【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
中期3カ年経営計画「MOVE 70」の2年目となる当社グループでは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、4つの3年後のあるべき姿を掲げ、これらの実現に向けた戦略の実行と各種施策への取り組みに注力しております。
①強みを活かした国内事業の収益基盤拡充
②将来の成長をけん引する海外事業の収益基盤確立
③国内・海外の成長を加速する経営基盤の強化
④ESG経営の推進
当第2四半期連結累計期間につきましては、新型コロナウイルス感染症の分類が5類感染症へと移行し、事業活動並びに消費活動が回復するなか、国内事業ではクレジット事業を筆頭に各マーケットニーズに合致した施策を展開し、取扱高が好調に推移しました。海外事業では、ベトナムでの四輪及び二輪市場の低迷が続いておりますが、インドネシア、カンボジア、フィリピンでの市場の回復や新規加盟店開拓、営業エリアの拡大により、取扱高は増加しました。この結果、連結取扱高は2兆9,910億5百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
連結営業収益は、取扱高の増加に加え、割賦利益繰延残高と信用保証残高の積み上げにより増加しました。また、資金調達手段の多様化を図る観点から債権流動化を実施したことで債権譲渡益が発生し、金融収益が増加しました。これにより連結営業収益は、922億8百万円(前年同期比8.1%増)となりました。
連結営業費用は、総債権残高の拡大により貸倒関連費用が増加、取扱高の拡大に伴い金融費用が増加し、737億88百万円(前年同期比7.1%増)となりました。
以上の結果、連結経常利益は183億41百万円(前年同期比11.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は123億10百万円(前年同期比10.8%増)となりました。
セグメント業績の概要は、次のとおりであります。
「国内事業」
(クレジット事業)
ショッピングクレジットは、底堅い需要のある高級腕時計や二輪、美容医療市場が成長しているメディカルにおいて各種施策を継続した結果、取扱高が増加しました。また、住宅関連商品においても部材供給遅延の緩和に応じて施策を展開したことで、居住用ソーラーと住宅リフォームが堅調に推移しました。しかしながら、後払い決済サービスの終了に伴う影響により営業収益は減少しました。
オートローンは、大型中古車販売店の取扱高が低迷するも、地域の中古車販売店や供給遅延が緩和された新車の輸入車マーケットに対して施策を展開したことにより、取扱高が増加しました。営業収益は、割賦利益繰延残高からの戻し入れにより増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(カード・ペイメント事業)
カードショッピングは、大型提携先での利用が好調に推移したことに加え、旅行や外出の機会が増え、消費マインドも回復したことで取扱高及び営業収益が増加しました。
カードキャッシングは、新規会員の拡大によるカード会員数の増加と経済活動の活性化に伴う資金需要の回復により取扱高が増加しましたが、キャッシング残高の減少により営業収益は減少しました。
家賃保証は、主要提携先を中心とした安定的な取引の継続と前年度に契約した新規提携先の上積みにより取扱高及び営業収益が増加しました。
集金代行は、既存の主力提携先による請求件数の拡大と新規提携先の拡大により取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(ファイナンス事業)
投資用マンション向け住宅ローン保証は、提携先の販売戸数拡大と施策の展開による当社シェアの回復により取扱高が増加しました。営業収益は、保証残高の積み上げにより増加しました。
銀行個人ローン保証は、主力のマイカーローンにおいてマーケットニーズに合致した施策を展開したことで取扱高が増加しましたが、高保証率商品の保証残高減少や代位弁済の発生減少に伴う平均保証料率低下の影響を受け、営業収益は横ばいとなりました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(その他の事業)
その他の事業では、事業資金融資の需要拡大により取扱高及び営業収益が増加しました。オートリースは、市場の回復に加え、重点先を中心とした加盟店の攻略により取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高が増加しましたが、その他営業収入等の落ち込みにより営業収益は減少しました。
以上の結果、国内事業におけるセグメント取扱高は2兆9,464億58百万円(前年同期比10.3%増)、セグメント営業収益は796億68百万円(前年同期比6.7%増)、セグメント利益は182億70百万円(前年同期比22.7%増)となりました。
「海外事業」
(クレジット事業)
ベトナムでは、四輪及び二輪市場の低迷と競合他社の攻勢が続き、取扱高が減少しました。営業収益は、営業債権残高の積み上げにより増加しました。
インドネシアでは、未収債権の増加抑制のため新車の与信厳格化を実施している影響で四輪の取扱高は減少しましたが、主力商品である四輪中古車での営業債権残高の積み上げ並びに二輪市場の回復により取扱高及び営業収益が増加しました。
カンボジア、フィリピンでは、新規加盟店開拓と営業エリア拡大に注力した結果、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高は横ばいとなりましたが、営業収益は増加しました。
(カード・ペイメント事業)
ベトナムで展開するカード事業は、新規会員の継続した獲得により在籍会員数が増加し、優良顧客を対象に利用限度額の引き上げ等の施策を行いました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(その他の事業)
ベトナムで展開する個人向け無担保ローンは、目的ローンの推進強化により取扱高及び営業収益が増加しました。
