【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
前第1四半期
連結累計期間
(百万円)
当第1四半期
連結累計期間
(百万円)
増減額
(百万円)
増減率
(%)
売上収益
25,647
26,553
905
3.5
自動車部品事業
11,467
12,852
1,385
12.1
産業資材事業
9,387
9,144
△243
△2.6
高機能エラストマー製品事業
3,762
3,524
△237
△6.3
その他
1,173
1,318
145
12.4
調整額
△143
△286
△143
-
コア営業利益(セグメント利益)(△は損失)
1,867
1,753
△113
△6.1
自動車部品事業
749
811
62
8.3
産業資材事業
945
968
23
2.4
高機能エラストマー製品事業
153
△46
△199
-
その他
3
△50
△54
-
調整額
15
70
55
351.2
営業利益
2,155
2,015
△140
△6.5
親会社の所有者に帰属する四半期利益
2,109
1,882
△227
△10.8
(注)コア営業利益(△は損失)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、中国では、サービス消費以外の需要が総じて不振で、景気は減速いたしました。米国においても、個人消費や雇用情勢は底堅く推移したものの、景気の回復ペースは鈍化いたしました。欧州でも、外需の低迷や高インフレが重石となり、景気が低迷いたしました。また、アジア地域においても、海外経済の減速を受けた輸出の減少などが影響し、景気は総じて減速いたしました。一方、日本では、個人消費やインバウンド需要の回復などにより、景気は緩やかに回復いたしました。
当社グループの主要な市場である自動車分野におきましては、半導体不足の影響が緩和したことなどもあり、各国の自動車生産台数が総じて前年度を上回る状況で推移いたしました。
このような状況のなか、当社グループは、中長期経営計画“Creating New Value for the Future”の第1ステージの1年目として、「価値創造」、「スマートものづくり創造」、「未来に向けた組織能力の進化」の3つの指針を掲げ、人と社会を支え、今と未来をつなぐBEST PARTNERであり続けるために活動してまいりました。軽搬送用ベルト「サンライン®ベルト」の新たなラインアップとして、低騒音性に優れた物流搬送用ベルト「ミスターポーターズ™」の販売を開始いたしました。また、国際的な評価機関であるEcoVadis社による2023年サステナビリティ(持続可能性)評価において、当社グループの取り組みが評価され、総合スコアが上位25%以上の企業に贈られる「シルバー」を獲得いたしました。
これらの結果、当第1四半期連結累計期間は、売上収益は26,553百万円(前年同期比3.5%増)、コア営業利益は1,753百万円(前年同期比6.1%減)、営業利益は2,015百万円(前年同期比6.5%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1,882百万円(前年同期比10.8%減)となりました。
事業(セグメント)別の状況は、次のとおりであります。
[自動車部品事業]
国内においては、自動車生産台数の回復にともない、補機駆動用伝動ベルト(リブエース®など)の販売が増加いたしましたが、当社製品採用車種の減少により補機駆動用伝動システム製品(オートテンショナなど)の販売が減少しました。
海外においては、中国で主要顧客の生産が回復し、補機駆動用伝動ベルトなどの販売が増加し、欧米においても補修市場向け製品の販売が増加しました。また、アジア地域においても四輪・二輪車メーカーの生産が回復し補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品およびスクーター用変速ベルトなどの販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は12,852百万円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益は811百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
[産業資材事業]
一般産業用伝動ベルトにつきましては、国内においては、民間設備投資の減少により産業機械用伝動ベルトの販売が減少いたしました。海外においては、欧米において産業機械用伝動ベルトの販売が増加いたしましたが、中国・アジアにおいて農業機械用伝動ベルトの販売が減少しました。
運搬ベルトにつきましては、国内においてコンベヤベルトおよび樹脂コンベヤベルト(サンライン®ベルト)の販売が増加いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は9,144百万円(前年同期比2.6%減)、高付加価値製品の販売伸長の影響もありセグメント利益は968百万円(前年同期比2.4%増)となりました。
[高機能エラストマー製品事業]
機能フイルム製品につきましては、国内において非住宅関連の需要が停滞したこともあり、建築資材用および工業用フイルムの販売が減少いたしました。
精密機能部品につきましては、高機能ローラおよびブレードなどの販売が減少いたしました。
これらの結果、当セグメントの売上収益は3,524百万円(前年同期比6.3%減)、原材料調達価格の高騰の影響もありセグメント損失は46百万円(前年同期はセグメント利益153百万円)となりました。
[その他事業]
その他の事業といたしましては、ロボット関連デバイス事業、電子資材事業および医療機器事業などを行っており、売上収益は1,318百万円(前年同期比12.4%増)、セグメント損失は50百万円(前年同期はセグメント利益3百万円)となりました。
上記の各セグメント別売上収益およびセグメント利益または損失は、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
(2)財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ710百万円増加し、119,682百万円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が減少した一方、営業債権及びその他の債権、有形固定資産およびその他の金融資産が増加したことなどによるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ2,279百万円減少し、38,679百万円となりました。これは主に、社債及び借入金が減少したことなどによるものです。
資本は、前連結会計年度末に比べ2,989百万円増加し、81,002百万円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素の増加などによるものです。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の65.3%から67.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、期首残高に比べ2,353百万円減少し、14,416百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な増減要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ2,407百万円収入が増加し、3,358百万円の収入超過となりました。これは主に、税引前四半期利益が減少したものの、棚卸資産などの運転資本の増加額が縮小したことに加え、法人所得税の支払額が減少したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ37百万円支出が増加し、1,138百万円の支出超過となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期と比べ1,487百万円支出が増加し、5,048百万円の支出超過となりました。これは主に、有利子負債の削減額が増加したことによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の改良開発を含む研究開発活動の金額は1,043百万円であります。このうち、新規新製品の「研究開発費」の金額は261百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因はありません。
(7)資本の財源および資金の流動性
当第1四半期連結会計期間末現在における現金及び現金同等物は14,416百万円(前連結会計年度末比14.0%減)、有利子負債(社債及び借入金)は8,110百万円(前連結会計年度末比29.9%減)となりました。
これは主に、手元流動性の水準を見直し、借入金の返済を進めたことによるものです。