【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
以下の記載における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況当第1四半期連結累計期間におけるわが国の景気は、新型コロナウイルス感染症拡大による行動制限の緩和が進み、経済活動の正常化による個人消費の持ち直しの動きが見られました。一方、エネルギーコストや原材料価格の高騰に伴う物価上昇や為替変動による影響に加え、世界的な金融引締めによる景気への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような環境の中、当社グループは、「安心・安全」なATMサービス等を提供し続ける社会インフラとしての使命を果たすことに努めてまいりました。人流回帰や資金需要の回復によるATM総利用件数増加などにより、当第1四半期連結累計期間の当社連結業績は、経常収益41,246百万円(前第1四半期連結累計期間比14.9%増)、経常利益7,751百万円(同6.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益5,310百万円(同6.3%増)となりました。なお、セブン銀行単体では、経常収益31,880百万円(前第1四半期累計期間比9.6%増)、経常利益8,575百万円(同12.0%増)、四半期純利益5,732百万円(同8.5%増)となりました。
前第1四半期連結累計期間(百万円)
当第1四半期連結累計期間(百万円)
増減率(%)
経常収益
35,895
41,246
14.9
経常利益
7,300
7,751
6.1
親会社株主に帰属する四半期純利益
4,990
5,310
6.3
セグメント別の概況・業績は、以下のとおりであります。
○国内事業セグメント当第1四半期連結累計期間は、預貯金金融機関の取引件数の増加に加え、当社ATMを利用した各種キャッシュレス決済への現金でのチャージ取引件数が引続き順調に増加したことにより、ATM総利用件数は前年同期を上回る水準で推移いたしました。2023年6月末現在のATM設置台数は26,985台(2022年6月末比2.3%増)、当第1四半期連結累計期間のATM1日1台当たり平均利用件数は104.4件(前第1四半期連結累計期間比4.7%増)、ATM総利用件数は255百万件(同7.1%増)となりました。なお、2023年6月末現在の提携金融機関等は655社(注)、第4世代ATMの入替設置は引続き堅調に進捗し、2023年6月末時点での設置台数は14,637台(2022年6月末比26.6%増)となりました。新型コロナウイルス感染症の影響や個人消費の動向等により、依然として先行き不透明な事業環境が予想されますが、ATMの社会的価値を現金プラットフォームからサービスプラットフォームへと進化させ、社会の変化・お客さまニーズの変化に柔軟に対応したATMプラットフォーム戦略を今後も推進してまいります。(注)JAバンク及びJFマリンバンクについては、業態としてそれぞれ1つとしております。
個人のお客さまの預金口座数は2,826千口座(2022年6月末比9.2%増)と順調に増加し、個人向け預金残高は5,851億円(同4.8%増)、個人向けローンサービスの残高は373億円(同25.9%増)となりました。また、「セブン銀行後払いサービス」の当第1四半期連結累計期間における取扱高は139億円(前第1四半期連結累計期間比31.8%増)となりました。当社は社会の変化に伴い顕在化・深刻化する社会課題解決への貢献をビジネス機会と捉え、これまで培ったノウハウに加え、外部企業とも連携し、さまざまなお客さまのニーズに応じた新たな金融サービスを提供することを目指してまいります。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における国内事業セグメントは、経常収益32,855百万円(前第1四半期連結累計期間比11.2%増)、経常利益8,358百万円(同15.6%増)となりました。
○海外事業セグメント米国における当社連結子会社のFCTI, Inc.は、米国セブン‐イレブン店舗内にATMを設置しており、2023年3月末時点のATM設置台数は8,626台(2022年3月末比0.6%減)となりました。また、FCTI, Inc.の連結対象期間(2023年1~3月)の業績は、低採算ATMの整理による費用削減があったものの、政策金利の上昇に伴う資金調達費用の上昇等により経常収益46.8百万米ドル(前年同期間比4.2%増)、経常損失2.9百万米ドル(前年同期間は0.8百万米ドルの経常利益)、四半期純損失2.4百万米ドル(前年同期間は0.5百万米ドルの四半期純利益)となりました。
インドネシアにおける当社連結子会社PT. ABADI TAMBAH MULIA INTERNASIONALは、現地コンビニエンスストア店舗内へのATM設置を推進しており、2023年3月末時点のATM設置台数は6,166台(2022年3月末比87.7%増)と大幅に増加しております。また、フィリピンにおける当社連結子会社Pito AxM Platform, Inc.は、フィリピン国内のセブン‐イレブン店舗へのATM設置が堅調に推移し、2023年3月末時点のATM設置台数は2,397台(2022年3月末比60.1%増)となっております。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間における海外事業セグメントは、経常収益8,517百万円(前第1四半期連結累計期間比33.8%増)、経常損失606百万円(前年同期間は39百万円の経常利益)となりました。
