【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1)財政状態及び経営成績の状況(経営成績の状況)当第3四半期連結累計期間における国際情勢は、国内新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等が進む一方で、原材料やエネルギー価格の高騰、欧米を中心としたインフレの進行、ウクライナ、米中情勢など地政学リスク、中国景気減速、欧米景気後退リスク、急激な為替変動など先行き不透明な状況が続いております。当社グループ製品の主要市場である自動車産業においては、世界的な半導体不足及び原材料やエネルギー価格高騰の影響があり、当社としても厳しい経営環境状況となりました。当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高は295億70百万円(前年度比2.1%増)となり、営業損失は11億39百万円と前年同四半期に比べ13億59百万円の減益となりました。また第2四半期連結累計期間において、為替差益3億66百万円を計上しましたが、その後の急激な為替相場の変動により、当第3四半期連結累計期間の為替差益は2億52百万円減少し、1億13百万円となり、経常損失は11億17百万円と前年同四半期に比べ15億46百万円の減益、親会社株主に帰属する四半期純損失は9億52百万円と前年同四半期に比べ10億2百万円の減益となりました。このような状況の中、当社は足元の収益基盤強化と合わせて「中期経営計画2025」に沿った取組みを着実に継続しています。電動化対応については、将来に向けた開発推進に加え、新型ハイブリッド車用のインバーター部品の追加受注により、23年年初に増産、24年年央には更に生産ラインを増設予定です。デジタル技術と匠の技の融合によるモノづくり革新「未来Factory」の実証を継続し、来年度から工場へ展開予定です。また、グローバル最適生産の一環で、タイ子会社第二拠点の立上げ準備を計画通り推進しております。あわせて、食糧課題対応としての昆虫食事業を含めた新規事業開拓、カーボンニュートラルへの取組み、人的資本への投資などに積極的にリソーセスを投入し、将来の収益力確保、企業価値向上への取り組みを推進してまいります。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。①自動車焼結事業為替変動の影響を除くと、国内、米国を中心とした半導体不足に伴う得意先での生産調整の影響等で販売量減少となりました。当社グループとしては、休業日設定等による稼働調整、省人推進及び生産課題の解消に加え、原材料やエネルギー価格高騰に対して販売価格への反映などに取り組みましたが、その影響等を吸収しきれず、大幅な減益となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は267億70百万円と前年同四半期と比べ5億28百万円(2.0%)の増収となり、セグメント損失につきましては、2億円と前年同四半期と比べ13億27百万円の減益となりました。
②鉄道焼結事業新幹線用ブレーキライニング及び新幹線用すり板の搭載車両増加が売上増に寄与している一方、2020年度第2四半期以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴う減便等の影響による、発注数の減少により減収となりました。収益面では原材料やエネルギー価格高騰の影響があるものの、売上減に対応した原価低減策等により増益となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は10億90百万円と前年同四半期と比べ66百万円(△5.8%)の減収となり、セグメント利益につきましては、90百万円と前年同四半期と比べ38百万円(75.6%)の増益となりました。
③油圧機器製品事業北米向けデンタルチェア用製品市場で顧客の在庫調整が一部あるものの、第2四半期までの堅調な伸びの効果もあり増収増益となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における売上高は17億2百万円と前年同四半期と比べ1億49百万円(9.6%)の増収となり、セグメント利益につきましては、4億75百万円と前年同四半期と比べ28百万円(6.3%)の増益となりました。
(財政状態の状況)(資産)資産は501億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ、9億30百万円減少いたしました。これは、新規設備投資に伴う現金及び預金の減少(前連結会計年度末比17億26百万円減)、原材料価格の高騰などに伴う原材料及び貯蔵品の増加(前連結会計年度末比4億1百万円増)、四半期特有の会計処理による繰延税金資産の増加(前連結会計年度末比3億51百万円増)によるものであります。
(負債)負債は303億73百万円となり、前連結会計年度末に比べ、2億8百万円増加いたしました。これは、急激な円安進行に伴う為替換算差による短期借入金の増加(前連結会計年度末比2億52百万円増)、1年内返済予定の長期借入金の増加(前連結会計年度末比3億89百万円増)、冬期賞与支給に伴う賞与引当金の減少(前連結会計年度末比4億28百万円減)によるものであります。
(純資産)純資産は197億49百万円となり、前連結会計年度末に比べ、11億38百万円減少いたしました。これは、主に世界的な半導体不足、原材料やエネルギー価格高騰の影響等による利益剰余金の減少(前連結会計年度末比10億84百万円減)、その他有価証券評価差額金の減少(前連結会計年度末比1億64百万円減)、円安進行に伴う為替換算調整勘定の増加(前連結会計年度末比2億87百万円増)によるものであります。
(2)研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は405百万円であります。