【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、IFRSの適用に当たり、投資家、取締役会及び経営会議が各事業の恒常的な業績や将来の見通しを把握すること、取締役会及び経営会議が継続的に事業ポートフォリオを評価することを目的として、「事業利益」という段階利益を導入しております。当該「事業利益」は、「売上高」から「売上原価」、「販売費」、「研究開発費」及び「一般管理費」を控除し、「持分法による損益」を加えたものであり、「その他の営業収益」及び「その他の営業費用」を含まない段階利益です。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間の売上高は、換算為替の影響に加え、調味料・食品セグメント、冷凍食品セグメント及びヘルスケア等セグメントいずれも増収となり、前年同期を1,096億円上回る6,598億円(前年同期比119.9%)となりました。事業利益は、原材料等のコスト増の影響を受けたものの、換算為替の影響やヘルスケア等セグメントの増収効果等により、前年同期を50億円上回る743億円(前年同期比107.2%)となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、前年同期に、その他の営業収益において固定資産(遊休資産)の売却益を計上したこと等により、前年同期を71億円下回る470億円(前年同期比86.8%)となりました。
セグメント別の概況
セグメント別の業績は次のとおりです。
対前年実績
売上高(億円)
事業利益(億円)
第145期
第2四半期
前年同期増減
前年同期比
第145期
第2四半期
前年同期増減
前年同期比
調味料・食品
3,727
567
118.0
%
430
△20
95.5
%
冷凍食品
1,285
222
120.9
%
△3
△13
-
ヘルスケア等
1,516
296
124.3
%
308
80
135.1
%
その他
68
9
115.6
%
7
4
228.0
%
合計
6,598
1,096
119.9
%
743
50
107.2
%
① 調味料・食品セグメント
調味料・食品セグメントの売上高は、換算為替の影響に加え、海外における販売増や単価の上昇等により、前年同期を567億円上回る3,727億円(前年同期比118.0%)となりました。事業利益は、増収効果や換算為替の影響があったものの、原材料等のコスト増の影響等により、前年同期を20億円下回る430億円(前年同期比95.5%)となりました。
<主要な変動要因>
・調味料は、日本は減収も、海外は大幅増収となり、全体で大幅増収。
日本は、前年の内食需要拡大の反動等により、減収。
海外は、為替影響に加え、単価上昇、販売数量増等により、大幅増収。
・栄養・加工食品は、日本は減収も、海外は大幅増収となり、全体で増収。
日本は減収も、コーヒー類の構造改革影響を除くと増収。
海外は、為替影響に加え、即席麺や飲料等の販売増により、大幅増収。
・ソリューション&イングリディエンツは、加工用うま味調味料の単価上昇や為替影響、外食向け製品の販売増等により、大幅増収。
<主要な変動要因>
・調味料は、日本、海外ともに減益となり、全体で減益。
日本は、減収影響、原材料等のコスト増影響により、大幅減益。
海外は、増収も、原材料等のコスト増影響等により、減益。
・栄養・加工食品は、海外は前年並みも、日本は大幅減益となり、全体で大幅減益。
日本は、主にコーヒー類の原材料等のコスト増影響により、大幅減益。
海外は、原材料等のコスト増影響あるも、為替影響、増収効果等により、前年並み。
・ソリューション&イングリディエンツは、原材料等のコスト増影響あるも、増収効果、為替影響等により、全体で大幅増益。
② 冷凍食品セグメント
冷凍食品セグメントの売上高は、換算為替の影響や海外における単価の上昇等により、前年同期を222億円上回る1,285億円(前年同期比120.9%)となりました。事業利益は、原材料等のコスト増の影響等により、前年同期を13億円下回る3億円の損失となりました。
<主要な変動要因>
・日本は前年並みも、海外は大幅増収となり、全体で大幅増収。
日本は、構造改革の影響あるも、業務用製品の復調等により、前年並み。
海外は、為替影響、単価上昇により、大幅増収。
<主要な変動要因>
・日本、海外ともに減益となり、全体で大幅減益。
日本は、主に原材料等のコスト増影響により、減益。
海外は、増収も、原材料等のコスト増影響により、大幅減益。
③ ヘルスケア等セグメント
ヘルスケア等セグメントの売上高は、バイオファーマサービス&イングリディエンツ、ファンクショナルマテリアルズ等の販売増や換算為替の影響等により、前年同期を296億円上回る1,516億円(前年同期比124.3%)となりました。事業利益は、増収効果や換算為替の影響等により、前年同期を80億円上回る308億円(前年同期比135.1%)となりました。
<主要な変動要因>
・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、バイオファーマサービス、医薬用・食品用アミノ酸の販売増に加え、為替影響により、大幅増収。
