【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当社グループの事業内容は水晶関連製品の一貫製造とその販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは単一となっております。なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績当第3四半期連結累計期間における世界経済は、エネルギーや食料などの価格高騰により世界的にインフレが進行し、これに対処するため欧米では利上げが進みましたが、世界的な景気減速懸念が強まりました。一方、インフレの鈍化を示唆する経済指標が出て来ており、利上げ打ち止めのタイミングが焦点となっております。当社の主力事業領域である自動車市場では、世界的な半導体不足が長期化し、生産台数回復の足枷となりました。中国では新型コロナウイルスの封じ込めを狙う「ゼロコロナ」政策により、2022年5月末までの2か月間、上海において物流網の混乱が起き、2022年11月には河南省鄭州市ロックダウンの影響を受け、スマートフォンの世界的な受託生産を担うEMSメーカーの主力工場において稼働率が大きく低下しましたが、その後「ゼロコロナ」政策は解除されました。このような状況下、当社売上高の約半分を占める車載向けでは、半導体不足解消後の挽回生産に備えたTier1メーカー(完成車メーカーに部品を供給するメーカー)より高水準の受注を受け、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比2割強増加いたしました。但し、直近では半導体不足の長期化に伴い、Tier1メーカーの一部において在庫調整が進み、当第3四半期(10~12月)の受注金額は第2四半期(7~9月)より減少しました。売上高の約2割を占める移動体通信向けは、中華系スマホメーカーでの需要減や鄭州市ロックダウンの影響を受けましたが、ハイエンドスマホ向けで76.8MHzサーミスタ内蔵水晶振動子や超小型水晶振動子の販売が伸びたことに加えて、為替が円安で推移したため、売上高は前年同四半期比で1割弱増加しました。売上高の約1割を占める産業機器向けは、データセンター向けで水晶発振器の売上高が前年同四半期比増加しました。この他、IoT、FA関連向けの売上高が前年同四半期比増加しました。以上により、当期の売上高は、為替の影響(前年同四半期比約36億円の増収)を含め、40,029百万円(前年同四半期は33,842百万円、18.3%増)となりました。利益につきましては、2021年12月に豪雨により浸水した当社マレーシア工場において、2023年3月期第2四半期及び同第3四半期にそれぞれ保険金として約4億円、約9億円を受領したため、受取保険金約13億円をその他の営業収益に計上いたしました。一方、この災害により約3億円の損失をその他の営業費用に計上しました。この結果、為替の影響(前年同四半期比約10億円の増益)を含み、当第3四半期連結累計期間の営業利益は6,680百万円(前年同四半期は営業利益3,517百万円、90.0%増)となりました。税引前四半期利益は、約3億円の為替差損を金融費用として計上した影響もあり、6,075百万円(前年同四半期は税引前四半期利益3,251百万円、86.8%増)となり、四半期利益は5,172百万円(前年同四半期は四半期利益2,927百万円、76.7%増)となりました。なお、当第3四半期連結累計期間の対米ドル平均為替レートは135.40円(前年同四半期111.38円)となりました。事業の品目別の業績を示すと、次のとおりであります。
①水晶振動子水晶振動子の販売は、主として車載向けで前年同四半期比増加しました。移動体通信向けでは中華系スマホメーカーでの需要減の影響を受けましたが、ハイエンドスマホ向けで76.8MHzサーミスタ内蔵水晶振動子や超小型水晶振動子の販売が伸びました。その結果、売上高は28,591百万円(前年同四半期比23.7%増)となりました。
②水晶機器水晶発振器の販売は、車載向けでは半導体不足の影響などにより減少しましたが、データセンター向けでクロック用水晶発振器の販売が前年同四半期比増加しました。その結果、売上高は7,916百万円(前年同四半期比0.1%増)となりました。③その他高級カメラ向け光学製品や超音波診断装置の販売等が増加しました。その結果、売上高は3,522百万円(前年同四半期比25.1%増)となりました。
(2) 財政状態当第3四半期連結会計期間末における資産、負債及び資本の、前連結会計年度末に対する主な増減は以下のとおりであります。前連結会計年度末に比べ、総資産は、営業債権の増加1,432百万円、棚卸資産の増加1,289百万円、有形固定資産の増加856百万円、流動資産の「その他」に含まれる未収消費税等の減少320百万円、現金及び現金同等物の減少2,457百万円等により974百万円増加して62,194百万円となりました。負債は、リース負債の増加480百万円、デリバティブ負債の減少466百万円、未払法人税等の減少665百万円、営業債務その他の未払勘定の減少1,051百万円等により1,837百万円減少して39,344百万円となりました。親会社の所有者に帰属する持分は、新株式発行・自己株式の処分・A種種類株式償却等による資本剰余金の減少2,146百万円、四半期包括利益5,384百万円、剰余金の配当425百万円により、2,811百万円増加して22,849百万円となりました。これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の32.7%から4.0ポイント上昇して36.7%となりました。
(3) キャッシュ・フロー当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比較し2,457百万円減少の7,905百万円(前年同四半期比5,367百万円のマイナス)となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金は、マイナス要因として法人所得税の支払額1,311百万円、棚卸資産の増加1,162百万円、営業債権の増加1,116百万円、営業債務の減少793百万円があったものの、プラス要因として税引前四半期利益6,075百万円、減価償却費及び償却額2,331百万円があったこと等により、2,846百万円のプラス(前年同四半期比348百万円のマイナス)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金は、マイナス要因として有形固定資産の取得による支出2,327百万円があったこと等により、2,310百万円のマイナス(前年同四半期比462百万円のマイナス)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金は、プラス要因として株式の発行による収入2,797百万円、自己株式の処分による収入1,337百万円、長期借入れによる収入790百万円があったものの、マイナス要因として自己株式の取得による支出6,250百万円、長期借入金の返済による支出946百万円があったこと等により、3,057百万円のマイナス(前年同四半期比1,951百万円のプラス)となりました。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,316百万円であります。
