【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の状況
2023年6月の訪日外客数は207万3千人と、新型コロナウイルス感染症の拡大により訪日外客数が大幅に減少した2020年2月以降、初めて200万人を突破し、2019年の同月比72%に回復しました(7月19日発表日本政府観光局)。そのような背景のもと、当第2四半期連結累計期間における売上高は、前年同四半期を大きく上回る3,396百万円(前年同四半期比56.1%増)となり、また、宿泊事業における売上高は2,916百万円(前年同四半期比67.0%増)となりました。次に、霊園事業及び住宅等不動産開発事業等を行っているその他投資事業の売上高は前年同四半期を上回る479百万円(前年同四半期比11.7%増)となりました。
営業費用については、継続的なコスト削減に努めておりますがエネルギーコストの増加、人件費の増加の影響もあり営業損失は138百万円(前年同四半期は営業損失824百万円)となりました。なお、営業利益に減価償却費を足し戻した営業利益(以下、「EBITDA」と言います。)は、前年同四半期におけるEBITDA損失は589百万円でありましたが、当事業年度は91百万円とプラスに転じ、正常なビジネス環境が回復してまいりました。また、営業外収益として為替差益62百万円を計上いたしました。なお、前年同四半期には新型コロナウイルス感染症拡大防止等の支援金である受取協力金を106百万円計上しておりましたが、当期四半期においては、同支援金の計上はございません。それらの結果、経常損失は149百万円(前年同四半期は経常損失687百万円)となりました。また、特別利益として今井荘の売却に伴う固定資産売却益128百万円を計上したほか、非支配株主に帰属する四半期純損失33百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する四半期純損失は56百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純損失794百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりです。
① 宿泊事業
当第2四半期連結累計期間における宿泊事業部門におきましては、すべての宿泊施設が期間を通じて営業を行い、円安が進み訪日客利用の回復が進んだことにより、主要なホテル アゴーラ リージェンシー 大阪堺においては売上高1,135百万円(前年同四半期比36.9%増)、ホテル アゴーラ 大阪守口においては売上高657百万円(前年同四半期比64.7%増)となり、宿泊事業部門全体では売上高2,916百万円(前年同四半期比67.0%増)となりました。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大によりホテル アゴーラ リージェンシー 大阪堺やホテル アゴーラ 大阪守口のレストランを一部閉鎖しておりましたが、ホテル需要の回復にともない、徐々に再開している一方で、レストラン、宴会部門における人員不足の影響も認められており、ホテル内で適正な人員配置を継続して行っておりますが、円安や物価高、人件費の高騰の影響を受け、営業損失は80百万円(前年同四半期は営業損失726百万円)となりました。また、2023年3月31日付の今井荘の売却にともない、特別利益として固定資産売却益128百万円を計上しております。
② その他投資事業
マレーシアにおける霊園事業の売上高は堅調に増加し427百万円(前年同四半期比2.5%増)、営業利益は54百万円(前年同四半期比45.0%減)となりました。これは、当第2四半期連結累計期間においても、新規受注及び引き続き既契約案件の引渡しも堅調に進捗したものの、工事にともなうエネルギーコストが増加したことによります。
証券事業は売上高40百万円、営業利益36百万円(前年同四半期は営業損失47百万円)となりました。それらの結果、その他投資事業部門における売上高は479百万円(前年同四半期比11.7%増)となり、前年同四半期を上回る営業利益99百万円(前年同四半期比62.2%増)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
該当事項はありません。
(6)財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べて4.3%増加し、17,766百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて20.9%増加し、5,318百万円となりました。これは現金及び預金が959百万円増加したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.4%減少し12,398百万円となりました。これは有形固定資産が134百万円減少したことなどによります。
繰延資産は、前連結会計年度末に比べて15.4%減少し49百万円となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて3.8%増加し、12,340百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて3.5%増加し、8,695百万円となりました。これは、未払金が152百万円増加したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて4.6%増加し、3,645百万円となりました。これは、長期借入金が239百万円増加したことなどによります。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5.4%増加し、5,425百万円となりました。これは、非支配株主持分が325百万円増加したことなどによります。
(7)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ960百万円増加し、2,954百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は178百万円(前年同四半期は194百万円の獲得)となりました。
これは主に税金等調整前四半期純損失20百万円を計上したものの、非現金支出費用である減価償却費、のれん償却額および開業費償却額を合計239百万円計上したことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は152百万円(前年同四半期は33百万円の使用)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出480百万円、有形固定資産の売却による収入632百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は596百万円(前年同四半期は95百万円の使用)となりました。
これは主に長期借入れによる収入249百万円、非支配株主からの払込による収入355百万円によるものであります。
(8)主要な設備
2023年3月31日付にて、当社グループは今井荘の売却を行っております。
(9)従業員数
2023年3月31日付にて当社グループは、今井荘の売却を行っております。これに伴い、今井荘を運営していた株式会社アゴーラホテルマネジメント伊豆に所属する従業員は、2023年6月末時点では0人となっております。なお、宿泊部門の従業員数は341名、臨時従業員数141名であります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金のほか主力事業である宿泊事業における新規ホテル等の設備投資に係る資金であります。これらの財源につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入金等による資金調達を基本としております。また、資金調達に際しては、財務の健全性や安全性の確保を目指しております。
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