【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、各種感染症対策や新しい生活様式の定着、段階的な緩和措置により、経済活動は緩やかに持ち直しつつあり、5類移行に伴う大幅な制限緩和を見越した観光分野を中心とした社会経済活動の回復の兆しが見られました。一方で終わりの見えないウクライナ情勢や急激な為替変動による影響、諸物価全般の上昇、半導体の不足、金融市場の変動等、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社を取り巻く環境においては、防災分野において、前期に引き続き「緊急防災・減災事業債」における地方交付税措置が、当初令和2年度までとされていたことに伴い、防災案件が2021年3月期までに集中したことによる反動に加え、半導体不足の影響によるメーカーの入札控え等により防災案件の売上が第2四半期までは低調に推移したものの、第3四半期以降、半導体不足も解消傾向が見られ、売上も回復の兆しが見られました。また、コロナ禍に伴う企業のテレワーク、学校のオンライン授業における e ラーニング教材・動画等のナレーション作成用途での「AITalk® 声の職人®」、「AITalk® 声プラス®」等のパッケージ製品の需要については落ち着きが見られ、期初計画を大幅に下回って推移したものの、年度末のキャンペーンにおいては堅調に推移し、パッケージ製品への底堅い需要が見られました。コンシューマー向け製品においては「A.I.VOICE®」シリーズの新キャラクターのリリースが一部来期へ後ろ倒しとなったことから大型の新規キャラクターがリリースされた前事業年度と比較して低調に推移しました。その結果、当事業年度の売上高および営業利益は前事業年度を下回る結果となりました。
当社は、Cerence社との協業により車載分野の拡大および多言語音声合成事業の拡大を目指すとともに、音声合成市場の拡大に資する生成系AIの活用を加速することを目的に、昨今注目を集める「ChatGPT」等の周辺技術を用いた法人利用可能な対話AIサービスの構築を進めております。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
ⅰ.財政状態
(資産)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末と比較して38,581千円増加し、1,393,512千円となりました。
(負債)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末と比較して127,127千円増加し、202,453千円となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末と比較して88,547千円減少し、1,191,058千円となりました。
ⅱ.経営成績
当事業年度の売上高は633,998千円(前年同期比16.2%減)、営業利益は19,887千円(同82.3%減)、経常利益は22,409千円(同79.6%減)、当期純利益は16,367千円(同80.5%減)となりました。当社は音声合成事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりませんが、特性に応じた3つの区分別の売上高につきましては、法人向け製品280,545千円(同17.5%減)、法人向けサービス190,090千円(同6.3%減)、コンシューマー向け製品163,362千円(同23.6%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末と比較して57,319千円増加し、1,236,795千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、18,158千円(前事業年度は130,558千円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動により支出した資金は、5,214千円(前事業年度は8,846千円の支出)となりま
した。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動により支出した資金は、44,375千円(前事業年度は43,594千円の支出)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
ⅱ.受注実績
当社は、提供する主要なサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
ⅲ.販売実績
当社は音声合成事業の単一セグメントのため、当事業年度の販売実績をサービス区分別に示すと、次のとおりであります。
サービスの名称
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前事業年度比(%)
法人向け製品 (千円)
280,545
82.5
法人向けサービス (千円)
190,090
93.7
コンシューマー向け製品 (千円)
163,362
76.4
合計 (千円)
633,998
83.8
(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当事業年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社NTTドコモ
117,152
15.5
108,046
17.0
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
ⅰ.財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は1,359,232千円となり、前事業年度末に比べ45,828千円増加いたしました。これは主に売掛金が13,629千円減少したものの、現金及び預金が57,319千円増加したことによるものであります。固定資産は34,280千円となり、前事業年度末に比べ7,247千円減少いたしました。これは主に有形固定資産が4,823千円、長期前払費用が2,044千円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は、1,393,512千円となり、前事業年度末に比べ38,581千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は201,061千円となり、前事業年度末に比べ128,375千円増加いたしました。これは主に短期借入金が150,000千円増加したことによるものであります。固定負債は1,392千円となり、前事業年度末に比べ1,247千円減少いたしました。これは主にリース債務が717千円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は、202,453千円となり、前事業年度末に比べ127,127千円増加いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,191,058千円となり、前事業年度末に比べ88,547千円減少いたしました。これは主に自己株式が87,247千円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は85.5%(前事業年度末は94.4%)となりました。
ⅱ.経営成績
(売上高)
当事業年度の売上高は633,998千円(前年同期比16.2%減)となりました。コロナ禍に伴う企業や学校のテレワーク、オンライン学習対応の用途での「AITalk® 声の職人®」、「AITalk® 声プラス®」等のパッケージ製品の需要について落ち着きが見られたことや、コンシューマー向けパッケージ「A.I.VOICE®」シリーズの新キャラクターのリリースが一部来期へ後ろ倒しになったこと等により、売上高は期初の予定から減少する結果となりました。
(営業利益)
当事業年度の営業利益は19,887千円(同82.3%減)となりました。売上高が期初の予定から減少したことによる影響が大きく、売上原価、販売費及び一般管理費の抑制を行い、費用としては30,327千円減少したものの、営業利益は期初の予定から減少する結果となりました。
(経常利益)
当事業年度の経常利益は22,409千円(同79.6%減)となりました。営業利益が期初の予定から減少したことによる影響が大きく、補助金収入3,300千円があったものの、事務所移転費用1,384千円の発生もあり、経常利益は期初の予定から減少する結果となりました。
(当期純利益)
当事業年度の当期純利益は16,367千円(同80.5%減)となりました。経常利益が期初の予定から減少したことによる影響が大きく、固定資産除却損および法人税等の計上額は前事業年度と比較すると減少しましたが、当期純利益は期初の予定から減少する結果となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、18,158千円(前事業年度は130,558千円の収入)となりました。これは主に、税引前当期純利益が22,295千円、減価償却費が9,336千円及び法人税等の支払額12,160千円、法人税等の還付額9,412千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5,214千円(前事業年度は8,846千円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出1,376千円、無形固定資産の取得による支出3,838千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は44,375千円(前事業年度は43,594千円の支出)となりました。これは主に、短期借入れによる収入150,000千円がありましたが、自己株式の取得による支出87,246千円、配当金の支払額17,688千円等によるものであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
(資金需要)
当社の運転資金需要の主なものは、多言語のライセンス使用によるロイヤリティ支払や翻訳等のカスタマイズ開発の仕入、スタジオ収録費用の支払のほか、販売費及び一般管理費等に含まれる営業費用、研究活動における機能拡充・強化等に係る費用であります。
(財務政策)
当社の運転資金につきましては、手持資金(利益等の内部留保資金)で賄っております。自己資金で手当できない場合、借入による調達となりますが、借入先・借入金額・条件等は、所定の手続きにより承認後、資金調達を行うことになります。
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