【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における経済環境は、海外観光客の入国制限が緩和され、社会経済活動を再開させる動きが進む一方で、ウクライナ情勢の深刻化や原油をはじめとする資源価格の高騰、各国の金融政策の動向などに対する懸念が長期化しており、引き続き先行き不透明な状態が続きました。このような市場環境の中、当社グループは2020年7月の上場以降を第3創業期と捉え、2022年6月にコーポレートブランドを刷新しました。パーパスを「笑顔につながる、まだ見ぬアイデア実現の母体となる」、提供価値を「デザインとエンジニアリングの力で、挑戦を支える」と定義した上で、「挑戦を、楽しもう。」をブランドスローガンに掲げ、挑戦的な文化を醸成し、ITを軸とした様々な挑戦を積極的に進めていく企業を目指しております。また当社は、Great Place to Work® Institute Japanが世界共通の基準で従業員の意識調査を行う、2023年版「働きがいのある会社」ランキングにおいて、3年連続で働きがいのある会社として認定されました。当社は、全社的なリモートワーク体制と、コアタイムを設けないフルフレックスタイム制を採用しており、柔軟な働き方の実現を推進しております。また、性別や国籍、居住地を問わない採用活動により多様性のある組織づくりを推進するとともに、人材育成のための研修などの成長支援を通じて、挑戦を積極的に行う文化の醸成に取り組んでおります。当第2四半期連結累計期間の経営成績としては、主軸事業であるCLOMO事業は、法人利用向けスマートフォンの調達不調が続くなど外部環境の影響を受けながらも、導入法人数が堅調に増加したことで売上高が拡大しました。また、製品開発力の増強を目的に、新たに開拓した委託先企業と積極的に開発投資を進めたことで、ソフトウエア製品のリリースが増加し減価償却費を含む売上原価が前年同期比で増加しております。販売費及び一般管理費については、営業拠点の拡大に伴う人材の増強や、情報セキュリティ体制強化に向けた投資に加えて、給与体系及び評価制度の見直しによる従業員給与のベースアップを図っており、人的資本に対する投資にも取り組んでまいりました。このような取り組みの結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高1,314,745千円(前年同期比9.1%増)、営業利益312,559千円(前年同期比31.1%減)、経常利益311,512千円(前年同期比31.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益211,893千円(前年同期比32.5%減)となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① CLOMO事業CLOMO事業においては、2010年から提供を開始したモバイル端末管理サービス「CLOMO MDM」及びモバイル端末向けアプリサービス「CLOMO SECURED APPs」(以下、CLOMOサービスとする)を事業の主軸に、クラウドを利用したB to BのSaaS事業をサブスクリプションの形で提供しており、2022年12月に公表されたMDM市場(自社ブランド)シェアにおいて、2011年度から12年連続でシェアNo.1を達成しました(注1)。当第2四半期連結累計期間においては、北海道、宮城県、愛知県に新たな営業拠点を開設しました。当連結会計年度において計画していた営業拠点の新設が完了し、全国の顧客に対する支援体制を強化しております。また、主要な販売パートナーである株式会社NTTドコモが提供を開始した「あんしんマネージャーNEXT」(注2)へ、CLOMO MDMのOEM提供を開始しており、販売エリアの拡大と販売パートナーとの協業加速を通じて、CLOMOサービスの販売拡大に取り組んでおります。機能面においては、サイバー攻撃などの様々な脅威からモバイル端末を守り、顧客が安心・安全にモバイル端末を利用できるよう、CLOMOサービスとエンドポイントセキュリティソリューションとの連携を進めております。その上で、2022年10月より、Deep Instinct社が開発・提供をする「Deep Instinct」(注3)とCLOMO MDMを組み合わせた「CLOMO MDM エンドポイントセキュリティ secured by Deep Instinct」の提供を開始しました。また、モバイル端末の導入時に必要な端末の初期設定などの作業を代行する新サービスとして「CLOMO キッティングサービス」を開始しました。CLOMO MDMの初期設定を支援する「サポートチケット」や、運用を代行する「CLOMO 運用代行サービス」などのサービスも提供しており、モバイル端末の導入から運用まで幅広くサポートするサービスメニューの拡充により、顧客企業でMDMを運用する担当者の業務負荷軽減に貢献するとともに、ライセンス継続率とARPUの向上に取り組んでおります。さらに、業務効率化やデジタル化を進めている医療機関におけるモバイル端末管理、リモートワークでのIT資産管理、製造業や運送業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に伴う業務専用端末管理など、社会変化に伴う新たなMDMの需要に対しては、導入事例記事を積極的に公開し、CLOMOサービスの活用方法や品質について理解促進を図るほか、当該分野に強みを持つ新たな販売パートナーの開拓を進めております。また、2022年9月に公開したオウンドメディア「なるモ」にてモバイル端末の活用に関する情報記事を継続的に作成し、ブランド認知度及びMDM導入率の向上に向けた啓蒙活動に取り組んでおります。カスタマーサクセス活動においては、顧客との関係強化に向けた定期的な面談の実施に加え、CLOMO MDMの基本的な利用方法から、より効果的な活用方法までを学べる「CLOMO ステップアップセミナー」を月数回開催しており、当第2四半期連結累計期間においては、延べ1,200名以上のMDM運用担当者にご参加いただいております。このように、多くの顧客と定期的に接点を持ち、CLOMOサービスの活用を促進することで、高い継続率の維持に取り組んでおります。開発においては、CLOMOサービスのPC資産管理市場でのシェア獲得に必要となるWindowsの機能強化のほか、他社のエンドポイントセキュリティ製品との連携など、顧客のニーズに応えるための機能改善に引き続き注力しており、「Azure Kubernetes Service (AKS)」(注4)や「Xamarin」(注5)といった新たな技術の継続活用による生産性の向上を図っております。また、製品開発の一部を外部に委託するための委託先企業の開拓による開発力の増強が進んだことで、新技術調査など、将来的な製品価値向上のための研究開発活動に対してもリソースを投資しております。これらの取り組みにより、導入社数は4,201社(前連結会計年度末に比べ286社、7.3%増加)に達しました。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による当第2四半期連結累計期間の経営成績や、当社グループが目標とする経営指標(CLOMOサービスの導入社数の増加、ライセンス継続率)への直接的な影響は極めて軽微でありました。一方で、当第2四半期連結累計期間においても、前連結会計年度に引き続き、法人利用向けスマートフォンの調達不調により、一部顧客において、サービスの契約開始時期に遅れが生じております。この結果、売上高は1,314,745千円(前年同期比9.1%増)、営業利益は320,280千円(前年同期比29.5%減)となりました。なお、サービス別の内訳は次のとおりであります。
