【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態及び経営成績の状況
(財政状態)
資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,934億円増の1兆8,535億円(前期末比 111.7%)となった。これは、現金及び預金や棚卸資産の増加などによるものである。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,699億円増の1兆5,866億円(同 120.5%)となった。これは、有利子負債の増加などによるものである。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ764億円減の2,668億円(同 77.7%)となった。これは、親会社株主に帰属する四半期純損失の利益剰余金への計上などによるものである。
なお、第1四半期連結会計期間において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いている。
(経営成績)
a. 売上高及び経常収益
売上高(営業収益)は、総販売電力量の減少はあったものの、燃料費調整額の増加などにより、前年同四半期に比べ1,593億円増の5,801億円(前年同四半期比 137.9%)となり、これに営業外収益を加えた経常収益は1,574億円増の5,835億円(同 137.0%)となった。
b. 経常損益
経常損益は、石炭価格の高騰、水力発受電量の減少、市場価格上昇による購入電力料の増加などにより、749億円の損失(前年同四半期の経常損益は48億円の損失)となった。
c. 親会社株主に帰属する四半期純損益
経常損益に法人税等を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純損益は757億円の損失(前年同四半期の親会社株主に帰属する四半期純損益は60億円の損失)となった。
(セグメントごとの経営成績[セグメント間の内部取引消去前])
a. 発電・販売事業
当第3四半期連結累計期間の総販売電力量については、238億41百万キロワット時となり、前年同四半期と比較すると8.8%の減少となった。
このうち、小売販売電力量については、電灯において行動規制の緩和により在宅時間が減少したこと、電力において契約電力が減少したことや、工場の操業が前年同四半期に比べ減少したことなどから、191億30百万キロワット時となり、前年同四半期と比較すると3.6%の減少となった。また、卸販売電力量については、卸電力取引所等への販売が減少したことから、47億11百万キロワット時となり、前年同四半期と比較すると25.0%の減少となった。
供給力については、出水率が98.4%と平年を下回ったほか、志賀原子力発電所1・2号機が引き続き運転できなかったものの、供給設備全般にわたる効率的運用に努めた結果、期を通じて安定した供給を維持することができた。
収支については、売上高は、総販売電力量の減少はあったものの、燃料費調整額の増加などにより、前年同四半期に比べ1,539億円増の5,317億円(前年同四半期比 140.7%)となった。
また、経常損益は、石炭価格の高騰、水力発受電量の減少、市場価格上昇による購入電力料の増加などにより、716億円の損失(前年同四半期の経常損益は133億円の損失)となった。
b. 送配電事業
売上高は、インバランスに係る収益が増加したことなどから、前年同四半期に比べ462億円増の1,700億円(前年同四半期比 137.4%)となった。経常損益は、需給バランス調整等に必要な調整力の調達費用の増加などにより、前年同四半期に比べ69億円減の30億円の損失(前年同四半期は経常利益38億円)となった。
c. その他
売上高は、請負業務の受注増加などから、前年同四半期に比べ100億円増の922億円(前年同四半期比 112.2%)、経常利益は、材料費の増加などにより、前年同四半期に比べ14億円減の53億円(同 78.0%)となった。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題は次のとおりである。
<電気料金の改定について>
当社は、東日本大震災以降、志賀原子力発電所の停止が長期化し、電力小売全面自由化により競争が激化する中でも、徹底した効率化を進め、電源の脱炭素化や再生可能エネルギーの開発等、カーボンニュートラルの実現に向けて積極的に取り組み、電力の安定供給に努めてきた。
しかしながら、昨今のウクライナ紛争に伴う燃料価格・卸電力市場価格の高騰に加え、2022年2月以降、規制料金における燃料費調整額が調整上限に到達したことによる未回収額の発生等から、供給コストが電気料金収入を大きく上回る状態が続いており、収支・財務状況が急速に悪化している。
