【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束時期は見えないものの、徐々に行動制限が緩和され、経済活動の正常化が進みました。しかし、中国での感染対策による都市封鎖、ロシアのウクライナ侵攻とそれに対する各国の経済制裁などにより、原材料価格や物流コストの高騰が見られました。また、日本と主要国との金融政策の相違により、為替相場が急速な円安進行になるなど、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社グループの主要販売先である電機・機械・自動車等の製造業におきましては、中国市場では、都市封鎖により一時的に生産と物流の停滞が見られましたが、その後、経済活動は正常化に向かい、設備投資需要が拡大いたしました。国内でもコロナ禍で先送りされていた設備投資需要が再開し回復基調に推移いたしました。
こうした中、当社グループではコロナ後を見据えた第12次中期経営計画「YKT Vision 100(100年に向けて)」をスタートさせ、電子機器及び工作機械等の主力商品の販売力・収益力の強化に取り組み、実践してまいりました。
その結果、電子機器の輸出販売は、電気自動車(EV)など車載関連の設備投資需要により、工作機械の国内販売も工具研削盤等の需要回復によりそれぞれ増加し、連結売上高は220億7千9百万円(前期比40.8%増)となりました。利益面でも、売上高の増加により営業利益10億7百万円(前期比118.5%増)、経常利益12億3千6百万円(前期比94.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億5千5百万円(前期比96.0%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(電子機器及び工作機械等)
電子部品実装機を中心とした電子機器は、中国市場では都市封鎖などにより、一時的に物流の停滞が見られましたが、脱炭素化に向けた電気自動車(EV)、安全技術の進化などにより、車載関連の設備投資需要が順調に推移し輸出販売が増加しました。また、工具研削盤を中心とした工作機械も、経済活動の正常化とともに設備投資需要が回復し、国内販売が増加いたしました。その結果、当セグメントの売上高は211億9千万円(前期比41.8%増)、営業利益8億9千8百万円(前期比140.0%増)となりました。
(光電子装置)
光電子装置の販売は光通信部品、レーザー装置等の販売が堅調に推移し、当セグメントの売上高は9億1百万円(前期比20.7%増)、営業利益1億6百万円(前期比26.6%増)となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末における財政状態は、商品残高が減少したことなどにより総資産は136億6千3百万円(前期比6.5%減)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ9億3千9百万円減少し、93億3千1百万円となりました。これは受取手形、売掛金及び契約資産(前期までの表示は受取手形及び売掛金)が2億3百万円増加しましたが、商品残高が13億6千9百万円減少したことなどによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ1千5百万円減少し、43億3千2百万円となりました。これは減価償却により建物及び構築物が1千5百万円減少したことなどによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ16億5千7百万円減少し、31億5千4百万円となりました。これは短期借入金が8億円、前受金が7億4千5百万円減少したことなどによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ1億5千7百万円減少し、27億1千5百万円となりました。これは長期借入金が1億9千6百万円減少したことなどによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ8億6千万円増加し、77億9千4百万円となりました。これは配当金の支払いが5千8百万円ありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が8億5千5百万円となり利益剰余金が7億9千7百万円増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3千3百万円減少し、当連結会計年度末は32億2千8百万円(前期比1.0%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は10億3千8百万円となりました。これは主として、前受金の減少額が7億6千7百万円、売上債権の増加額が3億4千3百万円、法人税等の支払額が3億2千6百万円となりましたが、税金等調整前当期純利益が12億3千6百万円、棚卸資産の減少額が14億2千万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2千万円となりました。これは主として、有形固定資産取得による支出1千3百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11億4百万円となりました。これは主として、長期借入れによる収入9億5千万円がありましたが、長期借入金の返済による支出11億8千6百万円、短期借入金の減少額が8億円となったことによるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比
(%)
受注残高(千円)
前年同期比
(%)
電子機器及び工作機械等
19,858,902
106.4
4,766,036
79.5
光電子装置
1,111,407
127.2
545,022
168.6
合計
20,970,310
107.4
5,311,059
84.0
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.受注高及び受注残高は販売金額によっております。なお、受注高には条件変更、為替変動等に伴う金額調整分を含めております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
前年同期比(%)
電子機器及び工作機械等(千円)
21,190,118
141.8
光電子装置(千円)
889,740
120.6
合計(千円)
22,079,859
140.8
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自
2021年1月1日
至
2021年12月31日)
当連結会計年度
(自
2022年1月1日
至
2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
SHANGHAI HENGWANG MECHINERY TECHNOLOGY CO.