・ファンクショナルマテリアルズは、主に電子材料の販売好調により、大幅増収。
・その他は、為替影響に加え、メディカルフード、スポーツニュートリション等の販売増等により増収。
<主要な変動要因>
・バイオファーマサービス&イングリディエンツは、為替影響に加え、医薬用・食品用アミノ酸の増収効果等により、増益。
・ファンクショナルマテリアルズは、大幅増収に伴い大幅増益。
・その他は、増収効果等により増益。
④ その他
その他の事業の売上高は、前年同期を9億円上回る68億円(前年同期比115.6%)となり、事業利益は、前年同期を4億円上回る7億円(前年同期比228.0%)となりました。
(2) 重要な会計方針及び見積り
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが採用している重要な会計方針及び見積りについては、「要約四半期連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び同「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
なお、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に関する新型コロナウイルス感染症及びウクライナをめぐる国際情勢の変化の影響については、「要約四半期連結財務諸表注記 4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
(3) 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末の1兆4,570億円に対して1,073億円増加し、1兆5,643億円となりました。これは主として、円安の進行に伴う換算為替の影響による各資産残高の増加に加え、原材料価格等の上昇の影響による棚卸資産の増加によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末の7,173億円に対して97億円増加し、7,270億円となりました。これは主として、有利子負債の増加によるものです。有利子負債残高は、コマーシャル・ペーパーの発行等により、前連結会計年度末に対して163億円増加し、3,802億円となりました。
資本合計は、主に円安の進行による在外営業活動体の換算差額の増加や、利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に対して975億円増加しました。資本合計から非支配持分を引いた親会社の所有者に帰属する持分は、7,820億円となり、親会社所有者帰属持分比率は50.0%となりました。
(4) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローは、384億円の収入(前年同期は555億円の収入)となりました。税引前四半期利益が681億円であり、減価償却費及び償却費357億円、棚卸資産の増加476億円や法人所得税の支払額217億円があったこと等によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、381億円の支出(前年同期は285億円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出392億円があったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、109億円の支出(前年同期は672億円の支出)となりました。コマーシャル・ペーパーの増加150億円、配当金の支払額150億円や長期借入金の返済による支出71億円があったこと等によるものです。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、1,480億円となりました。
(5) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、125億円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金の流動性について
当第2四半期連結累計期間は短期流動性に関し、手元流動性確保のために、コミットメントライン、当座貸越枠、コマーシャル・ペーパー発行枠等の調達手段を備えております。
新型コロナウイルス感染症の拡大、ウクライナ情勢等による原燃料価格の高騰に伴う資金流動性リスクの認識にもとづく資金面での取り組みとして、十分な手元流動性比率の維持と既に設定している主要取引銀行との間のコミットメントラインにより資金の安全性を確保し、加えて、資金流動性リスク等が発生する可能性のある海外連結子会社に対して、当社が緊急貸付枠を設定し、一時的な資金繰りの支援体制を整備しております。
② 資金の調達
当第2四半期連結累計期間の資金調達は、調達コストとリスク分散の観点による直接金融と間接金融のバランス及び長期と短期の資金調達のバランスを勘案し、金融機関からの借入等による資金調達活動を行いました。
③ 資金の使途
当第2四半期連結累計期間の資金の使途は、主として事業資金です。