こうした未曽有の事態に対処するため、2022年3月に社長を本部長とする「2022緊急経営対策本部」を設置し、あらゆるコストについて聖域を設けずゼロベースで削減・繰延等の見直しを行ってきたが、これら企業努力で対処可能な状況ではなく、2022年度の連結経常損益は1,000億円の損失と、1970年代のオイルショックや震災直後の収支悪化をはるかに上回る過去最大の赤字となる見込みであり、このままでは燃料の安定的な調達や設備保全に係る対応に支障が生じ、電力の安定供給に万全を期すことに影響を及ぼしかねない虞がある。
このような状況を踏まえ、2023年4月1日に、全ての電気料金の改定を行うこととし、規制料金のお客さまの電気料金の改定を2022年11月30日に経済産業大臣に認可申請したほか、自由料金のお客さまの電気料金の改定内容についても取りまとめ、2022年12月14日に公表した。
また、このような収支・財務状況を踏まえ、2021年度の有価証券報告書に記載していた、財務目標について見直しを行う予定である。
(2021年度の有価証券報告書に記載していた財務目標)
■連結自己資本比率 2030年度までに30%以上
■連結経常利益 期間平均(2019~2030)350億円以上
■事業ポートフォリオ 2030年度頃までに連結経常利益ベースで
電気事業:電気事業以外=2:1
※規制料金の改定については、国の審査等を経た後に、経済産業大臣の認可を受けて正式に決定されることになるため、実際の改定実施日は、変更となる場合がある。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は「発電・販売事業」で1,016百万円、「送配電事業」で299百万円、グループ全体(内部取引消去後)で1,078百万円となった。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の内容は、次のとおりである。
研究開発活動の内容
セグメント情報の区分
発電・販売事業
送配電事業
電力の安定供給、
脱炭素社会の実現及び
環境保全に資する研究
信頼性と経済性の両立のための
送配電線雷事故解析手法の精度向上
○
長期的な設備機能維持に向けた工法開発等
○
○
電力設備の診断・寿命延伸・性能評価技術の開発
○
再生可能エネルギー大量導入による
系統影響の経済的な緩和対策
○
○
フライアッシュの有効利用
○
新たな企業価値創造や
競争力確保に資する研究
新たな価値創造に向けた研究
○
○
業務効率化に向けた新技術の活用研究
○
○
(4) 生産、受注及び販売の実績
当社グループ(当社及び連結子会社)においては、電気を供給することを主たる事業としており、また、それ以外の事業は、広範囲かつ多種多様であり、生産、受注、販売といった画一的な区分による表示が困難である。
このため、発電及び販売の実績のみを記載している。
① 発電実績
種別
当第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
前年同四半期比(%)
発
電
電
力
量
水力発電電力量(百万kWh)
4,683
92.8
火力発電電力量(百万kWh)
16,935
96.2
原子力発電電力量(百万kWh)
-
-
再生可能エネルギー発電電力量(百万kWh)
4
101.3
合計(百万kWh)
21,622
95.4
(注)1.当社の発電電力量を記載している。
2.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
② 販売実績
a.販売電力量
種別
当第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
前年同四半期比(%)
電灯(百万kWh)
5,140
99.2
電力(百万kWh)
13,990
95.4
電灯電力合計(百万kWh)
19,130
96.4
他社販売(百万kWh)
4,635
73.8
総販売電力量(百万kWh)
23,765
91.0
(注)1.送配電事業関連の販売を除く。
2.他社販売は期末時点で把握している実績を記載している。
3.四捨五入のため合計が一致しない場合がある。
b.料金収入
種別
当第3四半期連結累計期間
(自 2022年4月1日
至 2022年12月31日)
前年同四半期比(%)
電灯(百万円)
122,765
122.1
電力(百万円)
258,435
134.8
電灯電力合計(百万円)
381,201
130.4
他社販売(百万円)
88,829
161.0
(注)1.送配電事業関連の販売を除く。
2.他社販売は期末時点で把握している実績を記載している。
(5) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度末に記載していた小松駅東地区複合ビル建設工事について、改めて計画を検討し、決定することとしている。
なお、当社グループ(当社及び連結子会社)は水力発電電力量の増加に取組んでおり、当第3四半期連結累計期間における水力発電所の出力増加は1箇所170kWである。
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