【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、行動制限の緩和により経済活動の正常化が進み、緩やかな回復基調が見られました。一方、ウクライナ情勢の長期化等による物価上昇や原材料価格の高騰、円安傾向も継続して、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループが関連する工事用保安用品業界におきましては、国土強靭化計画等により公共投資が底堅くあり、民間工事も堅調に推移いたしました。
一方で、人手不足や原材料の高騰等による工事遅延や延期も見受けられました。加えて、半導体不足による商品供給の遅れが少なからずあり、経営環境は厳しい状況が続いております。
この様な状況下、引き続き積極的な提案型営業とAI技術を取り入れた新商品等の拡販に注力し、商品の仕入価格高騰の抑制と迅速な供給に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は9,967百万円(前年同期比3.7%減)となりました。利益面につきましては、営業利益が874百万円(前年同期比28.4%減)、経常利益は874百万円(前年同期比27.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、575百万円(前年同期比28.9%減)となりました。
商品の品目別売上高の内訳につきましては、標識・標示板1,505百万円(前年同期比5.3%減)、安全機材611百万円(前年同期比8.2%増)、保安警告サイン586百万円(前年同期比4.4%減)、安全防災用品767百万円(前年同期比9.3%減)、その他1,051百万円(前年同期比8.8%減)であります。また、レンタル売上高につきましては5,445百万円(前年同期比2.4%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より61百万円減少いたしました。
各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、710百万円の収入(前連結会計年度は1,421百万円の収入)となりました。
この内訳の主なものは、収入では税金等調整前当期純利益858百万円、減価償却費821百万円によるものであり、支出ではレンタル資産取得による支出316百万円、法人税等の支払額441百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、86百万円の支出(前連結会計年度は35百万円の支出)となりました。
この内訳の主なものは、投資有価証券の取得による支出70百万円、有形固定資産の取得による支出10百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、685百万円の支出(前連結会計年度は701百万円の支出)となりました。
この内訳の主なものは、借入金の減少53百万円、配当金の支払額163百万円、リース債務の返済による支出468百万円であります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
第62期
2019年3月期
第63期
2020年3月期
第64期
2021年3月期
第65期
2022年3月期
第66期
2023年3月期
自己資本比率(%)
45.0
46.7
50.1
54.3
57.4
時価ベースの自己資本比率(%)
35.1
30.9
36.3
33.5
30.9
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)
5.6
3.8
2.8
2.4
4.7
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
21.4
33.0
43.9
48.5
24.4
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1. 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は、期末株価終値 × 期末発行済株式数により算出しております。
3. キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における品目別の生産実績は、次のとおりであります。
品目
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
標識・標示板(千円)
431,588
98.3
安全機材(千円)
206,258
99.6
保安警告サイン(千円)
275,877
91.4
安全防災用品(千円)
16,797
84.7
その他(千円)
78,591
87.5
合計(千円)
1,009,114
95.4
(注)金額は製造原価によっております。
(商品仕入実績)
当連結会計年度における品目別の商品仕入実績は、次のとおりであります。
品目
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
標識・標示板(千円)
489,968
98.3
安全機材(千円)
258,094
112.0
保安警告サイン(千円)
245,466
116.4
安全防災用品(千円)
559,768
92.8
その他(千円)
718,505
97.3
小計(千円)
2,271,804
99.6
レンタル仕入高(千円)
1,360,959
102.3
合計(千円)
3,632,763
100.6
(受注実績)
当社グループは、受注生産を行っておりません。
(販売実績)
当連結会計年度における品目別の販売実績は、次のとおりであります。
品目
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
標識・標示板(千円)
1,505,356
94.7
安全機材(千円)
611,379
108.2
保安警告サイン(千円)
586,001
95.6
安全防災用品(千円)
767,809
90.7
その他(千円)
1,051,460
91.2
小計(千円)
4,522,007
94.8
レンタル売上高(千円)
5,445,306
97.6
合計(千円)
9,967,313
96.3
(4)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ106百万円増加し12,283百万円となりました。各資産、負債及び純資産の要因は次のとおりです。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は8,232百万円(前連結会計年度末8,093百万円)となり、139百万円の増加となりました。
この主な要因は次のとおりです。
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
要因
現金及び預金
4,321百万円
4,260百万円
△61百万円
※1
商品及び製品
1,146百万円
1,320百万円
173百万円
※2
※1 連結キャッシュ・フロー計算書をご参照ください。
※2 当連結会計年度の仕入高の増加によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は4,051百万円(前連結会計年度末4,084百万円)となり、33百万円の減少となりました。
この主な要因は次のとおりです。
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
要因
有形固定資産
3,526百万円