インドネシアで展開するリースは、市場が回復し、取扱高は増加しましたが、リース残高が減少した影響で営業収益は減少しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
以上の結果、海外事業におけるセグメント取扱高は445億47百万円(前年同期比6.8%増)、セグメント営業収益は126億5百万円(前年同期比18.1%増)、セグメント利益は5億79百万円(前年同期比60.6%減)となりました。
連結セグメント別取扱高
セグメントの
名称
(内訳)
前第2四半期連結累計期間
(自
2022年4月1日
至
2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自
2023年4月1日
至
2023年9月30日)
前年同期比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内
クレジット
777,133
29.1
872,733
29.6
12.3
カード・ペイメント
1,379,773
51.6
1,418,421
48.2
2.8
ファイナンス
306,811
11.5
374,942
12.7
22.2
その他
208,758
7.8
280,360
9.5
34.3
国内計
2,672,477
100.0
2,946,458
100.0
10.3
海外
クレジット
37,214
89.3
37,144
83.4
△0.2
カード・ペイメント
374
0.9
682
1.5
82.1
その他
4,104
9.8
6,720
15.1
63.7
海外計
41,693
100.0
44,547
100.0
6.8
合計
2,714,171
-
2,991,005
-
10.2
連結セグメント別営業収益
セグメントの
名称
(内訳)
前第2四半期連結累計期間
(自
2022年4月1日
至
2022年9月30日)
当第2四半期連結累計期間
(自
2023年4月1日
至
2023年9月30日)
前年同期比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内
クレジット
30,820
41.3
31,656
39.7
2.7
カード・ペイメント
21,276
28.5
21,550
27.1
1.3
ファイナンス
15,244
20.4
17,426
21.9
14.3
その他
6,862
9.2
6,651
8.3
△3.1
事業収益計
74,203
99.4
77,284
97.0
4.2
金融収益
440
0.6
2,383
3.0
440.5
国内計
74,644
100.0
79,668
100.0
6.7
海外
クレジット
7,528
70.5
9,077
72.0
20.6
カード・ペイメント
94
0.9
117
1.0
24.6
その他
2,850
26.7
3,305
26.2
16.0
事業収益計
10,473
98.1
12,500
99.2
19.4
金融収益
199
1.9
104
0.8
△47.6
海外計
10,672
100.0
12,605
100.0
18.1
国内・海外事業収益計
84,676
99.2
89,785
97.3
6.0
国内・海外金融収益計
640
0.8
2,488
2.7
288.4
合計
85,317
100.0
92,273
100.0
8.2
(注)セグメント間の内部営業収益又は振替高は記載しておりません。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間の資産は、前連結会計年度に比べ2,181億39百万円増加し、3兆7,938億71百万円となりました。
これは、割賦売掛金、現金及び預金、未収入金の増加等によるものであります。
(負債)
当第2四半期連結会計期間の負債は、前連結会計年度に比べ2,014億27百万円増加し、3兆5,665億54百万円となりました。
これは、債権流動化借入金等有利子負債、支払手形及び買掛金の増加等によるものであります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度に比べ167億11百万円増加し、2,273億17百万円となりました。
これは、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定、非支配株主持分の増加等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ330億20百万円増加し、1,952億59百万円となりました。
各事業活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は1,240億3百万円(前年同期は743億63百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前四半期純利益185億31百万円、仕入債務の増加額160億73百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額1,450億56百万円、未収入金の増加額175億99百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は30億31百万円(前年同期は50億26百万円の使用)となりました。収入の主な内訳は、投資有価証券の売却による収入8億18百万円であり、支出の主な内訳は、有形及び無形固定資産の取得による支出37億69百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、獲得した資金は1,588億87百万円(前年同期は915億9百万円の獲得)となりました。収入の主な内訳は、債権流動化借入れによる収入2,007億84百万円、長期借入れによる収入1,257億48百万円、社債の発行による収入290億円であり、支出の主な内訳は、債権流動化借入金の返済による支出1,316億57百万円、長期借入金の返済による支出717億45百万円であります。
(4)優先的に対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
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