【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況①経営成績の分析当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、景気に緩やかな回復の動きが見られました。しかしながら、ウクライナおよび中東地域をめぐる情勢や円安等の影響による物価上昇に加え、金融資本市場の変動など先行きに対する不透明感が高まりました。建設業界におきましては、政府建設投資が前年度を上回る見込みであり、民間建設投資も企業の設備投資意欲の高まりから前年度と同水準になることが予想されるなど、建設投資は総じて増加する見通しとなりました。このような情勢下におきまして当社グループは、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした5つの重点戦略(「東急建設ブランドの訴求・確立」「コア事業の深化」「戦略事業の成長」「人材・組織戦略」「財務・資本戦略」)に取り組んでまいりました。当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は134,682百万円(前年同四半期比4.5%増)となりました。損益面では、営業利益は2,043百万円(前年同四半期比1,877百万円増)、経常利益は2,843百万円(前年同四半期比867.0%増)となりました。これに、税金費用等を加味した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は2,510百万円(前年同四半期は284百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(建設事業(建築))受注高は、国内官公庁工事が増加したものの、国内民間工事及び海外工事の減少により、105,691百万円(前年同四半期比11.4%減)となりました。 完成工事高については、海外工事が減少したものの、国内民間工事及び国内官公庁工事の増加により、104,975百万円(前年同四半期比5.7%増)となりました。損益面については、3,460百万円(前年同四半期比39.0%増)のセグメント利益となりました。
(建設事業(土木))受注高は、国内民間工事及び国内官公庁工事が増加したものの、海外工事の減少により、28,613百万円(前年同四半期比34.0%減)となりました。 完成工事高については、国内官公庁工事及び国内民間工事が減少したものの、海外工事の増加により、28,816百万円(前年同四半期比2.3%増)となりました。損益面については、1,160百万円(前年同四半期比92.6%増)のセグメント利益となりました。
(不動産事業等)不動産事業等売上高については、890百万円(前年同四半期比33.7%減)となりました。損益面については、賃貸事業等で利益を計上したことに加え、長期開発事業からの撤退に伴う費用の見積りの減少により不動産事業等損失引当金を取り崩した結果、1,045百万円のセグメント利益(前年同四半期比306.6%増)となりました。
②財政状態の分析 当第2四半期連結会計期間末の資産の部につきましては、受取手形・完成工事未収入金等が19,330百万円増加した一方、現金預金が26,722百万円、その他(流動資産)が1,628百万円減少したことなどにより、資産合計は前連結会計年度末と比較して9,213百万円減少(3.7%減)し、239,950百万円となりました。 負債の部につきましては、短期借入金が15,240百万円増加した一方、支払手形・工事未払金等が11,243百万円、未成工事受入金が8,329百万円それぞれ減少したことなどにより、負債合計は前連結会計年度末と比較して10,359百万円減少(6.8%減)し、142,784百万円となりました。 純資産の部につきましては、配当を1,912百万円実施したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益を2,510百万円計上したことにより利益剰余金が増加した結果、株主資本は756百万円増加しました。また、為替相場の影響により為替換算調整勘定が135百万円増加したことなどから、その他の包括利益累計額は351百万円増加しました。この結果、純資産合計は前連結会計年度末と比較して1,145百万円増加(1.2%増)し、97,165百万円となりました。 なお、自己資本は96,356百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して2.0ポイント増加し、40.2%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末から26,722百万円減少し、31,991百万円(前年同四半期末残高は47,229百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前四半期純利益の計上や未成工事支出金の減少等により資金増加があったものの、売上債権の増加や仕入債務の減少等の資金減少により、49,852百万円の資金減少(前年同四半期は8,977百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、投資有価証券の売却による収入等があったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出等により、333百万円の資金減少(前年同四半期は5百万円の資金増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、短期借入金の増加や長期借入れによる収入等により、23,256百万円の資金増加(前年同四半期は651百万円の資金減少)となりました。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題わが国経済の今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善により、緩やかな回復の継続が期待されます。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっております。また、物価上昇、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。今後の国内建設市場につきましては、建設投資は堅調に推移することが見込まれますが、技能労働者の減少や原材料価格の高止まり等が懸念されるとともに、新設等を主体とした「フロー」型から維持・修繕等の「ストック」型への需要の質的変化や、時間外労働に関する上限規制の適用開始に向けた対応およびデジタルによる技術革新など構造変革が迫られております。このような情勢下におきまして当社グループでは、協力会社との関係強化や物価高騰への対応を図りつつ、「長期経営計画 “To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、既存事業の深堀りと新規分野の模索など「知の深化」と「知の探索」を実践してまいります。また、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とし、この3つの提供価値と人材・デジタル技術の競争優位構築による「東急建設ブランドの訴求・確立」をはじめとする5つの重点戦略を実行することで当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。また、施工中工事の不具合や、過年度引渡し物件に係る施工瑕疵に対し、当社では、安全・品質・工程管理等のコア業務に関する技術員教育の強化、本社による作業所支援体制の強化、特定工事に対する専門委員会の設置等、品質管理体制の強化による再発防止策を徹底し、施工品質の向上に引き続き努めてまいります。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費は509百万円であります。 なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。