【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症第7波の流行があったものの影響が徐々に和らぎ始め、行動制限の緩和等により個人消費に持ち直しの動きがみられました。しかしながら、東欧情勢の長期化や欧米の政策金利上昇等を背景とした為替の急速な円安進行により、物価上昇圧力が増す先行き不透明な状況が続きました。
菓子・飲料・食品業界は、原材料、エネルギー価格の上昇により厳しい経営環境が継続したことに加え、生活必需品の相次ぐ値上げや実質賃金の伸び悩みが続き、消費者の生活防衛意識が一層高まる状況で推移しました。
このような状況下で当社グループは、食品製造企業として一貫して品質保証第一主義に徹し、感染防止対策の徹底に努めながら安全で安心な実質価値の高い商品の安定した供給と、消費者ニーズにお応えしたサービスの提供など、顧客満足度の向上に向けた活動を推進してまいりました。具体的には、各種価格上昇に伴うお客様の選択消費傾向が進む中、価格と品質が調和したバラエティ豊かな商品の充実と、健康や環境に配慮し付加価値を高めた商品の展開を進め、求められる価値の実現に機敏かつ柔軟に取り組みました。あわせて、企画提案型の営業活動と店頭フォローを積極的に行い、お客様の笑顔と満足につながる活動を推進してまいりました。また、「プチクマ」をデザインした貨物鉄道用コンテナ「プチクマコンテナ」の運用を開始し、モーダルシフトによる環境負荷低減のさらなる推進を図りました。さらには、子育て支援が企業の社会的責任の一つであるとの認識のもと取り組みを進めている中、社員への次世代育成支援が評価され、厚生労働省新潟労働局より「プラチナくるみん」の認定をいただきました。
これらの活動に取り組んだ結果、チョコレート品目やキャンデー品目が順調に推移し、「アルフォートFS」等のファミリーサイズ商品群などにもご好評をいただいたものの、価格改定を実施した商品が想定より伸び悩んだことから売上高は前年同期を若干下回りました。利益面では、原材料、エネルギー価格の上昇に加え、円安進行によるコスト上昇が続いています。当社では生産性の向上とコストの削減、経費の効率的な使用に継続して取り組んだことに加え、一部商品において価格改定や規格変更を実施し適正利益の確保に努めましたが、市場定着に時間を要していることと、さらなる円安の加速により製造コストを吸収するに至らず営業損失となりました。一方、経常利益および親会社株主に帰属する四半期純利益は、為替差益や投資有価証券売却益を計上しましたが、いずれも前年同期を大きく下回りました。
営業品目別の概況
菓子の合計売上高は、40,947百万円(対前年同期比97.5%)となりました。
菓子では、ビスケット品目を中心として、豆菓子、キャンデー、デザート、米菓、スナック、チョコレートなどの品目を展開しています。
ビスケット品目は、世界の国々で長く親しまれている伝統的な焼菓子を、手軽にお楽しみいただけることをコンセプトとした商品「旅するお菓子屋さん」シリーズ3品を新発売しました。健康志向に対応した取り組みとして、糖質量を抑えた「カーボバランス」シリーズにベイクドショコラケーキを発売しご好評をいただきました。「エクセレントスイーツ」シリーズは、リニューアルによる品質の向上を図ったことに加え、商品個装フィルムの薄物化やバイオマスフィルムの採用など環境に配慮した取り組みが評価され、2022日本パッケージングコンテストにおいて菓子包装部門賞を受賞しました。発売40年を迎えた当社オリジナルの三角形ケーキ「シルベーヌ」では、「シルベーヌホワイトミルク」の発売とキャンペーンを実施し、ブランド認知の向上に努めました。品目全体では、ファミリーサイズ商品群や「ロアンヌ」シリーズ等が順調に推移した一方、スタンダードビスケット商品群などの既存品が伸び悩みました。
キャンデー品目は、天候の影響により熱中症対策商品の「ミネラル塩飴」がご好評をいただきました。また、食感が楽しめる「しゃりもにグミ」シリーズにグレープ味やルート限定商品を発売し、商品認知の向上を図りました。あわせて「フェットチーネグミ」シリーズでは、新商品の発売に加え継続したプロモーション展開を実施しブランド認知の向上を図りました。
チョコレート品目は、「ひとくちルマンド」シリーズで、新たにウェブCMを展開し商品ブランドの強化を図りました。あわせて、ほろ苦くカカオ風味豊かなクレープ生地とバニラ風味の効いたホワイトチョコレートを組み合わせた「ひとくちルマンドホワイト」を発売し、品ぞろえの強化を図りました。また、「アルフォートミニチョコレート」シリーズでは、バナナチョコやマロンチョコを使用した期間限定商品の展開に加え、キャンペーンやCMの投入によりブランド強化を図りました。さらには、値ごろ感のある大袋商品「108gトリュフミルクガナッシュ」などを発売し、節約志向に対応した商品展開にも努めました。
菓子全体では、市場への定着に時間を要した価格改定商品が伸び悩み、前年同期を下回りました。
飲料・食品・冷菓・その他の合計売上高は、1,972百万円(対前年同期比88.0%)となりました。
飲料品目は、蓄光インクを使用したラベルが暗所でやわらかく発光するミネラルウォーター「天然水sonaLno500ml」を発売し、防災向けのローリングストックの提案を行いました。品目全体ではミネラルウォーター商品群が順調に推移したものの、ソフトドリンク商品群が伸び悩み前年同期を下回りました。
食品品目は、アレンジ自由な食品シート「スライス生チョコレート」のリニューアルを行いました。また、粉末ココア商品群は「ミルクココア」のリニューアルを行ったものの、既存品が伸び悩みました。一方、機能性食品群は、リニューアルした「スローバー」シリーズや「セノビックバー」シリーズに引き続きご好評をいただきました。「プロテインバー」シリーズが競争激化の影響を受けたことに加え、保存缶商品の需要が落ち着いたことなどから、品目全体では前年同期を下回りました。
