【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績の概況
当第2四半期連結累計期間の世界の経済情勢は、各国の金融政策の引き締めにより世界経済成長率の鈍化に対する懸念が増大したほか、地政学リスクの高まりもあり先行きの不透明感が強まりました。米国では、景気後退リスクの顕在化は回避されつつも、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締め姿勢の維持や原油価格の高騰、自動車産業のストライキにより米国経済への影響拡大に対する懸念が高まっています。欧州では、外需の悪化に加え、インフレの長期化により景気低迷が懸念されます。中国では、ゼロコロナ政策の解除に伴いサービス消費の回復傾向は続いていますが、内外需の伸び悩みや不動産市場の悪化に対して断続的に景気支援策が発表され、今後の景気動向に注視が必要な状況です。日本では、外需低迷により輸出が弱含むとともに円安がさらに伸長しましたが、インバウンド需要の回復が持続し、景気は緩やかな改善傾向となっています。
当社グループが属するエレクトロニクス市場の部品需要は、半導体不足の緩和による自動車生産台数の回復もありモビリティ向けは増加しましたが、各国のインフレに伴う民生用電子機器の最終需要低迷からPCや家電向けを中心に幅広い用途で減少しました。
そのような中、当第2四半期連結累計期間の売上収益は、積層セラミックコンデンサがモビリティ向けで増加しましたが、コンピュータや基地局向けを中心に幅広い用途で減少しました。また、コネクティビティモジュールがスマートフォン向けで減少したほか、リチウムイオン二次電池がパワーツール向けで減少しました。その結果、為替変動(前年同四半期連結累計期間比7円2銭の円安)の影響はありましたが、前年同四半期連結累計期間比11.9%減の810,350百万円となりました。
利益につきましては、コストダウンや円安の伸長、固定費の減少などの増益要因はありましたが、操業度の低下や製品価格の値下がりといった減益要因により、営業利益は前年同四半期連結累計期間比30.7%減の138,922百万円、税引前四半期利益は同25.7%減の161,224百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同22.6%減の125,153百万円となりました。
事業別セグメントについては、コンポーネントは売上収益が457,990百万円(前年同四半期連結累計期間比7.9%減)で営業利益が116,471百万円(同31.8%減)、デバイス・モジュールは売上収益が351,226百万円(同16.8%減)で営業利益が26,185百万円(同13.1%減)、その他は売上収益が32,245百万円(同12.2%減)で営業損失3,734百万円(前年同四半期連結累計期間は営業損失409百万円)となりました。
当第2四半期連結累計期間の事業別セグメントの売上収益を前年同四半期連結累計期間と比較した概況は、以下のとおりであります。
〔コンデンサ〕
この区分には、積層セラミックコンデンサなどが含まれます。
当第2四半期連結累計期間は、積層セラミックコンデンサがモビリティ向けで増加しましたが、コンピュータや基地局向けを中心に幅広い用途で減少しました。
その結果、コンデンサの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ7.6%減の366,487百万円となりました。
〔インダクタ・EMIフィルタ〕
この区分には、インダクタ、EMI除去フィルタが含まれます。
当第2四半期連結累計期間は、インダクタやEMI除去フィルタがモビリティ向けで増加しましたが、インダクタがコンピュータ向けを中心に幅広い用途で減少しました。
その結果、インダクタ・EMIフィルタの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ8.3%減の87,258百万円となりました。
〔高周波・通信〕
この区分には、コネクティビティモジュール、樹脂多層基板、高周波モジュール、表面波フィルタなどが含まれます。
当第2四半期連結累計期間は、表面波フィルタがスマートフォン向けで増加しましたが、コネクティビティモジュールや高周波モジュールがスマートフォン向けで減少しました。
その結果、高周波・通信の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ15.8%減の215,648百万円となりました。
〔エナジー・パワー〕
この区分には、リチウムイオン二次電池、電源モジュールが含まれます。
当第2四半期連結累計期間は、リチウムイオン二次電池がパワーツール向けで減少しました。
その結果、エナジー・パワーの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ21.6%減の91,121百万円となりました。
〔機能デバイス〕
この区分には、センサ、タイミングデバイスなどが含まれます。
当第2四半期連結累計期間は、センサがモビリティ向けで増加しましたが、コンピュータやスマートフォン向けを中心に幅広い用途で減少しました。
その結果、機能デバイスの売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ10.6%減の44,450百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間の用途別の売上収益を前年同四半期連結累計期間と比較した概況は、以下のとおりであります。
〔通信〕
当第2四半期連結累計期間は、スマートフォン向けで表面波フィルタが増加しましたが、コネクティビティモジュールや高周波モジュールが減少しました。また、基地局向けで積層セラミックコンデンサが減少しました。
その結果、通信用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ12.3%減の328,204百万円となりました。
〔モビリティ〕
当第2四半期連結累計期間は、円安による増収効果や自動車生産台数の回復もあり、積層セラミックコンデンサ、インダクタ、センサが増加しました。
その結果、モビリティ用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ13.0%増の210,347百万円となりました。
〔コンピュータ〕
当第2四半期連結累計期間は、PC向けで積層セラミックコンデンサ、コネクティビティモジュール、インダクタが減少しました。
その結果、コンピュータ用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ28.1%減の95,894百万円となりました。
〔家電〕
当第2四半期連結累計期間は、パワーツール向けでリチウムイオン二次電池が減少しました。
その結果、家電用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ27.4%減の82,293百万円となりました。
〔産業・その他〕
当第2四半期連結累計期間は、産業機器や代理店向けで積層セラミックコンデンサが減少しました。