総資産は1,503,032百万円となりました。このうちATM運営のために必要な現金預け金が1,085,603百万円と過半を占めております。この他、主に為替決済、日本銀行当座貸越取引の担保等として必要な有価証券が105,327百万円、提携金融機関との一時的な立替金であるATM仮払金が122,804百万円となっております。負債は1,249,252百万円となりました。このうち主なものは預金であり、その残高(譲渡性預金を除く)は859,455百万円となっております。なお、個人向け普通預金残高は463,116百万円、定期預金残高は122,029百万円となっております。純資産は253,779百万円となりました。このうち利益剰余金は181,661百万円となっております。
前連結会計年度(百万円)
(A)
当第1四半期連結会計期間(百万円)
(B)
増減(百万円)(B)-(A)
総資産
1,312,273
1,503,032
190,758
負債
1,058,031
1,249,252
191,221
純資産
254,242
253,779
△462
①国内・海外別収支当第1四半期連結累計期間の資金運用収支は、前第1四半期連結累計期間比271百万円増加し1,231百万円、役務取引等収支は同2,340百万円増加し27,722百万円、その他業務収支は同116百万円減少し△15百万円となりました。
種類
期別
国内
海外
相殺消去額(△)
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
資金運用収支
前第1四半期連結累計期間
988
△29
-
959
当第1四半期連結累計期間
1,362
△131
-
1,231
うち資金運用収益
前第1四半期連結累計期間
1,111
4
-
1,116
当第1四半期連結累計期間
1,427
48
-
1,475
うち資金調達費用
前第1四半期連結累計期間
122
34
-
157
当第1四半期連結累計期間
64
180
-
244
役務取引等収支
前第1四半期連結累計期間
22,876
2,506
-
25,382
当第1四半期連結累計期間
24,552
3,170
-
27,722
うち役務取引等収益
前第1四半期連結累計期間
28,332
6,251
△6
34,578
当第1四半期連結累計期間
30,846
8,440
-
39,286
うち役務取引等費用
前第1四半期連結累計期間
5,456
3,744
△6
9,195
当第1四半期連結累計期間
6,294
5,269
-
11,564
その他業務収支
前第1四半期連結累計期間
59
40
-
100
当第1四半期連結累計期間
13
△28
-
△15
うちその他業務収益
前第1四半期連結累計期間
59
40
-
100
当第1四半期連結累計期間
13
-
△13
-
うちその他業務費用
前第1四半期連結累計期間
-
-
-
-
当第1四半期連結累計期間
-
28
△13
15
(注)1.「国内」とは、当社及び国内に本店を有する連結子会社(以下、「国内連結子会社」という。)であります。
2.「海外」とは、海外に本店を有する連結子会社(以下、「海外連結子会社」という。)であります。
3.特定取引収支はありません。
4.「相殺消去額」には、「国内」、「海外」間の内部取引の相殺消去額等を記載しております。
5.前第3四半期連結累計期間より、一部の海外連結会社において従来役務取引等費用に計上しておりました費用を営業経費に計上しております。また、当第1四半期連結累計期間より、一部の海外連結子会社において従来営業経費に計上しておりました費用を、役務取引等費用として計上しております。これらは、当該海外連結子会社の事業規模の拡大に伴い、より取引を適切に反映した連結財務諸表の開示を行うために表示方法の変更を行ったものであります。この表示方法の変更を反映させるため、前第1四半期連結累計期間については計数の組替えを行っております。 詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
②国内・海外別役務取引の状況当第1四半期連結累計期間の役務取引等収益は、ATM関連業務36,032百万円及び為替業務864百万円等により合計で前第1四半期連結累計期間比4,708百万円増加し39,286百万円となりました。役務取引等費用は、ATM関連業務10,055百万円及び為替業務418百万円等により合計で同2,368百万円増加し11,564百万円となりました。
種類
期別
国内
海外
相殺消去額(△)
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
役務取引等収益
前第1四半期連結累計期間
28,332
6,251
△6
34,578
当第1四半期連結累計期間
30,846