-
-
7,971,525
36.1
WINLONG INTERNATIONAL LIMITED
8,304,144
53.0
3,354,831
15.2
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営成績の分析
(電子機器及び工作機械等)
当セグメントの売上高は211億9千万円(前期比41.8%増)となりました。国内では新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動が正常化に向かい、製造業の設備投資も回復基調に推移しました。このような環境の中、当社グループの主要商品である工具研削盤等の工作機械の輸入販売も、工具メーカーで先送りされていた設備投資計画が再開されたことにより増加いたしました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響やロシアによるウクライナ侵攻により、原材料価格の高騰、為替相場が急速に円安基調に推移したことなどにより、販売コストの上昇が見られました。電子部品実装機等の電子機器の輸出販売は、主に中国向けであり、上海市等で都市封鎖が実施され一時的な物流の停滞が見られるとともに、スマートフォンなどの通信機器向けの設備投資には減速感がありましたが、電気自動車(EV)を始めとする車載関連の設備投資が拡大し、当社グループの販売活動をそれらの市場に積極展開した結果、電子機器の輸出販売も高水準に推移いたしました。
(光電子装置)
当セグメントの売上高は9億1百万円(前期比20.7%増)となりました。5G関連の光通信部品や製造業で高精度な加工を目的とする産業用レーザー装置や研究用レーザーの販売が増加しました。
これらの要因により、当連結会計年度の売上高は220億7千9百万円(前期比40.8%増)、売上総利益が33億5千7百万円(前期比35.7%増)となり、「第12次中期経営計画(2022年度から3年間)」の初年度年度計画(連結売上高130億円、売上総利益28億円)に達することができました。
費用面では新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことにより、経済活動が正常化に向かい事業活動が活発化し、海外渡航も再開されたため、旅費交通費等の営業活動費用が増加しました。また、4年ぶりに開催されたJIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)を始めとして、各地での展示会の開催も再開され、広告宣伝費が増加しました。そのほか業績回復により人件費の増加が見られ、販売費及び一般管理費の総額は23億5千万円(前期比16.7%増)となりました。その結果、営業利益10億7百万円(前期比118.5%増)となりました。
営業外収益では電子機器取引に関する仕入割引金額の増加や為替差益の計上等があり、経常利益12億3千6百万円(前期比94.9%増)となりました。
また、当連結会計年度においては特別利益及び特別損失の計上はなく、親会社株主に帰属する当期純利益は8億5千5百万円(前期比96.0%増)となりました。
当連結会計年度は「第12次中期経営計画(2022年度から3年間)」の初年度にあたりますが、電子機器の輸出販売が、想定を上回る需要で推移し計画数値に達することができました。しかし、足元ではこれら旺盛な設備投資需要の反動と欧米でのインフレ、中国の景気減速懸念等により、設備投資需要は減少傾向にあります。今後も市場の変化に対応した販売活動を行い、翌年度以降も計画目標の達成に努めてまいります。その計画の概要につきましては「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております。
財政状態の分析
財政状態の分析につきましては「(1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入ならびに販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要の主なものは設備投資等によるものであります。
当社グループでは事業活動上必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金及び金融機関からの借入金を基本としており、当連結会計年度における金融機関からの資金調達は長期借入金で9億5千万円実施し、当座貸越枠15億5千万円から必要に応じて短期借入金を実施いたしました(当期末残高はなし。)。設備投資資金に関しましても自己資金及び金融機関からの借入金を基本としており、2020年度に完成した本社ビルに関しては、取引銀行2行とのコミットメント期間付タームローン契約により資金調達を行っており、当連結会計年度末残高は8億8千万円となっております。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
