【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
中期3カ年経営計画「MOVE 70」の2年目となる当社グループでは、持続的な成長と企業価値向上を目指し、長期ビジョンである「アジアのコンシューマーファイナンスカンパニーとしてトップブランドを確立する」の実現に向け、経営体質のさらなる強化に取り組んでおります。また、本中期経営計画では4つの3年後のあるべき姿を掲げ、これらの実現に向けた戦略の実行と各種施策への取り組みに注力しております。
①強みを活かした国内事業の収益基盤拡充
②将来の成長をけん引する海外事業の収益基盤確立
③国内・海外の成長を加速する経営基盤の強化
④ESG経営の推進
当第1四半期連結累計期間につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行したことで社会経済活動が正常化へと向かい、国内事業では各事業(クレジット、カード・ペイメント、ファイナンス)戦略等が功を奏し、取扱高が好調に推移しました。海外事業では、ベトナムで四輪・二輪市場が低迷するなど経済活動に弱さが見え始めている一方、インドネシア、カンボジア、フィリピンにおいては、コロナ禍からの景気回復により営業活動を強化し、取扱高が増加しました。この結果、連結取扱高は1兆5,191億24百万円(前年同期比12.9%増)となりました。
連結営業収益は、取扱高の増加に加え、割賦利益繰延残高と信用保証残高の積み上げにより増加しました。また、当会計期間において資金調達手段の多様化を図る観点から債権流動化を実施したことで債権譲渡益が発生し、金融収益が増加しました。これにより連結営業収益は、466億62百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
連結営業費用は、金融費用の増加を主因に355億8百万円(前年同期比6.3%増)となりました。
以上の結果、連結経常利益は111億39百万円(前年同期比24.4%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は76億55百万円(前年同期比26.4%増)となりました。
セグメント業績の概要は、次のとおりであります。
「国内事業」
(クレジット事業)
ショッピングクレジットは、消費マインドの回復により高級腕時計の購入が増え、さらに施策の展開によりメディカルローンの利用が拡大し、取扱高が増加しました。また、前年まで部材供給不足の影響を受けた住宅関連商品においては、供給遅延の改善によりリフォームローンが堅調に推移しました。営業収益は、割賦利益繰延残高からの戻し入れの影響で僅かに減少しました。
オートローンは、新車の供給遅延が緩和し始めたことで、輸入車の取扱高が増加しました。また、大手中古車販売店及び地域中古車販売店においては、各種施策の展開により取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(カード・ペイメント事業)
カードショッピングは、外出機会の増加により消費マインドが回復し、さらに前年リリースした提携カードを中心に会員数が増加したことで取扱高及び営業収益が増加しました。
カードキャッシングは、経済活動の活性化に伴う資金需要の回復とカード会員数の増加により取扱高が増加しましたが、キャッシング残高の減少を留めるまでには至らず営業収益は減少しました。
家賃保証は、前年度に契約した提携先からの上積みや主要提携先を中心とした安定取引により取扱高及び営業収益が増加しました。
集金代行は、提携先による請求件数の拡大により取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(ファイナンス事業)
投資用マンション向け住宅ローンは、提携先の販売戸数が堅調に推移したことに加え、当社シェアが徐々に回復してきたことにより取扱高及び営業収益が増加しました。
銀行個人ローン保証は、新車の納期遅延で低迷した主力商品のマイカーローンが回復し、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(その他の事業)
その他の事業では、事業資金融資の需要拡大により取扱高及び営業収益が増加しました。オートリースは、新車の供給遅延が改善されたことで市場が回復し、取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高が増加しましたが、その他営業収入等の落ち込みにより営業収益は減少しました。
以上の結果、国内事業におけるセグメント取扱高は1兆4,961億34百万円(前年同期比12.9%増)、セグメント営業収益は405億57百万円(前年同期比8.7%増)、セグメント利益は111億48百万円(前年同期比36.7%増)となりました。
「海外事業」
(クレジット事業)
ベトナムでは、四輪及び二輪市場が低迷し、さらに競合他社の攻勢も重なり取扱高が減少しました。営業収益は、営業債権残高の積み上げにより増加しました。
インドネシア、カンボジア、フィリピンでは、経済活動の正常化が一段と進み、営業エリアの拡大や加盟店開拓に注力したことにより取扱高及び営業収益が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(カード・ペイメント事業)