8,440
-
39,286
うち預金・貸出業務
前第1四半期連結累計期間
54
-
-
54
当第1四半期連結累計期間
56
-
-
56
うち為替業務
前第1四半期連結累計期間
777
-
-
777
当第1四半期連結累計期間
864
-
-
864
うちATM関連業務
前第1四半期連結累計期間
25,570
6,225
-
31,795
当第1四半期連結累計期間
27,610
8,422
-
36,032
役務取引等費用
前第1四半期連結累計期間
5,456
3,744
△6
9,195
当第1四半期連結累計期間
6,294
5,269
-
11,564
うち為替業務
前第1四半期連結累計期間
342
-
-
342
当第1四半期連結累計期間
418
-
-
418
うちATM関連業務
前第1四半期連結累計期間
4,458
3,517
-
7,976
当第1四半期連結累計期間
5,067
4,988
-
10,055
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.前第3四半期連結累計期間より、一部の海外連結子会社において従来役務取引等費用に計上しておりました費用を営業経費に計上しております。また、役務取引等費用のうちその他の役務費用に計上していた費用を、ATM関連業務に区分掲記しております。加えて、当第1四半期連結累計期間より、一部の海外子会社において従来営業経費に計上しておりました費用を、区分掲記しているATM設置支払手数料として計上しております。これらは、当該海外連結子会社の事業規模の拡大に伴い、取引をより適切に反映した連結財務諸表の開示を行うために表示方法の変更を行ったものであります。この表示方法の変更を反映させるため、前第1四半期連結累計期間については計数の組替を行ったおります。 詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (表示方法の変更)」をご参照ください。
③国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種類
期別
国内
海外
相殺消去額(△)
合計
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
金額(百万円)
預金合計
前第1四半期連結会計期間
824,489
-
-
824,489
当第1四半期連結会計期間
859,455
-
-
859,455
うち流動性預金
前第1四半期連結会計期間
596,012
-
-
596,012
当第1四半期連結会計期間
631,034
-
-
631,034
うち定期性預金
前第1四半期連結会計期間
228,366
-
-
228,366
当第1四半期連結会計期間
228,284
-
-
228,284
うちその他
前第1四半期連結会計期間
110
-
-
110
当第1四半期連結会計期間
136
-
-
136
譲渡性預金
前第1四半期連結会計期間
300
-
-
300
当第1四半期連結会計期間
650
-
-
650
総合計
前第1四半期連結会計期間
824,789
-
-
824,789
当第1四半期連結会計期間
860,105
-
-
860,105
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
3.流動性預金=普通預金
4.定期性預金=定期預金
④国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別
前第1四半期連結会計期間
当第1四半期連結会計期間
金額(百万円)
構成比(%)
金額(百万円)
構成比(%)
国内
29,637
100.00
37,341
100.00
個人
29,637
100.00
37,341
100.00
その他
-
-
-
-
海外
-
-
0
100.00
個人
-
-
0
100.00
その他
-
-
-
-
合計
29,637
-
37,342
-
(注)1.「国内」とは、当社及び国内連結子会社であります。
2.「海外」とは、海外連結子会社であります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定、経営方針・経営戦略等、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定、経営方針・経営戦略等、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた問題はありません。なお、重要な会計上の見積りの詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」をご参照ください。
(3)研究開発活動該当事項はありません。
(4)従業員数当第1四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数に著しい増減はありません。
(5)主要な設備当第1四半期連結累計期間において、主要な設備に重要な異動はありません。また、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備計画に著しい変更はありません。