その結果、産業・その他用途の売上収益は前年同四半期連結累計期間に比べ17.2%減の93,612百万円となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、営業債権や有形固定資産、現金及び現金同等物が増加したことにより、前連結会計年度末に比べ164,127百万円増加し、3,022,430百万円となりました。負債合計は、その他の金融負債が減少しましたが、その他の流動負債やリース負債の増加により前連結会計年度末に比べ2,532百万円増加し、500,893百万円となりました。資本合計は、その他の資本の構成要素や利益剰余金の増加により、前連結会計年度末に比べ161,595百万円増加し、2,521,537百万円となりました。親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.8ポイント上昇の83.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、営業債権の増加が40,104百万円となりましたが、キャッシュ・フローの源泉となる四半期利益が124,923百万円、減価償却費及び償却費が84,978百万円、棚卸資産の減少が33,732百万円となったことなどにより、191,658百万円のキャッシュ・インとなりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期連結累計期間に比べ35,916百万円の増加となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、投資の売却及び償還による収入が11,116百万円となりましたが、生産能力増強や生産棟の建設を中心とした有形固定資産の取得による支出が124,544百万円となったことなどにより、115,362百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期連結累計期間に比べ57,139百万円の減少となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額が47,229百万円となったことなどにより、53,115百万円のキャッシュ・アウトとなりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期連結累計期間に比べ78,170百万円の増加となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当第2四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の財務戦略と経営資源の配分に関する考え方及び資金調達と手許流動性の状況について重要な変更はありません。
(6)重要性がある会計方針及び見積り
当社グループでは、当連結会計年度(2023年4月1日から2024年3月31日まで)の第1四半期連結会計期間よりIFRSを初めて適用しております。当第2四半期連結累計期間において、当社グループにおいて重要性があると認識している会計方針及び見積りは、要約四半期連結財務諸表注記の「3.重要性がある会計方針」および「4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載しております。
(7)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発活動に要した費用は、66,337百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当第2四半期連結累計期間のセグメント別の生産実績は、下表のとおりであります。
生産実績
(2023年4月1日~2023年9月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
前年同四半期連結
累計期間比(%)
コンデンサ
329,403
43.9
△24.6
インダクタ・EMIフィルタ
80,164
10.7
△20.1
コンポーネント
409,567
54.6
△23.7
高周波・通信
210,023
28.0
△20.0
エナジー・パワー
78,429
10.4
△43.6
機能デバイス
46,652
6.2
△9.7
デバイス・モジュール
335,104
44.6
△26.1
その他
6,225
0.8
17.0
計
750,896
100.0
△24.6
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.エナジー・パワーの「生産実績」は、パワーツール向けでリチウムイオン二次電池の需要が減少したことにより、前年同四半期連結累計期間比で大幅な減少となりました。
②受注実績
当第2四半期連結累計期間のセグメント別の受注高及び受注残高は、下表のとおりであります。
受注高
(2023年4月1日~2023年9月30日)
受注残高
(2023年9月30日現在)
金額
(百万円)
構成比
(%)
前年同四半期連結累計期間比
(%)
金額
(百万円)
構成比
(%)
前連結会計年度末比
(%)
コンデンサ
354,635
45.4
△2.1
124,016
40.0
△8.7
インダクタ・EMIフィルタ
87,201
11.2
0.6
28,866
9.3
△0.2
コンポーネント
441,836
56.6
△1.6
152,882
49.3
△7.2
高周波・通信
219,641
28.1
△9.8
74,198
23.9
5.7
エナジー・パワー
74,942
9.6
△36.9
61,209
19.7
△20.9
機能デバイス
39,661
5.1
△19.5
16,995
5.5
△22.0
デバイス・モジュール
334,244
42.8
△18.8
152,402
49.1
△10.0
その他
4,693
0.6
△12.6
4,897
1.6
△12.4
計
780,773
100.0
△9.9
310,181
100.0
△8.7
(注)1.金額は、販売価格で表示しております。
2.エナジー・パワーの「受注高」は、パワーツール向けでリチウムイオン二次電池の受注が減少したことにより、前年同四半期連結累計期間比で大幅な減少となりました。
③販売実績
当第2四半期連結累計期間のセグメント別の販売実績は、下表のとおりであります。
販売実績
(2023年4月1日~2023年9月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
前年同四半期連結
累計期間比(%)
コンデンサ
366,487
45.2
△7.6
インダクタ・EMIフィルタ
87,258
10.8
△8.3
コンポーネント
453,745
56.0
△7.7
高周波・通信
215,648
26.6
△15.8
エナジー・パワー
91,121
11.2
△21.6
機能デバイス
44,450
5.5
△10.6
デバイス・モジュール
351,219
43.3
△16.8
その他
5,386
0.7
△17.0
計
810,350
100.0
△11.9
当第2四半期連結累計期間の用途別の販売実績は、下表のとおりであります。
販売実績
(2023年4月1日~2023年9月30日)
金額(百万円)
構成比(%)
前年同四半期連結
累計期間比(%)
通信
328,204
40.5
△12.3
モビリティ
210,347
26.0
13.0
コンピュータ
95,894
11.8
△28.1
家電
82,293
10.2
△27.4
産業・その他
93,612
11.5
△17.2
計
810,350
100.0
△11.9
(注)当社推計値に基づいております。
