【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、欧州や中国において景気の持直しに遅れが見られたものの、米国においては堅調な設備投資や個人消費に支えられ、回復の動きが継続いたしました。
わが国経済におきましては、社会経済活動が正常化しつつあることや、インバウンド需要の持直しもあり景気は回復基調となりました。一方で、混迷を深めるウクライナ情勢に加え、円安の進行や物価上昇が継続しており、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
こうした状況のなか、当社グループ事業の海外市場につきましては、金融市場及びリテール市場ともに、人件費高騰や人手不足対応に伴うセルフ化ニーズが継続しており、製品・サービスの需要は堅調でありました。加えて、半導体等の部品調達難の緩和による生産の回復に伴い出荷が進んだこともあり、主要製品の販売が増加いたしました。また、Acrelecグループの売上は好調に推移いたしましたが、Revolutionグループの売上は前年同期並みでした。
国内市場につきましても、全ての市場において、製品・サービスの需要は堅調に推移いたしました。金融市場及び流通・交通市場では、2024年7月に予定されている新紙幣発行に伴う製品の更新や改造作業が当初計画より前倒しで進んでおり、製品売上、保守売上ともに増加いたしました。また、遊技市場では、スマート遊技機向けカードシステムの販売が好調に推移いたしました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、157,839百万円(前年同期比 40.7%増)となりました。このうち、製品及び商品売上高は、94,509百万円(前年同期比 49.2%増)、保守売上高は、63,330百万円(前年同期比 29.8%増)でありました。利益につきましては、営業利益は、16,783百万円(前年同期は 4,711百万円の損失)、経常利益は、15,404百万円(前年同期は 5,359百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、8,308百万円(前年同期は 6,195百万円の損失)となりました。
セグメント別にみますと、次のとおりであります。
(金融市場)
主要製品である「オープン出納システム」及び窓口用「紙幣硬貨入出金機」や「紙幣両替機」の販売は、好調でありました。加えて、新紙幣発行に伴う改造作業により保守売上高も増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は、30,056百万円(前年同期比 95.6%増)、営業利益は、8,341百万円(前年同期は 1,215百万円の損失)となりました。
(流通・交通市場)
主要製品である「レジつり銭機」及び警備輸送会社向け「売上金入金機」の販売は、好調でありました。加えて、新紙幣発行に伴う改造作業により保守売上高も増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は、31,437百万円(前年同期比 51.4%増)、営業利益は、3,594百万円(前年同期は 584百万円の損失)となりました。
(遊技市場)
主要製品である「カードシステム」の販売は、スマート遊技機向けのユニットが好調でありました。
この結果、当セグメントの売上高は、13,674百万円(前年同期比 161.5%増)、営業利益は、4,606百万円(前年同期比 4,132.2%増)となりました。
(海外市場)
米州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<RBG/GLRシリーズ>」及びリテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI/CI-Xシリーズ>」の販売は、好調でありました。売上高は、37,951百万円(前年同期比 28.7%増)となりました。
欧州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<RBG/GLRシリーズ>」の販売は、低調でしたが、流通市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI/CI-Xシリーズ>」の販売は、順調でありました。売上高は、34,622百万円(前年同期比 6.3%増)となりました。
アジアでは、リテール市場向け「紙幣硬貨入出金機<CI/CI-Xシリーズ>」の販売は、好調でありましたが、地域全体としては、売上高は、7,413百万円(前年同期比 0.6%減)となりました。
また、Acrelecグループの売上高は、12,687百万円(前年同期比 28.9%増)であり、Revolutionグループの売上高は、8,782百万円(前年同期比 2.4%増)でありました。
なお、部材価格高騰の影響は緩和し業績は回復基調にありますが、海外市場においては輸送等のリードタイムを要するため、当第2四半期連結累計期間においては一部影響が残ることとなりました。
この結果、当セグメントの売上高は、79,987百万円(前年同期比 15.1%増)、営業利益は、535百万円(前年同期は 2,431百万円の損失)となりました。
その他の事業セグメントにつきましては、売上高は、2,682百万円(前年同期比 110.6%増)、営業損益は、295百万円の損失(前年同期は 589百万円の損失)となりました。
また、当第2四半期連結会計期間末における財政状態は、次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べ32,737百万円増加し、414,010百万円となりました。主な要因は、現金及び預金8,758百万円の減少、及び、棚卸資産21,120百万円、受取手形、売掛金及び契約資産15,767百万円の増加であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ28,371百万円増加し、213,659百万円となりました。主な要因は、短期借入金12,838百万円、未払法人税等5,381百万円、及び、賞与引当金4,350百万円の増加であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ4,366百万円増加し、200,351百万円となりました。主な要因は、資本剰余金12,286百万円の減少、及び、為替換算調整勘定12,210百万円、利益剰余金6,460百万円の増加であります。
この結果、自己資本比率は48.3%(前連結会計年度末は50.7%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、8,749百万円減少し、27,944百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,239百万円の支出となりました(前年同期は16,019百万円の支出)。これは、主に税金等調整前四半期純利益14,140百万円、減価償却費6,346百万円、のれん償却費3,480百万円等の資金の増加があった一方、棚卸資産の増加15,139百万円、売上債権の増加12,173百万円等による資金の減少があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2,833百万円の支出となりました(前年同期は4,312百万円の支出)。これは、主に株式会社フュートレック等の株式売却による収入1,134百万円があった一方、製品の製造に係る金型・治工具類にかかる有形固定資産の取得による3,525百万円の支出、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による897百万円の支出等があったためであります。
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは4,073百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8,154百万円の支出となりました(前年同期は3,666百万円の収入)。これは、主に、短期借入金の純増減額による11,886百万円等の収入があった一方、Sitrade Italia S.p.A.株式の追加取得による支出14,600百万円、配当金の支払い3,561百万円等の支出があったためであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、8,973百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「1.事業等のリスク」に記載のとおりであります。