【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期累計期間における我が国経済は、コロナ禍からの経済活動の正常化が進みましたが、国際情勢の不安定化を契機とする急激な円安の進行及び資源不足・原材料価格の高騰と物価上昇による個人消費への影響も懸念され、景気の先行きについては依然不透明な状況が続いております。
このような経営環境の中、当社はこれまで取り組んできたEC主軸のビジネスモデルを強みとして、インターネット経由ですべての情報とサービスをお客様に提供してまいりました。これにより、お客様が当社とのお取引きをインターネット上ですべて完結できる仕組みを推し進めることでより利便性を高め、安心・安全にお買い物を楽しんでいただけるように努めてまいりました。
当第2四半期累計期間におきましては、これまで掲げてきました4つの“シンカ”、「進む価値」、「知識を深める価値」、「真実の価値」、「新しい価値」にもとづいた取り組みを進めてまいりました。One To Oneマーケティングとして、前事業年度までに導入しましたPhase4.ではカメラ事業の需給に合わせたタイムリーな買取・販売価格の設定を可能とした「AIMD」、Phase5.ではカメラ事業部がWeb上に保有する記事コンテンツの中から顧客ごとに適切なものを配信する「AIコンテンツレコメンド」を推し進めました。そして、LINE・YouTubeの積極的活用により、お客様の日常の中で一番身近な場所を商圏の中心とし、LINEではOne To Oneで受け取れるお知らせ機能を導入するなど、更なるシェアの拡大に向けた取り組みを行いました。また、円安効果を受けて海外への越境ECが順調に伸長しました。これらにより、売上高は21,885,409千円(前年同四半期比15.4%増)となりました。
利益面では、売上総利益率は売上高を大きく伸ばしながらも前事業年度から引き続き高い水準を維持することができました。販売費及び一般管理費においては、売上高連動の販売促進費やクレジット利用手数料、新たなシステム開発投資に伴う運用費及び従業員給与のベースアップによる増加等があり2,488,008千円(同12.0%増)となりましたが、AI活用によるスリムな経営を継続強化したことで、売上高販売管理費比率は前年から0.3%低下し11.4%となりました。これらによって、営業利益は1,628,275千円(同23.8%増)、経常利益は1,645,763千円(同21.8%増)、四半期純利益は1,125,967千円(同20.6%増)となりました。
(2) セグメント別経営成績各セグメントにおける経営成績は次のとおりであります。
[カメラ事業] AIMD、AIコンテンツレコメンドといった、AIを積極的に活用した独自機能やサービスによるOne to Oneマーケティングが機能し、EC売上が順調に増加しました。また、これまで商品情報やおすすめコンテンツはメールやアプリでのプッシュ通知でしたが、その情報をLINEでも受け取れるようにすることで、よりスマートフォンでのお客様の利便性を高めました。これらにあわせ、カメラメーカー各社からの注目の新製品の発売もあったことで、EC売上高は大きく伸長し、店舗売上高も回復したことで、全体の売上高は15,341,132千円(前年同四半期比26.4%増)となり、セグメント利益については1,763,415千円(同30.3%増)となりました。
[時計事業] これまで取り組んできた戦略的商品ラインナップの拡充として、人気ブランド「ROLEX」の買取強化を継続したことで、EC売上は大きく伸長しています。あわせて、越境ECとして出店している「eBay」及び「Chrono24」では顧客高評価を得て順調に成長し、レディース腕時計専門店「BRILLER」はSNSを中心とした情報発信によって認知度も高まっております。一方、店舗では国内需要は引き続き高いものの、国際情勢等(入国制限等)の影響によって免税売上高は未だ低迷しており、全体の売上高は5,871,661千円(前年同四半期比5.9%減)となり、セグメント利益については320,664千円(同13.7%減)となりました。
[筆記具事業] メーカーとの協業によるオリジナル商品の企画・販売については継続実施し、また限定品や国内未発売のレアモデルの万年筆等を多数取り揃えるなど、「KINGDOM NOTE」でしか手に入らない商品ラインナップを充実させ、同時にYouTubeを活用し筆記具の魅力を広く伝えることにも努めました。買取及び商品化においては強化を行い、新着商品のWeb掲載数の増量を図ったことで中古商品の売上高は大きく増加し、売上高は214,079千円(前年同四半期比16.5%増)となりました。セグメント利益については、売上高の拡大と同時に適切な販売価格の設定による売上総利益率の改善によって15,687千円(前年同四半期は1,807千円の損失)となりました。
