【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日まで)の世界経済は、新型コロナウイルス感染症による影響からの正常化が見られた一方で、ロシアのウクライナ侵攻、燃料・資源高による世界的なインフレ進行、中国におけるゼロコロナ政策などにより一層不透明感が増しました。このような状況の中、当社グループは本年度より新中期事業計画“KAYAKU Vision 2025”をスタートしました。事業ごとに定めた「ありたい姿=Vision」に向けたロードマップを実行するとともに、ありたい姿実現に向けて定めた全社重要課題に対し取り組みを進めています。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、医薬事業が前年同四半期を下回ったものの、機能化学品事業、セイフティシステムズ事業及びその他事業が前年同四半期を上回ったことにより1,027億2千8百万円となり、前年同四半期に比べ138億8千8百万円(15.6%)増加しました。営業利益は、135億5千9百万円となり、前年同四半期に比べ26億5千7百万円(24.4%)増加しました。経常利益は、為替差益により、166億2千8百万円となり、前年同四半期に比べ47億9千9百万円(40.6%)増加しました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、112億8千1百万円となり、前年同四半期に比べ20億7千5百万円(22.5%)増加しました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。(機能化学品事業)売上高は460億2千3百万円となり、前年同四半期に比べ84億1千万円(22.4%)増加しました。機能性材料事業は、高速通信(5G)デバイスやIoTの普及、自動車の高度電装化等によるIT機器の需要増により、これらに使用される半導体関連部材となるエポキシ樹脂、MEMS等の複合材が好調に推移したことにより、機能性材料事業全体で前年同四半期を上回りました。色素材料事業は、産業用インクジェットプリンタ用色素・インクの市況が回復基調にあることに加え、コンシューマ用インクジェットプリンタ用色素が堅調に推移したことにより、色素材料事業全体で前年同四半期を上回りました。触媒事業は国内、輸出ともに受注が好調に推移したことにより前年同四半期を上回りました。ポラテクノ事業は、染料系偏光フィルムの需要は低調に推移したものの、X線分析装置用部材が好調に推移したため、ポラテクノ事業全体で前年同四半期を上回りました。セグメント利益は機能性材料事業、触媒事業の売上高が増加したことにより、78億3千8百万円となり、前年同四半期に比べ17億6千3百万円(29.0%)増加しました。
(医薬事業)売上高は253億3千4百万円となり、前年同四半期に比べ2億円(0.8%)減少しました。国内向け製剤は、8月に血液がんに対する新薬「ダルビアス®点滴静注用」を上市し、ジェネリック抗がん薬「ペメトレキセド点滴静注液」、光線力学診断用剤「アラグリオ®顆粒剤分包」が伸長し、前年同四半期を上回りました。国内向け原薬は、前年同四半期を上回ったものの、輸出、受託事業、診断薬は前年同四半期を下回りました。セグメント利益は、45億1千2百万円となり、前年同四半期に比べ3億9千6百万円(9.6%)増加しました。
(セイフティシステムズ事業)売上高は267億4千2百万円となり、前年同四半期に比べ51億2千4百万円(23.7%)増加しました。国内事業は、半導体不足等の影響による自動車の減産を受け需要が低調に推移したことにより、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータは前年同四半期を上回ったものの、エアバッグ用インフレータは前年同四半期を下回り、国内事業全体で前年同四半期を下回りました。海外事業は、半導体不足の影響を受ける一方で、各国の各種政策等により新型コロナウイルス感染症拡大の影響による世界的な需要低迷からの回復が続き、エアバッグ用インフレータ、シートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ、スクイブは前年同四半期を上回りました。セグメント利益は需要の回復及び為替の影響による売上高の増加により、39億8千5百万円となり、前年同四半期に比べ8億1千6百万円(25.8%)増加しました。
(その他)売上高は46億2千8百万円となり、前年同四半期に比べ5億5千4百万円(13.6%)増加しました。アグロ事業は国内、輸出ともに前年同四半期を上回り、アグロ事業全体で前年同四半期を上回りました。不動産事業は、前年同四半期を上回りました。セグメント利益は8億9千9百万円となり、前年同四半期に比べ1千9百万円(2.2%)減少しました。
(2) 財政状態の分析総資産は3,295億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ140億4千3百万円増加しました。主な増加は原材料及び貯蔵品67億7千5百万円、現金及び預金34億9千万円、商品及び製品29億8千3百万円であり、主な減少は有価証券27億7千4百万円であります。負債は702億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ12億2千9百万円増加しました。主な増加は支払手形及び買掛金38億4百万円であり、主な減少は短期借入金11億6百万円であります。純資産は2,592億3千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ128億1千3百万円増加しました。主な増加は為替換算調整勘定71億3千万円、利益剰余金70億7千3百万円であり、主な減少はその他有価証券評価差額金14億3千2百万円であります。
(3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、120億3千5百万円の収入(前年同四半期は143億8千4百万円の収入)となりました。これは主に棚卸資産の増加額が84億4千1百万円、法人税等の支払額が38億5千3百万円あったものの、税金等調整前四半期純利益が164億4千5百万円、減価償却費が66億5千5百万円、売上債権の減少額が20億1千1百万円あったことによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、92億3千8百万円の支出(前年同四半期は55億7千3百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が59億8千9百万円、投資有価証券の取得による支出が20億9千9百万円、有価証券の取得による支出が4億2百万円、定期預金の預入による支出が3億3千9百万円あったことによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、61億9千8百万円の支出(前年同四半期は63億9千7百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額が41億9千8百万円、長期借入金の返済による支出が11億6千7百万円、短期借入金の純減少額が6億8千1百万円あったことによるものです。以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3億4千8百万円減少し、526億1千3百万円(前年同四半期は504億1千万円)となりました。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題前連結会計年度の有価証券報告書の「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の記載から、重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は62億8千1百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。 新設
会社名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方 法
着手及び完了予定
事業所名
総 額(百万円)
既支払額(百万円)
着手
完了
当社福山工場
広島県福山市
機能化学品
産業用インクジェットインク製造設備
4,320
739
自己資金
2022年2月
2024年4月
(注)下線部分は前連結会計年度末に対しての変更部分を示しております。
また、当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の計画は、次のとおりであります。
会社名
所在地
セグメントの名称
設備の内容
投資予定額
資金調達方 法
着手及び完了予定
事業所名
総 額(百万円)
既支払額(百万円)
着手
完了
当社厚狭工場
山口県山陽小野田市
機能化学品
エポキシ樹脂製造設備
6,550
14
自己資金
2022年8月
2025年3月
当社厚狭工場
山口県山陽小野田市
機能化学品
触媒研究開発及びパイロット評価設備
1,585
―
自己資金
2022年8月
2024年6月
(8) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、事業活動に必要な資金を確保するため、安定的な営業キャッシュ・フローの創出と幅広い資金調達手段の確保に努めております。必要な資金については、主に手元資金と営業活動からのキャッシュ・フローに加え、金融機関からの借入や社債発行等により調達しております。大型投資案件等の大規模な支出が必要な際には、当社グループの経営動向や財政状態及び市場環境等を考慮しながら、最適かつ最も効率的な方法により、資金調達を実施しております。