【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループは、主として機器・備品・消耗品等を卸売形態で販売する事業を営んでおります。この他、WEB購買業務代行事業がありますが、重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。このため報告セグメントは一つのため、セグメント別の記載を省略しております。文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態の状況2023年6月30日より新たな連結子会社が1社加わり、連結貸借対照表の総資産ベースにおいて16億円程度加算されております。
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、942億28百万円(前連結会計年度末比32億50百万円減)となりました。このうち流動資産は、591億87百万円(同34億72百万円減)となりました。これは、主として受取手形及び売掛金と電子記録債権を合わせて17億58百万円減少したこと、現金及び預金が11億66百万円減少したこと、有価証券が7億98百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は、350億40百万円(同2億21百万円増)となりました。これは、主として時価のある投資有価証券の変動等により投資有価証券が3億24百万円減少した一方、新たな物流拠点である阪神DC等の設備投資等により建物及び構築物が2億31百万円、その他の有形固定資産のうち工具・器具及び備品が1億14百万円増加し、上記連結対象会社の追加により土地が2億14百万円増加したこと等によるものです。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、298億47百万円(同36億63百万円減)となりました。このうち流動負債は、239億60百万円(同33億44百万円減)となりました。これは、主として支払手形及び買掛金が14億71百万円減少したこと、未払法人税等が6億45百万円減少したこと、短期借入金が6億41百万円減少したこと等によるものであります。固定負債は、58億87百万円(同3億18百万円減)となりました。これは、主として阪神DCの開設により資産除去債務が3億34百万円増加したことやその他の固定負債が2億36百万円増加した一方で、長期借入金が4億79百万円減少したこと、繰延税金負債が3億53百万円減少したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、643億80百万円(同4億12百万円増)となりました。これは、主として利益剰余金が12億64百万円増加した一方、その他有価証券評価差額金が10億42百万円減少したこと等によるものであります。
(2)経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年9月30日、以下「当第2四半期」という)におけるわが国経済は、大企業を中心に賃上げが進みつつあることや、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けの変更などから経済活動の再開が進み、個人消費や設備投資などの持ち直しが見られた一方で、円安の進行や中国経済の変調がありました。今後についても、金利動向や地政学リスクなどから予断を許さない状況が続いております。
このような事業環境のもと、当第2四半期の連結売上高は、441億13百万円(前年同四半期比3.6%増)となりました。売上高増加要因としては、当社の主たるマーケットである研究や生産の現場において前年に引き続き需要が活発であり、WEB上の取扱商品が前年同四半期末比約270万点増加し1,000万点を超えたことと、eコマース関連を始めとした顧客のすそ野が広がっていることとの相乗効果でロングテール商品の売上が拡大していることが挙げられます。これらにより、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けの変更に伴う感染対策用品の需要調整を補うことができました。
収益性については、調達コストの上昇と並行して機動的なプライシングを実施することで、売上総利益率は前年同四半期と概ね同水準で推移しております。
販売費及び一般管理費については、売上高1,000億円の先を見据えた新物流拠点である阪神DCの開設等により不動産賃借料等の増加があり、88億47百万円(同9.7%増)となりました。その他の経費に関しては、人材投資の一環として実施している賃上げによる人件費の増加があるものの、配送費等の削減等により計画対比では抑制気味に推移しております。
この結果、営業利益は49億74百万円(同6.7%減)、経常利益は51億67百万円(同3.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は35億50百万円(同3.5%減)となりました。前年同四半期比で減益となりましたが、阪神DC開設の初年度であり、固定費が一時的な負担となったことによるものです。利益計画に対しては、それぞれ7%程度の上振れの結果となりました。
部門別の状況及び中期経営計画主要売上施策の進捗状況は以下のとおりです。<部門別の状況>部門別の売上高は以下のとおりとなりました。
部門
前第2四半期連結累計期間(自
2022年4月1日
至
2022年9月30日)(百万円)
当第2四半期連結累計期間(自
2023年4月1日
至
2023年9月30日)(百万円)
前年同四半期比(%)
同期間計画比(%)
ラボ・インダストリー部門
33,306
35,902
107.8
101.5
ラボラトリー分野
24,660
26,777
108.6
101.9
インダストリー分野
8,645
9,125
105.5
100.3
メディカル部門
9,033
7,930
87.8
87.8
その他
257
280
108.8
99.0
合計
42,597
44,113
103.6
98.7
