【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況①経営成績の分析当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、企業収益・雇用者数に改善の動きが見られ、景気に緩やかな持ち直しの動きが見られました。 建設業界におきましては、政府建設投資が微増となる見込みとなりました。また民間建設投資は、企業の設備投資意欲の回復等により、コロナ禍で需要が拡大した倉庫・物流施設だけでなく、工場においても投資が堅調に推移するなど前年度を上回る水準で増加する見通しとなりました。 このような情勢下におきまして当社グループは、「長期経営計画“To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とした5つの重点戦略(「東急建設ブランドの訴求・確立」「コア事業の深化」「戦略事業の成長」「人材・組織戦略」「財務・資本戦略」)に取り組んでまいりました。当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は128,842百万円(前年同四半期比15.4%増)となりました。損益面では、営業利益は166百万円(前年同四半期は7,152百万円の営業損失)、経常利益は294百万円(前年同四半期は7,151百万円の経常損失)となりました。これに、税金費用等を加味した結果、親会社株主に帰属する四半期純損失は284百万円(前年同四半期は7,668百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(建設事業(建築))受注高は、国内官公庁工事が減少したものの、国内民間工事及び海外工事の増加により、119,347百万円(前年同四半期比18.4%増)となりました。 完成工事高については、国内官公庁工事が減少したものの、国内民間工事及び海外工事の増加により、99,323百万円(前年同四半期比15.7%増)となりました。損益面については、2,489百万円(前年同四半期比24.2%増)のセグメント利益となりました。
(建設事業(土木))受注高は、国内民間工事が減少したものの、海外工事及び国内官公庁工事の増加により、43,325百万円(前年同四半期比68.0%増)となりました。 完成工事高については、海外工事が減少したものの、国内官公庁工事及び国内民間工事の増加により、28,176百万円(前年同四半期比14.4%増)となりました。損益面については、602百万円のセグメント利益(前年同四半期は6,550百万円のセグメント損失)となりました。
(不動産事業等)不動産事業等売上高については、1,342百万円(前年同四半期比15.5%増)となりました。セグメント利益については、257百万円(前年同四半期比1.6%減)となりました。
②財政状態の分析 当第2四半期連結会計期間末の資産の部につきましては、現金預金が8,581百万円増加した一方、受取手形・完成工事未収入金等が10,292百万円、その他(流動資産)が3,226百万円減少したことなどにより、資産合計は前連結会計年度末と比較して4,763百万円減少(2.0%減)し、233,047百万円となりました。 負債の部につきましては、短期借入金が19,994百万円増加した一方、長期借入金が20,204百万円、支払手形・工事未払金等が8,713百万円それぞれ減少したことなどにより、負債合計は前連結会計年度末と比較して5,611百万円減少(3.9%減)し、139,136百万円となりました。 純資産の部につきましては、配当を530百万円実施したことや親会社株主に帰属する四半期純損失を284百万円計上したことにより利益剰余金が減少した結果、株主資本は661百万円減少しました。一方、株式相場の影響によりその他有価証券評価差額金が855百万円増加したことなどから、その他の包括利益累計額は1,424百万円増加しました。この結果、純資産合計は前連結会計年度末と比較して847百万円増加(0.9%増)し、93,911百万円となりました。 なお、自己資本は93,252百万円となり、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して1.1ポイント増加し、40.0%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末から8,581百万円増加し、47,229百万円(前年同四半期末残高は38,278百万円)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、仕入債務の減少や法人税等の支払額等により資金減少があったものの、売上債権の減少や未収入金の減少等の資金増加により、8,977百万円の資金増加(前年同四半期は11,543百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、投資有価証券の取得による支出等があったものの、投資有価証券の売却による収入等により、5百万円の資金増加(前年同四半期は1,202百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払額や長期借入金の返済による支出等により、651百万円の資金減少(前年同四半期は6,208百万円の資金減少)となりました。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略について重要な変更はありません。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題わが国経済の今後の見通しにつきましては、ウィズコロナの新たな段階への移行が進み、各種政策の効果もあり、持ち直していくことが期待されます。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっています。また、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があります。今後の国内建設市場につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の影響、世界情勢等に起因する物価上昇が懸念されるとともに、新設等を主体とした「フロー」型から維持・修繕等の「ストック」型への需要の質的変化や長時間労働の解消、働き方改革の実現等への対応が求められるなど、構造変革が迫られております。このような情勢下におきまして当社グループでは、新型コロナウイルス感染症の影響を見極め適切な対応を図りつつ、「長期経営計画“To zero, from zero.”」に基づき、国内土木・建築・建築リニューアル事業を「コア事業」、国際・不動産・新規事業を「戦略事業」と位置づけ、既存事業の深掘りと新規分野の模索など「知の深化」と「知の探索」を実践してまいります。また、人材とデジタル技術を競争優位の源泉として、3つの提供価値(「脱炭素」「廃棄物ゼロ」「防災・減災」)を軸とし、この3つの提供価値と人材・デジタル技術の競争優位構築による「東急建設ブランドの訴求・確立」をはじめとする5つの重点戦略を実行することで当社グループの持続的な企業価値向上を目指してまいります。また、前年度公表いたしました現在施工中工事の不具合や、過年度引渡し物件に係る施工瑕疵に対し、当社では、安全・品質・工程管理等のコア業務に関する技術員教育の強化、本社による作業所支援体制の強化、特定工事に対する専門委員会の設置等、品質管理体制の強化による再発防止策を徹底し、施工品質の向上に引き続き努めてまいります。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費は495百万円であります。 なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。