冷菓品目は、「ルマンドアイス」と「ロアンヌアイス」に、ベルギーチョコレートを使用した商品を発売し品ぞろえの強化を図りました。また、凍らせても柔らかいグミをモナカアイスと組み合わせた「グミーツ」に、イタリアンレモン味を発売し商品認知の向上を図りました。品目全体では、定期的な新製品の投入により前年同期を上回りました。
その他では、通信販売事業は、巣ごもり需要に一服感がみられたものの、季節に合わせた商品展開やECチャネル限定の企画展開およびキャンペーンを実施し、リピーターの増加と販路拡大に取り組みました。
自動販売機事業は、新規開拓によるプチモールの設置台数の増加と、既設自販機の収益性向上と効率化を図りました。多様な商品を取り扱い、対面接触を避けた食品販売ツールとしての環境整備に取り組み、販売も感染症拡大前の状況近くまで回復しています。
酒類販売事業は、社会経済活動の再開により、飲食店ルート向け商品や土産用受託商品の需要が回復傾向で推移しました。また、2022年1月から8月期間内の地ビールメーカー総出荷量(東京商工リサーチ調べ)は、グループ会社のエチゴビール株式会社が11年連続トップとなりました。
以上の営業活動により業績の向上に努めてまいりました結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は42,920百万円(対前年同期比97.1%)、営業損失は275百万円(前年同期 営業利益1,794百万円)、経常利益は219百万円(対前年同期比10.9%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は122百万円(対前年同期比8.9%)となりました。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は35,595百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,276百万円減少となりました。これは主に、現金及び預金ならびに受取手形及び売掛金の減少と商品及び製品の増加があったことによるものです。固定資産は44,934百万円となり、前連結会計年度末に比べ543百万円増加となりました。これは主に、有形固定資産の取得があったことによるものです。
この結果、総資産は80,529百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,733百万円減少となりました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は20,980百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,401百万円減少となりました。これは主に、仕入債務(支払手形及び買掛金)と未払費用の減少および法人税等の支払ならびに短期借入金の増加があったことによるものです。固定負債は7,163百万円となり、前連結会計年度末に比べ69百万円増加となりました。
この結果、負債合計は28,144百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,332百万円減少となりました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産は52,385百万円となり、前連結会計年度末に比べ400百万円減少となりました。これは主に、在外子会社の円換算時に発生する為替換算調整勘定の減少があったことによるものです。
この結果、自己資本比率は65.1%(前連結会計年度末63.4%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は12,638百万円となり、前連結会計年度末(16,793百万円)に比べ4,154百万円減少となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は3,283百万円(前年同期2,795百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益300百万円と棚卸資産の増加額4,008百万円および売上債権の減少3,602百万円ならびに仕入債務の減少1,843百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は2,462百万円(前年同期2,170百万円の支出、対前年同期比113.4%)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出2,587百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,504百万円(前年同期535百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の増加額2,000百万円があったことによるものです。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、586百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備の新設
当第2四半期連結累計期間において新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
会社名
事業所名
(所在地)
セグメント
の名称
設備の
内容
投資予定金額
資金調達方法
着手年月
完了予定年月
総額
(百万円)
既支払額
(百万円)
提出会社
新発田工場
(新潟県新発田市)
食料品の製造・
販売
菓子製造
設備
1,385
190
自己資金
2022年5月
2023年3月