3,425百万円
△101百万円
※1
投資有価証券
226百万円
317百万円
90百万円
※2
※1 主に、リース資産の減少によるものであります。
※2 投資有価証券の取得等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は3,476百万円(前連結会計年度末3,773百万円)となり、296百万円の減少となりました。
この主な要因は次のとおりです。
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
要因
1年内返済予定の長期借入金
203百万円
103百万円
△100百万円
※1
リース債務
398百万円
341百万円
△56百万円
※2
未払法人税等
261百万円
99百万円
△162百万円
※3
※1 返済期日による流動負債への振替の減少によるものであります。
※2 返済期日による流動負債への振替の減少によるものであります。
※3 課税所得の減少によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は1,754百万円(前連結会計年度末1,793百万円)となり、38百万円の減少となりました。
この主な要因は次のとおりです。
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
要因
リース債務
340百万円
322百万円
△17百万円
※
※ リース契約の減少によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は7,052百万円(前連結会計年度末6,611百万円)となり、441百万円の増加となりました。
この主な要因は次のとおりです。
前連結会計年度
当連結会計年度
増減
要因
利益剰余金
5,988百万円
6,401百万円
412百万円
※1
その他有価証券評価差額金
107百万円
121百万円
14百万円
※2
※1 親会社株主に帰属する当期純利益と配当によるものであります。
※2 投資有価証券の時価の上昇によるものであります。
(5)経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定)
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載しております。重要な会計上の見積りの注記については、翌連結会計年度の連結財務諸表に重要な影響を及ぼすリスクがある項目がないため記載しておりません。
また、新型コロナウイルス感染症による当社グループの財務状況、経営成績への影響は無いと見ております。
① 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業所を基本単位として資産のグルーピングを行って減損の兆候を判定しております。
減損の兆候の判定における営業損益は、原則として、過去の実績については実績値に基づき、将来の予測については取締役会により承認された予算に基づき算定しております。
この予算における重要な仮定は販売計画であり、販売計画は主として地域ごとの市場動向及び主要な得意先ごとの受注予測の影響を受けます。
将来の事業環境の変化や業績の動向等により販売計画の見直しが必要になった場合には、減損の兆候が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。
② 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、予算に基づいた課税所得が確保でき回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存し、見積りにおける重要な仮定は販売計画となります。その見積りの前提とした仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容)
当社グループの経営に大きな影響を及ぼす要因として公共工事予算や民間工事の増減があります。特に公共工事予算は関連する市場動向を見る指標となると認識しております。
当社は、全国に拠点を持っており、年度別で地域によって発注工事の規模や件数に違いがあり、すべての拠点で売上を伸ばすことが困難になることもあります。
しかしながら、当社の優位性であります全国の拠点を活かして地域密着により迅速な商品の供給を行い、地域特有の商品などの品揃えをしつつ受注件数、売上を伸ばしていきます。
また、公共工事予算に影響を受けない市場として、工事で使用する安全対策用商品ではなく、工事以外での道路上の安全対策としてサインライト表示機と通信網を利用した事故防止、注意喚起を促すシステム商品の開発に積極的に取り組み提案をしております。今後も顧客ニーズを取り入れた機能追加により用途を拡大させていきたいと思っております。
システム商品やレンタル需要へ対応すべく商品数量増加、顧客ニーズの多様性に資金を投下し積極的に商品開発を行ってまいります。
当連結会計年度の業績については、市場状況としては公共工事及び民間工事で大幅な増加はありませんでしたが堅調に推移いたしました。売上高は、前期と比較して減少いたしました。減少理由として、前期に特需的な売上があり今期はその分を補うことができなかった事と東北の震災復興工事がなくなったことが大きな要因であります。粗利率につきましては、仕入商品の値上げが相当数あったものの、レンタル投入抑制や販売価格への転嫁を推進したことにより前期の粗利率をキープすることができました。経費については、従業員還元の一環としてベースアップやインフラ手当(一時金)を支給したことにより人件費が増加しております。その他の経費も単価が上昇して増加傾向となっており、対売上販管費率が上昇いたしました。今後、仕入価格の上昇を販売価格、レンタル価格への転嫁を競合状況を鑑み、推進していくことが課題となります。
毎期の課題となりますが、売上の対前期減少拠点を減らしていくことも注力し、効率の良いレンタル投入に努力いたします。
また、新型コロナウイルス感染症の影響は、工事が遅延した現場はありましたが軽微でありました。
(経営上の目標の達成状況について)
当社グループは、株主第一義の経営をする上で収益力の指標として、自己資本当期純利益率9.0%以上の達成を中長期的、継続的な目標としております。最近3年間の自己資本当期純利益率は8.4%(2023年3月期)、12.9%(2022年3月期)、11.8%(2021年3月期)でありました。2023年3月期は目標を達成することができませんでしたが、目標達成の維持は勿論のこと、それ以上の達成ができるよう売上増強と商品開発を高め、強固な企業体質を構築してまいります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの運転資金需要の主なものは、商品及び製品、原材料の購入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。これらの資金調達につきましては自己資金を基本としております。
主な設備投資としては、レンタル商品の購入があり資金は自己資金からの充当とリース契約によっております。今後、レンタル商品購入とは別に資金の投下として各拠点の設備の修繕や拡張があり、これらは随時行っていくものであると認識しております。これらは業績の動向を鑑み、自己資金を中心に、必要に応じて借入金を行い充当していきたいと考えております。また、借入金については金利変動リスクに晒されないよう金利スワップ等の手段を活用していき、リース契約を含む有利子負債は返済計画を勘案し安定的な資金繰りを実行していきます。