CLOMO MDM
売上高
1,196,896
千円
SECURED APPs
売上高
80,984
千円
その他
売上高
36,865
千円
② 投資事業投資事業は前連結会計年度より開始した新規事業であり、2021年11月にベンチャーキャピタル子会社として株式会社アイキューブドベンチャーズを設立いたしました。また、2022年1月に当該子会社を通じてアイキューブド1号投資事業有限責任組合を設立し、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)として投資活動を実施しております。2022年10月及び12月に新たに2社へ投資を行い(注6)、これまでの投資先社数は4社となりました。なお、主な投資対象はモバイル、SaaS、セキュリティ等、当社事業領域と親和性の高い企業、社会課題解決型企業及び当社グループが本社を置く九州の地場で活動している企業としております。また、当社グループの新たな市場領域への進出及び収益源の創出を図るべく、M&Aを通じた新事業開発にも積極的に取り組んでおります。この結果、営業損失は7,721千円(前年同期は営業損失674千円)となりました。
(注)
1.出典 デロイト トーマツ ミック経済研究所「コラボレーション/コンテンツ・モバイル管理パッケージソフトの市場展望」2011~2020年度、「ミックITリポート2022年12月号」2021年度出荷金額実績及び2022年度出荷金額予想。2.株式会社NTTドコモが提供しているモバイルデバイス管理サービス。主に、社員・生徒に貸与したデバイスに対して紛失・盗難時に有効な「ロック/初期化」機能や、「カメラ制御」「利用可能アプリの制限」などのセキュリティ機能、「アプリ配信」などのデバイス管理業務効率化機能を持つ。3.Deep Instinct社が独自でサイバーセキュリティのために構築した世界で初めて(2020年12月時点でのDeep Instinct社調査による)となるディープラーニングのモデルを用いて、将来発生しうるマルウェアやゼロデイ攻撃などの未知の脅威を予測し、モバイルデバイスやPCなどの機器への侵入を未然に防ぐエンドポイントセキュリティのソリューション。4.マイクロソフト社が提供するコンテナ化技術。CLOMOシステムをコンテナベースとすることで、信頼性の向上や運用負担の軽減、運用コストの削減を進めている。5.マイクロソフト社が提供するアプリケーション開発用のプラットフォーム。iOS、Android、Windowsという異なる環境で動作するCLOMOアプリケーションのソースコードを共有化することで、開発速度の向上や省力化を進めている。6.アイキューブド1号投資事業有限責任組合の決算日は連結決算日と異なっており、当第2四半期連結累計期間においては、同組合の2022年9月30日に終了する四半期累計期間の財務諸表を連結しております。そのため、当該投資につきましては当第2四半期の連結財務諸表には反映されておりません。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末における財政状態については次のとおりであります。
(資産)総資産は3,246,553千円となり、前連結会計年度末に比べ43,797千円の増加となりました。これは主に現金及び預金が202,564千円減少し、売掛金が9,563千円、その他流動資産が43,207千円、ソフトウエアが59,749千円、ソフトウエア仮勘定が45,535千円、投資その他の資産が83,197千円増加したことによるものです。
(負債)負債は907,916千円となり、前連結会計年度末に比べ70,910千円の減少となりました。これは主に未払法人税等が74,627千円、その他流動負債が63,714千円減少し、契約負債が35,405千円、賞与引当金が29,074千円増加したことによるものです。
(純資産)純資産は2,338,637千円となり、前連結会計年度末に比べ114,708千円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が211,893千円増加し、剰余金の配当に伴い利益剰余金が105,494千円減少したことによるものです。この結果、自己資本比率は71.9%(前連結会計年度末は69.3%)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は2,134,844千円となり、前連結会計年度末に比べ202,564千円の減少となりました。当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は166,299千円(前年同期は使用した資金55,586千円)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益311,512千円、減価償却費69,806千円、賞与引当金の増加額29,074千円、契約負債の増加額35,405千円、営業活動その他の減少額87,156千円、法人税等の支払額185,677千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は265,280千円(前年同期は使用した資金1,084,290千円)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出180,976千円、その他の投資活動による支出81,171千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は103,584千円(前年同期は使用した資金45,902千円)となりました。これは主に、配当金の支払額105,377千円によるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第2四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略等及び経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等に重要な変更はありません。
(6) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(7) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は10,538千円であり、CLOMO事業に係るものであります。なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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