【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染症、米中貿易摩擦の長期化、ロシアのウクライナ侵攻等の影響により、先行きは不透明な状況となっております。
このような状況の中、当社グループは、2025年度を最終年度とする6カ年の「長期経営構想2025」および2022年度を最終年度とする3カ年の「中期経営計画2022」のもと、試薬・機器事業とCDMO事業を通じ、バイオ創薬基盤技術開発を進め、新モダリティを継続的に創出する創薬企業を目指すための取り組みを推進いたしました。また、新型コロナウイルスの検査関連製品の安定的な供給や、再生医療等製品の製造体制整備等に積極的に取り組みました。
当第3四半期連結累計期間の売上高は、受託が前年同期比で減少したものの、試薬、機器および遺伝子医療が前年同期比で増加いたしました。特に、試薬は一般研究用試薬が増加するとともに、新型コロナウイルス検査関連試薬が、主に国内の感染拡大の影響を受け、増加いたしました。その結果、売上高は、60,206百万円(前年同期比31.9%増)と増収となりました。売上原価は、売上構成の変化等により原価率が上昇し23,771百万円(同105.7%増)となりましたが、売上総利益は、36,434百万円(同6.8%増)と増益となりました。販売費及び一般管理費は、研究開発費等の増加により、17,031百万円(同20.2%増)と増加しましたので、営業利益は、19,403百万円(同2.6%減)と減益となりました。
営業利益の減益にともない、経常利益は、19,480百万円(同3.3%減)と減益となりました。
特別利益に受取保険金を計上したこと等により、税金等調整前四半期純利益は、20,318百万円(同1.0%増)となり、親会社株主に帰属する四半期純利益は、14,595百万円(同1.6%増)と増益となりました。
なお、第1四半期連結会計期間より、管理区分の見直しにより、従来「試薬」に含めていたGMPグレード(再生医療等製品製造用)の試薬類等の売上高を、「遺伝子医療」に含めております。この結果、前第3四半期連結累計期間の売上高は変更後の区分に基づき組み替えを行っており、前第3四半期連結累計期間において「試薬」に含めていた1,646百万円を、「遺伝子医療」として組み替えております。
また、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(2)財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は128,140百万円となり、前連結会計年度末に比べて12,427百万円増加いたしました。これは主に、商品及び製品が9,833百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が10,739百万円、現金及び預金が7,351百万円、当社の製造設備取得等により有形固定資産が3,260百万円増加したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は13,428百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,219百万円減少いたしました。これは主に、未払法人税等が4,667百万円、流動負債のその他が1,383百万円減少したことによるものであります。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は114,711百万円となり、前連結会計年度末に比べて18,646百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金が10,621百万円、円安の進行により為替換算調整勘定が7,921百万円増加したことによるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益20,318百万円、棚卸資産の減少9,929百万円、減価償却費2,976百万円によるキャッシュ・イン、売上債権の増加9,846百万円、法人税等の支払9,641百万円によるキャッシュ・アウト等により13,261百万円の収入と、前年同期に比べて2,139百万円の収入減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出7,312百万円、有形及び無形固定資産の取得による支出3,750百万円と、定期預金の払戻による収入1,230百万円等により9,551百万円の支出と、前年同期に比べて3,829百万円の支出減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額3,967百万円等により4,076百万円の支出と、前年同期に比べて2,041百万円の支出増加となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物に係る換算差額を含めた当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より1,052百万円増加し、23,212百万円となりました。
(4)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。
(7)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、5,867百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(8)経営成績に重要な影響を与える要因
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変化はありません。
(9)資本の財源および資金の流動性についての分析
「(3)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。