移しており、販売価格への転嫁が追い付かず、前年同期比で減益となりました。医療用パップ剤用フィルム加工は、海外向けが堅調に推移し、前年同期比で増収となりました。その結果、当セグメントの売上高は3,687百万円(前年同期比1.7%減)、営業利益は71百万円(前年同期比61.4%減)となりました。
④その他ファンシー商品は、主要顧客向けの受注減少で、前年同期比で減収となりました。商品運送は全体的に荷動きが悪く、前年同期比で減収となりました。その結果、売上高は1,616百万円(前年同期比4.6%減)、営業利益は32百万円(前年同期比36.8%減)となりました。
(2)
財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して1,613百万円増加し、59,241百万円となりました。これは主に現金及び預金が676百万円、仕掛品が201百万円、電子記録債権が175百万円増加したことなどによるものであります。 負債は、前連結会計年度末と比較して1,261百万円増加し、35,675百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が753百万円、長期借入金が405百万円増加したことなどによるものであります。 純資産は、前連結会計年度末と比較して352百万円増加し、23,566百万円となりました。これは主に利益剰余金が273百万円、為替換算調整勘定が258百万円増加したことなどによるものであります。
(3) キャッシュ・フローの分析当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローの収入1,463百万円、投資活動によるキャッシュ・フローの支出870百万円、財務活動によるキャッシュ・フローの支出106百万円となりました。連結ベースの現金及び現金同等物は4,522百万円と前第2四半期連結累計期間に比べて1,176百万円の増加(前年同四半期比35.1%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前四半期純利益665百万円、減価償却費776百万円を計上した一方で、利息の支払額127百万円などにより当第2四半期連結累計期間は1,463百万円の収入となりました。これは前第2四半期連結累計期間の267百万円の収入に対し1,196百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローでは、有形固定資産の取得による支出518百万円、定期預金の預入による支出555百万円を計上した一方で、保険積立金の解約による収入138百万円などにより当第2四半期連結累計期間は870百万円の支出となりました。これは前第2四半期連結累計期間の568百万円の支出に対し302百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローでは、短期借入金の純減少372百万円、長期借入金の純増加543百万円、配当金の支払209百万円などにより当第2四半期連結累計期間は106百万円の支出(前第2四半期連結累計期間は227百万円の収入)となりました。
(4) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は129百万円であります。