【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の政府による対策見直しを受け、経済活動の正常化が進みました。一方、欧州における地政学リスクは不確実性が高まり、日本を含む各国政府の金融政策は一段と不透明感が漂っております。当社が置かれていますEコマース市場は、経済産業省の電子商取引に関する市場調査において、2021年の国内小売販売に占める物販系のEC化率は8.78%(前年比0.7ポイント増)と推計され、商取引の電子化が進展しています。
(注) 出典:経済産業省 令和3年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)
このような経営環境のもと、当社は「お客様に『価値ある新品と中古品』を安心、安全に取引できるマーケットを創造すること」を方針として、インターネット経由ですべての情報とサービスをお客様に提供してまいりました。中長期目標の実現に向けたビジョンとして「4つのシンカ」と「バリューチェーン・シナリオプランニング」を前事業年度より引き続いて掲げ、従業員エンゲージメント強化を進めることで、「ムダ・ムリ」をなくしたスリムな経営と、社員の成長とともに会社の成長を目指しております。
当第1四半期累計期間においては、主軸のカメラ事業が新製品の売れ行きが極めて好調であったことを受けて堅調に推移しました。時計事業では、前事業年度からの高級時計価格の相場下落は一服したものの、ECにおける販売数量が低調となりました。これらのことから、売上高は11,316,451千円(前年同四半期比5.0%増)となりました。
利益面では、主軸のカメラ事業でAIMDが機能し高い売上総利益率を維持、時計事業でも、価格下落の一服感から利益を確保できる水準で販売を行うことができたため、全体での売上総利益率は19.4%と、前年同期から0.3ポイントの減少にとどまりました。
販売費及び一般管理費においては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、従業員給与の増加等によって1,378,973千円(同9.1%増)となり、AI活用によるスリムな経営は継続してまいりましたが、売上高販売管理費比率は前年同期比0.5ポイント増加しました。これらによって、営業利益は819,623千円(同4.3%減)、経常利益は818,086千円(同5.2%減)、四半期純利益は546,584千円(同6.6%減)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
[カメラ事業] 当第1四半期累計期間のカメラ事業は、堅調な成長を果たしました。フルサイズミラーレスカメラの高級機が発売され、半導体不足の解消もあり十分な供給量が確保できたこともあって、売上高の伸長に大きな貢献がありました。
当第1四半期累計期間におきましては、動画配信を中心としたコンテンツの拡充に注力しました。カメラ事業部ではYouTubeを中心に動画の制作や配信を行う「コンテンツクリエイト部」を新設、映像制作の実務経験を持つ人材を複数名配属し、これまで獲得できていなかった、若年層視聴者の獲得が進んでおります。これまでもAIを活用した「One to Oneマーケティング」を推進しておりますが、今後は映像コンテンツの制作、配信にも一層磨きをかけてまいります。カメラ事業のセグメント売上高は8,897,794千円(前年同四半期比16.9%増)となりました。セグメント利益については「AIMD」によって売上総利益率は高水準を維持でき、販売費及び一般管理費の伸びを超えて売上総利益を獲得できたことで1,084,180千円(同24.8%増)となりました。
[時計事業] 当第1四半期累計期間は減収減益となりました。前事業年度を通じて継続していた高級時計価格の相場下落は一服し、利益を確保しながら商品の販売を行うことができております。しかしながら、ECにおける時計の販売が低調となり、セグメント売上高は2,106,941千円(前年同四半期比25.8%減)となり、セグメント利益については54,278千円(同75.9%減)となりました。
[筆記具事業] 当第1四半期累計期間においては、メーカーとの協業によるオリジナル商品の企画・販売を継続実施し、限定モデルの売れ行きは好調となりました。また、中古品は高価格帯商品の売れ行きが堅調で、販売単価も上昇しております。 これらにより、セグメント売上高は111,707千円(前年同四半期比10.4%増)、セグメント利益については14,190千円(同232.6%増)となりました。
[自転車事業] 新型コロナウイルス感染症拡大における生活スタイルの変化と、健康志向に伴う自転車需要の高まりも一巡したことに加え、当第1四半期累計期間は円安による完成車価格の高騰等を通じ、販売の勢いは鈍化しました。免税売上も低調な推移となり、セグメント売上高は200,008千円(前年同四半期比11.3%減)となり、セグメント利益については7,050千円(同39.1%減)となりました。
(グローバル戦略について) これまで「Map Camera」として世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」へ、「GMT」として「eBay」及び高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」へ出店しておりましたが、加えて前事業年度より海外向け販売サポートサービスである「Buyee Connect」を導入しております。これにより世界118の国/エリアから、筆記具、ロードバイクを含めた全ての取り扱い商材を販売することが可能となりました。 越境ECにおける売上高はカメラ事業、時計事業、筆記具事業にそれぞれに含まれて計上されており、当第1四半期累計期間ではカメラ556,066千円、時計155,851千円、筆記具1,708千円となっています。
[販売チャネル別売上高の状況]
販売チャネル
売上高
構成比
前年同四半期比
EC
8,753,564千円
77.4%
102.7%
店舗
2,562,887千円
22.6%
113.7%
合計
11,316,451千円
100.0%
105.0%
(3) 財政状態当第1四半期会計期間末の総資産は15,189,125千円となり、前事業年度末と比較し、122,766千円の増加となりました。流動資産は13,386,412千円となり、前事業年度末と比較して183,698千円の増加となりました。これは主として商品が259,244千円増加したこと、売掛金が184,807千円減少したことによるものであります。固定資産は1,802,712千円となり、前事業年度末と比較して60,931千円の減少となりました。これは主として投資その他の資産が88,503千円減少したことによるものであります。負債につきましては8,780,917千円となり、前事業年度末と比較して194,047千円の増加となりました。流動負債は6,233,761千円となり、前事業年度末と比較して593,582千円の増加となりました。これは主として短期借入金が550,000千円増加したことによるものであります。固定負債は2,547,155千円となり、前事業年度末と比較して399,534千円の減少となりました。これは長期借入金が404,883千円減少したことによるものであります。純資産につきましては6,408,208千円となり前事業年度末と比較して71,280千円の減少となりました。これは主として利益剰余金が84,655千円減少したことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。