【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、株式会社京都セミコンダクターとの企業結合について、前連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理を行っておりましたが、当第3四半期連結会計期間に確定したため、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定の内容を反映した金額を用いております。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループの業績は、事業環境は厳しい中でもコンシューマーIT製品ハイエンドモデル向けに高付加価値製品の貢献が続いたことに加え、為替が円安に推移したことなどにより、売上高は87,227百万円(前年同期比21.0%増)、営業利益は29,300百万円(前年同期比41.5%増)となりました。
経常利益は、為替差損の増加などにより、27,214百万円(前年同期比40.7%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、18,646百万円(前年同期比46.7%増)となりました。
各セグメントの業績、ならびに製品カテゴリー別の売上状況は以下のとおりです。
なお、当社は前連結会計年度末日をみなし取得日として株式会社京都セミコンダクターを連結の範囲に含めております。報告セグメントは、同社事業の光半導体カテゴリーを電子材料部品事業として新たに追加しております。
a.光学材料部品事業
当第3四半期連結累計期間においては、光学フィルムカテゴリーでは、反射防止フィルムにおいてノートPC用ディスプレイ向け製品は前年同期並みの売上高であったものの、車載ディスプレイ向け製品は数量増により売上高が増加したことに加えて、蛍光体フィルムではノートPC向け製品の貢献により、増収増益となりました。
また、光学樹脂材料カテゴリーでは、主に精密接合用樹脂において大手スマートフォン向けが増加したことにより、増収増益となりました。
この結果、売上高は46,111百万円(前年同期比27.2%増)、営業利益は16,279百万円(前年同期比67.7%増)となりました。
b.電子材料部品事業
当第3四半期連結累計期間においては、異方性導電膜(ACF)カテゴリーでは、スマートフォンのハイエンドモデルにおいてディスプレイ向け粒子整列型ACFが堅調に推移したほか、カメラ等の各種センサーモジュールの実装用途での販売が拡大したことにより、増収増益となりました。
また、表面実装型ヒューズカテゴリーでは、ノートPC向けにおいて顧客の在庫調整に伴う数量減により減収減益となりました。マイクロデバイスカテゴリーでは、プロジェクター需要の回復に加えて当社製品採用モデルの好調により増収増益となりました。
この結果、売上高は41,674百万円(前年同期比15.0%増)となり、営業利益は14,362百万円(前年同期比16.3%増)となりました。
(注)セグメントの売上高にはセグメント間取引が含まれており、各セグメントの営業利益の合計と連結営業
利益の差異はのれん償却額に相当します。
②財政状態の状況
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における資産合計は125,762百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,022百万円の減少となりました。
流動資産は62,654百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,431百万円の減少となりました。その主な要因は、原材料及び貯蔵品が835百万円、その他(流動資産)が427百万円それぞれ増加した一方で、現金及び預金が3,818百万円減少したことであります。
固定資産は63,108百万円となり、前連結会計年度末に比べ590百万円の減少となりました。その主な要因は、建設仮勘定が4,240百万円増加した一方で、のれんが1,712百万円、建物及び構築物が1,562百万円、土地が1,110百万円それぞれ減少したことであります。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末における負債合計は53,744百万円となり、前連結会計年度末に比べ10,464百万円の減少となりました。
流動負債は35,660百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,142百万円の減少となりました。その主な要因は、短期借入金が4,500百万円、未払法人税等が3,445百万円、その他(流動負債)が3,795百万円それぞれ減少したことであります。
固定負債は18,083百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,678百万円の増加となりました。その主な要因は、長期借入金が3,210百万円、その他(固定負債)が418百万円それぞれ増加したことであります。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は72,018百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,442百万円の増加となりました。その主な要因は、利益剰余金が14,890百万円、自己株式が8,463百万円、繰延ヘッジ損益が572百万円、為替換算調整勘定が492百万円それぞれ増加したことであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において当社グループが対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発活動の金額は、3,207百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当社企業グループの主な資金需要は、運転資金及び設備資金等であります。これらの資金につきましては、
営業活動による収入のほか、安定的な支払能力を確保するため、資金繰りの状況や金融情勢を勘案し、銀行からの借入れにより調達しております。 今後も、市場のグローバル化や成長市場における事業強化などへの対応を含め、国内外における設備投資、出資などについても長期的な視野で資金需要を認識しております。 なお、当第3四半期連結会計期間末における借入金の残高は、21,355百万円となっております。また、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、25,545百万円となっております。