[自転車事業] コロナ禍における生活スタイルの変化と健康志向に伴う自転車需要の高まりも一巡した中で、スマホアプリによる日常的な情報発信や自転車専門サイトでの広告宣伝とECサイト上の様々な営業施策を実施しました。店舗では世界的に人気が高い日本メーカーのパーツに対する免税需要が高まったこともあり、売上高は458,535千円(前年同四半期比11.2%増)となり、セグメント利益については30,458千円(同20.4%増)となりました。
(グローバル戦略について)海外での販売エリアの拡大を図るために、「Map Camera」として世界最大級のオンラインマーケットプレイス「eBay」へ、「GMT」として「eBay」及び高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」へ出店し、サービスの質を重視した越境ECを展開しつつ、各サイトの利用者は順調に増加しております。その売上高はカメラ事業、時計事業それぞれに含まれて計上されており、当第2四半期累計期間はカメラ809,137千円、時計530,830千円となっています。
(3) 財政状態①資産等の状況 当第2四半期会計期間末の総資産は14,338,759千円となり、前事業年度末と比較し、68,286千円の減少となりました。流動資産は12,701,377千円となり、前事業年度末と比較して119,412千円の減少となりました。これは主として現金及び預金が382,718千円増加したこと、商品が291,459千円増加したこと、売掛金が434,280千円減少したこと、その他が359,309千円減少したことによるものであります。固定資産は1,637,381千円となり、前事業年度末と比較して51,126千円の増加となりました。これは主としてソフトウエア仮勘定が95,391千円増加したことによるものであります。負債につきましては8,606,946千円となり、前事業年度末と比較して330,502千円の減少となりました。流動負債は5,116,206千円となり、前事業年度末と比較して1,008,034千円の減少となりました。これは主として1年内返済予定の長期借入金が206,886千円増加したこと、短期借入金が640,000千円減少したこと、未払法人税等が350,760千円減少したことによるものであります。固定負債は3,490,740千円となり、前事業年度末と比較して677,532千円の増加となりました。これは長期借入金が674,143千円増加したことによるものであります。純資産につきましては5,731,813千円となり前事業年度末と比較して262,215千円の増加となりました。これは主として自己株式が340,185千円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況 当第2四半期累計期間末の現金及び現金同等物の残高は、1,556,125千円となり、前第2四半期累計期間末と比較し、340,828千円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によって獲得されたキャッシュ・フローは、1,287,090千円の収入(前年同四半期は67,325千円の支出)となりました。これは、主として税引前四半期純利益1,645,403千円、棚卸資産の増加額291,459千円、売上債権の減少額434,280千円、仕入債務の減少額142,309千円、法人税等の支払額795,980千円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によって使用されたキャッシュ・フローは、173,669千円の支出(前年同四半期は102,113千円の支出)となりました。これは、主として無形固定資産の取得による支出156,996千円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によって使用されたキャッシュ・フローは、730,702千円の支出(前年同四半期は442,272千円の支出)となりました。これは、主として長期借入による収入2,004,167千円、長期借入金の返済による支出1,123,138千円、短期借入金の純増減額△640,000千円、自己株式の取得による支出420,000千円、配当金の支払額による支出587,392千円によるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期累計期間において、当社が対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動該当事項はありません。