ベトナムで展開するカード事業は、個人消費の回復を受け、利用限度額の引き上げや会員獲得体制の強化を図ったことで会員数が増加しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
(その他の事業)
ベトナムで展開する個人向け無担保ローンは、個人消費が低迷した前年からの反動に加え、目的ローンの推進強化により取扱高及び営業収益が増加しました。
インドネシアで展開するリースは、市場の回復を受け取扱高が増加しましたが、リース残高の減少を留めるまでには至らず営業収益は減少しました。
この結果、当事業の取扱高及び営業収益が増加しました。
以上の結果、海外事業におけるセグメント取扱高は229億90百万円(前年同期比16.6%増)、セグメント営業収益は61億35百万円(前年同期比22.7%増)となりましたが、金融費用及び貸倒関連費用の増加を主因にセグメント利益は3億79百万円(前年同期比48.8%減)となりました。
連結セグメント別取扱高
セグメントの
名称
(内訳)
前第1四半期連結累計期間
(自
2022年4月1日
至
2022年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自
2023年4月1日
至
2023年6月30日)
前年同期比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内
クレジット
376,700
28.4
437,856
29.3
16.2
カード・ペイメント
686,106
51.7
704,598
47.1
2.7
ファイナンス
152,073
11.5
194,790
13.0
28.1
その他
110,881
8.4
158,888
10.6
43.3
国内計
1,325,763
100.0
1,496,134
100.0
12.9
海外
クレジット
17,656
89.5
19,122
83.2
8.3
カード・ペイメント
165
0.8
328
1.4
98.3
その他
1,902
9.7
3,540
15.4
86.0
海外計
19,724
100.0
22,990
100.0
16.6
合計
1,345,487
-
1,519,124
-
12.9
連結セグメント別営業収益
セグメントの
名称
(内訳)
前第1四半期連結累計期間
(自
2022年4月1日
至
2022年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自
2023年4月1日
至
2023年6月30日)
前年同期比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
国内
クレジット
15,232
40.8
15,603
38.5
2.4
カード・ペイメント
10,619
28.5
10,725
26.5
1.0
ファイナンス
7,564
20.3
8,615
21.2
13.9
その他
3,505
9.4
3,261
8.0
△6.9
事業収益計
36,920
99.0
38,205
94.2
3.5
金融収益
375
1.0
2,351
5.8
525.7
国内計
37,296
100.0
40,557
100.0
8.7
海外
クレジット
3,527
70.6
4,380
71.4
24.2
カード・ペイメント
44
0.9
56
0.9
25.8
その他
1,371
27.4
1,656
27.0
20.7
事業収益計
4,944
98.9
6,092
99.3
23.2
金融収益
56
1.1
43
0.7
△24.3
海外計
5,001
100.0
6,135
100.0
22.7
国内・海外事業収益計
41,864
99.0
44,298
94.9
5.8
国内・海外金融収益計
432
1.0
2,394
5.1
453.3
合計
42,297
100.0
46,693
100.0
10.4
(注)セグメント間の内部営業収益又は振替高は記載しておりません。
(2)財政状態の分析
(資産)
当第1四半期連結会計期間の資産は、前連結会計年度に比べ871億19百万円増加し、3兆6,628億51百万円となりました。
これは、割賦売掛金、現金及び預金の増加等によるものであります。
(負債)
当第1四半期連結会計期間の負債は、前連結会計年度に比べ790億18百万円増加し、3兆4,441億45百万円となりました。
これは、長期借入金等有利子負債の増加等によるものであります。
(純資産)
当第1四半期連結会計期間の純資産は、前連結会計年度に比べ81億円増加し、2,187億6百万円となりました。
これは、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、非支配株主持分の増加等によるものであります。
(3)優先的に対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
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