<ラボ・インダストリー部門>大学、研究機関及び企業の研究部門等を対象とするラボラトリー分野では、前年度末の一時的買い控えから一転、新年度予算執行に伴い、ペーパータオル等のラボ用消耗品、ピペット等の分析器具、分析装置等の売上が伸長しました。また、チャネルとしては集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が前年同四半期比12.9%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は267億77百万円(同8.6%増)と堅調に推移しました。なお、6月30日より新たな連結子会社が加わり7月以降の当分野の売上に1.6%程度プラスに寄与しております。また、製造現場等を対象とするインダストリー分野では、個人消費の持ち直しや供給制約の緩和などから工場稼働率の改善が見られ、クリーンルーム消耗品、計測機器等の売上が伸びました。チャネルとしては、同じく集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高が同14.2%増と当分野の成長を牽引しました。これらにより当分野の売上高は91億25百万円(同5.5%増)となりました。この結果、当部門の当第2四半期の売上高合計は359億2百万円(同7.8%増)となりました。
<メディカル部門>医療機関や介護施設等を対象とするメディカル部門では、新型コロナウイルス感染症の法的位置付けが第5類に移行し、感染対策用品を中心とした需要動向に変調が見られました。前年の7月~9月にかけてはコロナ禍の第7波が流行したのに対し、当第2四半期には政府や自治体における備蓄医療用物資の放出が加わり、反動減を余儀なくされました。一方、新規開業や設備更新に伴う収納什器やベッド類の売上は増加を示しております。また、集中購買システム及びネット通販事業者向けの売上高は、まだ少額ながら同18.0%増とeコマースチャネルでの売上獲得が進みました。この結果、当部門の当第2四半期の売上高は79億30百万円(同12.2%減)となりました。
<その他>子会社の株式会社トライアンフ・ニジュウイチは「OffSide」システム等により理化学機器・消耗品等のWEB購買業務代行サービスやシステム提供を行っております。顧客のシステム利用の増加等に伴い、当部門の当第2四半期の売上高は2億80百万円(同8.8%増)となりました。
<中期経営計画-PROJECT ONE ver.2.0-における主要売上施策の進捗状況>中期経営計画で掲げる主要売上施策は以下のとおり推移しました。
前第2四半期連結累計期間(自
2022年4月1日至
2022年9月30日)(百万円)
当第2四半期連結累計期間(自
2023年4月1日至
2023年9月30日)(百万円)
前年同四半期比(%)
同期間計画比(%)
eコマース
11,246
12,898
114.7
98.9
海外事業
※
2,234
2,327
104.2
93.6
合計
13,481
15,225
112.9
98.1
※海外事業の7割前後は中国現地法人の売上ですが、現地法人事業年度が1~12月のため、第2四半期連結累計期間には現地における1~6月の売上高を連結しております。
eコマースについては、ネット通販事業者向けや「AXEL Shop」等のオープンサイト系ECチャネルで、特にネット通販事業者向けにおいて掲載商品の拡大や各種連携により、当第2四半期の売上高は前年同四半期比11.3%の増収となりました。一方、大手ユーザー向け集中購買システム「ocean」や販売店支援型ECシステム「Wave」といったクローズドサイト系ECチャネルにおいては、新規アカウントの増加、掲載商品の拡大、顧客側での研究施設拡充等により既存接続先の利用拡大が進んでいること等により、当第2四半期の売上高は同18.0%の増収となりました。海外事業のうち中国については、経済の停滞が懸念されるものの、ラインナップの充実や日本製バイオ関連装置の販促活動が奏功し同4.1%の増収となりました(現地通貨ベースでは同1.4%増)。一方、日本からの海外への輸出(中国を除く)においては、多言語サイトの「AXEL_GLOBAL」や「Wave_GLOBAL」に掲載する取扱商品を約240万点に拡大した上、掲載情報の拡充に取り組んでおり、また、渡航再開に伴い現地販売店とのコミュニケーション強化を図って販促活動に注力してまいりました。一方、前年までODA関連で感染対策品の輸出が伸びていましたが、案件減少の影響を受けました。これらにより海外への輸出は、同0.3%の増収となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、財務活動による資金支出及び投資活動による資金支出が営業活動による資金収入を上回り、前連結会計年度末に比べ11億50百万円減少し、126億71百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、39億45百万円の資金収入で、前第2四半期連結累計期間に比べ収入が13億88百万円増加しました。これは、主として棚卸資産の増減額による支出が22億70百万円減少したこと、仕入債務の増減額による支出が12億34百万円減少したこと等により資金支出が減少した一方、売上債権の増減額による収入が17億90百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、15億3百万円の資金支出で、前第2四半期連結累計期間に比べ支出が52百万円減少しました。これは、主として投資有価証券の償還による収入が15億円発生した一方、投資有価証券の取得による支出が8億84百万円増加したこと、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が4億18百万円発生したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは36億62百万円の資金支出で、前第2四半期連結累計期間に比べ支出が1億75百万円増加しました。これは、主として自己株式の取得による支出が6億99百万円減少した一方、長期借入金の返済による支出が5億84百万円増加したこと、配当金の支払額が2億98百万円増加したこと等によるものであります。
(4)研究開発活動当第2四半期連結累計期間においては、新商品の開発を中心に研究開発活動のため4百万円を計上いたしました。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。