【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和されたことにより経済活動の正常化が進み、景気は回復基調となりました。一方で、半導体不足や部材価格の高騰等によるサプライチェーンの混乱、ロシア、ウクライナ紛争の長期化及び世界的なインフレ進行等の下振れ懸念により、先行きは不透明な状況が続きました。
わが国経済におきましては、緩やかな持直しの動きが見られたものの、原材料価格の高騰に加え、欧米の政策金利引上げにより急激に円安が進行するなど、景気の先行きに不透明感が強まりました。
こうした状況のなか、海外市場におきましては金融市場及び流通市場ともに、人手不足対応に加え、コンタクトレス・セルフ化ニーズが継続しており、製品・サービスの需要は堅調でありましたが、半導体等の部品調達難に伴う生産影響により主要製品の販売が延伸いたしました。一方で、セルフサービスキオスク関連事業を展開するAcrelec Group S.A.S.及びその子会社と、2021年12月に買収したRevolution Retail Systems, LLCの売上は堅調に推移いたしました。
国内市場につきましても、金融市場及び流通・交通市場ともに半導体等の部品調達難に伴う生産影響による主要製品の販売延伸や、新500円硬貨発行に伴う改造作業の一巡により売上は減少いたしました。一方、製品・サービスの需要につきましては堅調であり、特に流通・交通市場においては、人手不足対応やコンタクトレス・セルフ化ニーズを捉えたセルフ型レジつり銭機の需要は底堅く、売上は前年同期並みの高水準を維持いたしました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、112,142百万円(前年同期比 8.7%増)となりました。このうち、製品及び商品売上高は、63,332百万円(前年同期比 1.1%減)、保守売上高は、48,809百万円(前年同期比 24.8%増)でありました。利益につきましては、入手困難部品を代替部品に置き換える設計変更やサプライチェーンの見直しに加え、価格改定に向けた取組みを実施しておりますが、販売延伸や部材価格高騰によるコスト上昇分を吸収できず、営業損益は、4,711百万円の損失(前年同期は 5,735百万円の利益)、経常損益は、5,359百万円の損失(前年同期は 5,725百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損益は、6,195百万円の損失(前年同期は 2,443百万円の利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(金融市場)
主要製品である「オープン出納システム」及び窓口用「紙幣硬貨入出金機」の売上は、生産影響により販売が延伸したため低調でありました。また、新500円硬貨発行に伴う改造作業の一巡により保守売上も減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は、15,362百万円(前年同期比 13.9%減)、営業損益は、売上の減少及び部材価格高騰等の影響により、1,215百万円の損失(前年同期は 3,196百万円の利益)となりました。
(流通・交通市場)
主要製品である「レジつり銭機」の売上は、生産影響があったものの前年同期並みの高水準を維持することができましたが、警備輸送会社向け「売上金入金機」及び「診療費支払機」につきましては生産影響に伴う販売延伸により低調でありました。加えて、新500円硬貨発行に伴う改造作業が一巡したことにより保守売上も減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は、20,764百万円(前年同期比 11.9%減)、営業損益は、売上の減少及び部材価格高騰等の影響により、584百万円の損失(前年同期は 2,010百万円の利益)となりました。
(遊技市場)
主要製品である「カードシステム」及びホール向け「賞品保管機」等の販売は、低調でありました。
この結果、当セグメントの売上高は、5,228百万円(前年同期比 9.1%減)、営業利益は、プロダクトミックスの改善等により、108百万円(前年同期は 106百万円の損失)となりました。
(海外市場)
米州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<RBGシリーズ>」及び流通市場向け「紙幣硬貨入出金機<CIシリーズ>」の売上は、生産影響による販売延伸があったものの順調に推移いたしました。また、欧州では、主要製品である金融市場向け「紙幣入出金機<RBGシリーズ>」及び流通市場向け「紙幣硬貨入出金機<CIシリーズ>」の売上は、堅調でありました。アジアでも、「紙幣入金整理機<UWシリーズ>」の売上は堅調でありました。
また、Acrelec Group S.A.S.及びその子会社の売上高は9,843百万円(前年同期比16.2%増)であり、2022年3月期の第3四半期連結会計期間より連結の範囲に加えた米国のRevolution Retail Systems, LLCの売上高は8,576百万円でありました。
この結果、当セグメントの売上高は、69,511百万円(前年同期比 26.7%増)、営業損益は、生産影響による販売延伸に加え、部材価格の高騰や物流コストの上昇により、2,431百万円の損失(前年同期は 1,354百万円の利益)となりました。
その他の事業セグメントにつきましては、売上高は、1,274百万円(前年同期比 11.9%増)、営業損益は、589百万円の損失(前年同期は 720百万円の損失)となりました。
また、当第2四半期連結会計期間末における財政状態は、次のとおりであります。
総資産は、前連結会計年度末に比べ13,097百万円増加し、375,925百万円となりました。主な要因は、現金及び預金13,540百万円、受取手形、売掛金及び契約資産7,306百万円の減少、及び、棚卸資産24,347百万円、のれん5,758百万円、顧客関係資産2,790百万円の増加であります。
負債は、前連結会計年度末に比べ14,060百万円増加し、168,283百万円となりました。主な要因は、賞与引当金2,337百万円の減少、及び、短期借入金18,157百万円の増加であります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ962百万円減少し、207,641百万円となりました。主な要因は、為替換算調整勘定15,137百万円の増加、及び、利益剰余金8,262百万円、自己株式7,305百万円の取得による減少であります。
この結果、自己資本比率は54.6%(前連結会計年度末は56.6%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、13,531百万円減少し、38,785百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、16,019百万円の支出となりました(前年同期は8,861百万円の収入)。これは、主に売上債権の減少12,260百万円等の資金の増加があった一方、棚卸資産の増加17,621百万円、税金等調整前四半期純損失5,405百万円等による資金の減少があったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、4,312百万円の支出となりました(前年同期は4,052百万円の支出)。これは、主に製品の製造に係る金型・治工具類にかかる有形固定資産の取得による2,292百万円の支出、ソフトウエア等の無形固定資産の取得による1,128百万円の支出等があったためであります。
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは20,331百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,666百万円の収入となりました(前年同期は8,550百万円の支出)。これは、主に自己株式の取得7,558百万円、配当金の支払い3,575百万円、長期借入れの返済2,001百万円の支出等があった一方、短期借入れによる19,126百万円の収入等があったためであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7,070百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「1.事業等のリスク」に記載のとおりであります。